笑顔の理由
涙のつづきは語れない
きみのそばにいても
きみの夢をたぶん
いちばん最初に聞いていたとしても
その涙の理由が
いまは分からない
きみは何も言わない
僕もときには何も言わないけど
きみがさみしいぶんだけ
僕はそれ以上にさみしいんだ
お互い、気づいていることも
気づいていないぶんも
ふたりにとって悲しい出来事だと
受け止めることができれば
その涙の続きを
語れるのかもしれない
きみに伝えたいことが今日もあって
きみにとっては
特に大事なことでないとしても
僕にとってはとっても大事なことだから
大事なもののうち
ひとつだけ、伝えたい
きみの気持ちの中で
許してくれる範囲で
つらいとき、笑顔でいられることなんて
無理な話だね
だから、
きみのこころの許してくれる範囲で
僕は語る
そこにまだ
笑顔の理由がなくても。




