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リボン作り 『夕暮れ時の鉄棒』

作者: 物語のあるリボン/いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

絶対今日こそやってやる!』

そう言って、今日も一人放課後に向った先は鉄棒

『今日こそ逆上がりが出来るようになるんだ!あと少しで出来そうなのだけど、何で出来ないんだろう?』

腕を引き寄せて、蹴り上げて上まで行くところまではいい感じなのだが、あと一歩で落ちてしまう

バタンっ

痛そうな音と共に私は、運動場の砂の上に叩きつけられた

しっかり鉄棒を掴んでいなかったようで、手が離れてしまったのだった



放課後のチャイムが鳴り、今日の練習も終わる

服に付いた砂を払いながら、とぼとぼと校門へと歩き始めた

みんなに置いていかれた感が私を焦らせていく

『明日は絶対出来る・・・』

『ねぇねぇ?逆上がり練習してるの?何年生?』

『ふぇっ!?』

突然、声をかけられた私は思わず変な声が出た

隣には、肩にかかるくらいの髪の毛を、両サイドの髪の毛を少し取り三編みにし可愛くハーフアップにした小柄な女の子が興味深そうに私を見ていた



『えっと、3年生・・・あなたは?』

『私も!!あんね!私も逆上がり練習してるよ!』

『同じ3年生?逆上がりも!?一緒だね♪』

こんな子いたかな?と思いつつも同学年の女の子で逆上がりも練習していると聞いて私は嬉しくなって、そんな事は気にもとめていなかった

『明日も来る?』

『うん!』

『じゃあ、また明日ね!』

こうして私達の逆上がりの練習が始まった



『もう少し蹴り上げてみたら?』

『えいっ!!』

『おしいっ!』

今日で3日目、なかなか二人共出来ずにいたのだが今日はお互い調子が良く、後少しで出来そうな形になってきていた

『あっ!すごい!できた!』

くるんと回ったその子は、満面の笑み鉄棒の上から私を見下ろした

『次、出来るよ!絶対!やってみて♪』

言われるがまま私は運動場の土を蹴り上げた

ふわっと体が持ち上がりゆっくり体を起こす

『あっ!見て!出来た!出来たよ私も!!』

先に鉄棒に乗っていたはずの、あの子の姿を探す



『・・・?』

おかしい、さっきまで隣にいて一緒に逆上がりをしていたはずなのだ

鉄棒がそんなに高いわけではないが、見渡しても誰もいない

後ろにいるかもしれないと鉄棒から降りて後ろを振り向いたがいないのだ

狐につままれたような気分で、紅い太陽も少し怖くなってきた私は逆上がりが出来た喜びも忘れて急いで家に帰って行った



さっきの出来事はなんだったんだろう

そもそも、あの子は誰だったんだろう?

そんな事を考えながら夕飯を済ませた

リビングで何やら古い本や箱出してきて整理をしているママの姿が目に入った

『それ何?』

『これはね、あなたのおばあちゃんよ♪今日はおばあちゃんの命日だから実家へ行ったのよ、そしたら懐かしくて色々持って帰ってきちゃった』

ママが手にしていたのは古いアルバムと箱の中に無造作に入った写真だった

私も写真をみようと横に座り箱の中の写真を1枚ずつ見ることにした



『あっ!!』

『なに?ビックリするじゃない』

『ねl?この子!ねぇ!!私さっき一緒に遊んでたの!!』

『え?これおばあちゃんよ?ふふ。似た子でもいたの?・・・何歳くらいだろうね?あなたと同じくらいかな?髪型オシャレね!ふふふ』

そこに写っていたのは、肩にかかるくらいの髪の毛を、両サイドの髪の毛を少し取り三編みにし可愛くハーフアップにした小柄な女の子、いやおばあちゃんの小さい頃だった

『ほんとだもん!逆上がり一緒に出来て!そしたらいなくなってて!』

『そっかぁ。今日は命日だから、おばあちゃん逆上がりの練習一緒にしてくれたのかもしれないね♪出来るようになって良かったじゃん!』

その言葉を聞いて、どこか納得した自分がいた

毎日練習した日々を思い出しながら、おばあちゃんとの話をママに聞いてもらう

今日の月はいつもより輝いていた



最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

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