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06 世界情勢1

06 世界情勢1


「ママー」


「おはようエレナ、一人でお着換えできたのね」


「おはよ、そのくらいできるよ…」


「キッチンに朝食とってあるわよ、食べてこれる?」


「わかったの」


 トコトコと家の方に歩いていく。




「おませさんになる時期かしらね、もうちょっとママに頼ってもいいのにね~。ママも一緒に食べようよ~とか言ってくれてもいいのにぃ」


 少ししょんぼりとしながらユミルは愛娘の背中を見ている。


(あとでエレナの様子を見に行きましょうか)




 この世界の言語、及び文字は自動翻訳される。横文字っぽいものと漢字っぽいものがあって、会話は共通で意味が通り、読み書きは、私の周辺環境では横文字が好んで使われる。漢字も分かるようだがあまり見かけない。これは私に固有の現象で、例えば辺境部族の僻地の村人なんかはまともな文字を知らないし、鈍った話し言葉しかできず、知識も乏しい。



 今日の朝食は柔らかいパンに、野菜とベーコンが入っているスープ、目玉焼き、サラダ、ジュースとボリュームのあるものだ。魔法でなんやかんやされている箱があるため、私は作り置き朝食の乗ったトレーを引っ張り出してテーブルまで運ぶだけでいい。

 エルフは森に棲んで手斧と弓を担いでログハウスや大きい木の上に住んでいる・・・というイメージがあったのだけど、実際はもっと便利で機能的な生活を享受している。主に魔法のおかげである。


 パンに噛り付きながら、テーブルに広がる羊皮紙製の世界地図を見る。この地図は家族用の地図?というやつだ。父は警備系のお仕事をしているので「あそこの国との国境沿いはキナ臭い」とかぼやきながら食事をするし、母は道具の産地とかを確認するし「ここの山は絶景で珍しい薬草が生えてるんだって~とか、近所の子がこの辺りに旅に出ているから心配ね~」などと、地図は話の種にもなるし、結構な高級品の割りに需要の高いアイテムなのである。




 地図をと見比べて思い出すように、慎重にこの世界の地形を思い出していく。私が今いる大陸が中央大陸、結構大きい。同じくらいの大きさの魔大陸が北に。東には東列島という日本より面積が大きいであろう島国群がある。西にアーネイロ大陸、南にシリオ大陸が位置している。


 中央大陸は正しく中央大陸で、ヒューマンが大多数を占めている。国境はよく変わるようで、この地図からは主要都市の位置と大まかな勢力しか分からない。異種族とも同族とも日夜争う血気盛んな種族と言えるだろう。


 魔大陸では魔族が治めている領地が中央にある山脈を挟んで西側にあり、魔王領となっている。東側は未開の領域である。魔大陸の東側はドラゴンの一団が飛び回っているために、基本的に他種族には危なくて近づけないそうだ。

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