表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/127

理解に苦しむ、軽トラ女子

異世界モノの知識って、一般人にはハードル高いよね?

始まってしまったものは仕方がない、これからどうするかを考えなくちゃ。


人生って【妥協】が大事だよね。


まぁ私独りならどうしたら良いのか分からず

クヨクヨしてたかもしれないけれど、

愛しの軽トラちゃんが一緒だし。


……軽トラちゃんは会話出来ない自動車だけど。


「まずはここから何処か人の居る所に行きたいなぁ。」


ブッブーー♪


「え、何故にいきなりクラクション鳴った?」


ブッブッブーーー!

ブッブブ ブッブー ブッブーーー!!!


突風の後に現れたままの軽トラックが自己主張してる……。

まさかまた自動運転でドリフトし出すんじゃ!?


「ダメダメ、君のご主人は私なの。勝手に動き出さないで!!!」


今度は私のお願いが聞こえたのか、軽トラちゃんはフロントライトをパカパカと点滅した。


「人格とかあんのかな、この子?」


若干のあきれと「もうなんでもアリだな」という諦めの気持ちで、私は軽トラックの運転席に乗り込んだ。



「乗ったは良いけどキーは何処だろ?」


ダッシュボードにもサイドブレーキ側のスペースにも無い。

そもそもエンジンが起動していないのにフロントライトが点滅するんだから、異世界的なアレな仕様でキーが要らないのかもしれない。


こんな時は、前にみーちゃんが熱く語ってた異世界モノの話を思い出してみよう。


『異世界に行ったらね、まず魔法が有る世界かどうかが第1の分岐点だよね。まぁ基本的に魔法が無い異世界は恋愛系要素が多いから命の心配は少ないんだけど、もしバトル系なら他のチート能力に期待かな!』


……魔法、有ると良いなぁ。

バトルは無理だし、恋愛なんてもっての他。

年齢=恋人無し属性を舐めんな。


『んで、異世界行ったならやっぱり魔法使いたいよね。大概は、全属性魔法使いとかユニーク魔法使いとか最大クラスの回復魔法が使えるだとか逆に魔法完全無効化能力の保持者とか胸熱!!!』


好きな物の話をする時、特有のキラキラとした笑顔まで思い出して懐かしくなった。

もう、みーちゃんにも会えないんだなぁ。


『でねでね特殊スキルって概念も有ってね、そういうのを確認する為に必ず言う台詞が……』


「確か……ステータス・オープン」


……


………


…………


「何にも起きないよ、みーちゃん」


目の前に画面が現れるとか、頭の中に自分の情報が浮かぶとか聞いていたのになぁ。

もしかしたら、魔法が無い世界なのかも。


「こんな時こそ、みーちゃんにナビしてほしかったなぁ。」


《ナビゲーションシステムを起動します》


は?


《御用件をどうぞ》


「え、どういうこと?」


《戸倉様の「ナビ」と言うお声により、ナビゲーションシステムが起動しました》


「あ、そですか。」


おっかしいなぁ。

カーナビをオプションに付けた記憶も無いし、これも異世界的なアレが原因なのかぁ。


《他に御用件は御座いますか?》


「えっと、じゃあステータス?魔法?スキル?みたいなモノを確認したいんだけど……出来る?」


《畏まりました》

《戸倉様のステータスを表示します》


私の戸惑いを他所に、ナビゲーションシステムがフロントガラスに私のステータスを映し出した。



名前(ネーム) 戸倉恵子


職業(ジョブ) 軽トラ女子


技術(スキル) 軽トラック運転 軽トラック召喚 軽トラックシンクロ 夏用タイヤ変化 夏用ワイパー変化 農家手伝い 漁師手伝い 接客業


技術点(スキルポイント) 1000


称号(タイトル) 軽トラックの友 安全運転とスタントドライビングの狭間に 前向きな行き当たりばったり ツッコミ気質 色気より食い気 酒豪 パリピ嫌い 敬老精神



称号っての多いなぁ、あんまり褒められてる気はしないけど。


「職業の軽トラ女子って何?」

「軽トラックのシンクロって更に何?」

「ついでに技術点(スキルポイント)ってのがサッパリ分からん」


職業(ジョブ)、軽トラ女子は戸倉様用の職業です》

技術(スキル)、軽トラックシンクロは戸倉様と軽トラックの意思疎通を可能にする技術(スキル)です》

技術点(スキルポイント)は新しい技術(スキル)の取得が可能なポイントです》


「さいですか……」


やっぱりよく分からん。


軽トラ女子「もう、何がなんだかサッパリぽん」

軽トラ「暇ぁ」(ライトパカパカパカパカ…)

軽トラ女子「ちょ、エンジン掛かってないんだからライト点けたらバッテリー上がるよ!!!」

ナビゲーション《バッテリーの心配は無用です》

軽トラ女子「これも異世界的なアレかっ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ