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34 大戸1

34 大戸1


 転生者に死者が出ていたという事を聞いてからとめどなく考えてしまう。

 他人の生死、あるいは生き方に対して価値が低い、可哀そう、つまらないなどと断じるのは宜しくない。往々にして余計なお世話だろう。

 だがしかし、私は彼らは自分の人生に満足、或いは納得したのだろうかと不安になる。他人を見ているようで自分を見ているのかもしれない。


 自分の人生を、死を評価する事はできない。ただ、他人の人生を通して自分の人生を相対的に評価するのだ。

 自殺や戦争、理不尽な事故、犯罪、難病奇病で死んで逝く者達を見て、その全くの第三者である死者の人生について考えると、どうしてか心を強くかき乱される。

 全ての人生には最低限、なにか救われる要素が一つはあったに違いないと、納得できる理屈があったのだと思い込むのだ。そう、生きながらにして自分の人生を肯定するために、他者の死は無為で恐ろしい物であってはならない。




 東列島での自分のスタンスをある程度決めておこう。

 地上から全ての苦悩や不幸を消し去りたいわけではない。

 しかし、目の届く範囲で可能なら助ける。そういう塩梅でどうだろうか。わざわざ紛争地域や治安の悪いところに突っ込んで気に入らないものに片っ端から矯正する様な介入はしない。


 具体的にはどうするかな。開拓の後方支援が良いかな。ベースキャンプで雑貨屋開きつつ、必要があれば前線に行くこともあるかなってくらいで。蘇生は、うーむ、ケースバイケース。金銭で分け隔てなくは止めよう。肥え太った領主とか犯罪者とかは拒否って感じだね。うむうむ。


 開拓支援の雑貨屋かぁ…、うーたんを店番に置いておけば私はぶらぶらできる。ふむ、いいねいいね。基本の仕入れも、うーたんを使おう。私は自分で何かを造ったり、お出かけ先で良さそうな物があったら仕入れる感じでいいかな。


 そうとなれば準備しよう。つまり店舗が必要だな。まだ午後まで時間があるから、…まずは店舗兼居住スペースだね。


 ということで朝食後に実験区画にやってきました。

 ふう~、まずは御馴染みのアムリタンZx10個を出す。次に天界通販カタログを見ていく…。出来合いのプレハブ物件が無いか探します。

 天空要塞…アムリタンZ無限増殖しても丸一日掛けないと魔力が注ぎ切れなそうですねー。城セット、砦、塔、神殿、豪邸、浮島(空中に浮く)、要塞、闘技場…ろくなのが無いな。

 ん、居住型戦車(小)これとかいいんじゃないかな?あー、色々とタイプがあるみたいだね。飛行船型、潜水艦型、中世風の戦車型、現代風の戦車型、等々あるようですな。中には地中潜航型、真空宙航行型(宇宙船)もある…オーバーテクノロジーすぎるので見なかったことにしよ…。


 店舗に使えそうなのが中世風の戦車型しかないよね。ラムが付いてたり、側部に殺傷武器が付いてたり、上からの矢を防ぐためか見通しは悪そう。流石に店ではないな~。一から作るのは嫌なんだよね。もうちょっと見てみよう。

 可動式戦場拠点(小)、お、これとか良さそう。詳細を見てみよう。外装は太い四本の柱が四隅に、そして床は一階部分床、二階部分床、二階部分の天井にそれぞれ分厚い二枚重ねである。ちなみに総オリハルコンだ。謎の加工技術ですね。後は目的に合わせてアタッチメントを付けていくようだ。日本の屋敷に似ている。畳とか襖とかそういう感じ。

 良さそう。と言う訳で基礎部分を注文する。注文に必要な魔力にアムリタンZを8本分を使った。これあと二本じゃ足りないな。もう20本アムリタンZを注文しておく。

 下から作っていこう。稼働式の高性能車輪を四つ注文する。平地を効率よく転がる車輪モードと、建物の重さを利用して車輪の横にあるパイクを打ち込んで進むモード、移動しない様に大きな杭を打ち込むモード、エンジン機関に接続可能で、パイクをガシャガシャ打ち込んで走ったり、車輪を動力任せにひたすら回転させたりできる。

 魔力動作式の小型エンジンをそれぞれの車輪に取り付ける。これで真の四駆だぜ。それぞれのエンジン部分にコントロール制御盤をつける。コントロール制御盤へ接続する魔力供給導線、信号導線を一階の二枚床の間に通す。建物の丁度中央部に一、二階を吹き抜ける制御室にする。ここでアムリタンZが終了。全然足りないね。200本注文しました。ちなみに飲みすぎても大丈夫。さてそうやって色々と頑張った。




 アフターがこちらになります。


 一階部の床は前述の駆動系、水を高速射出して推進力を得る機関(収束して射出可能)、上にゴミ処理用タンク200Lくらい、その下に天界式時空間爆縮ゴミ処理装置、一階部分に上がる為の可動式の階段。

 一階部分は半分を店舗用の広い空間、中央に制御室もう半分は水回り用の各部屋、応接間、リビングでインフラは制御室から来る。店側はミスリルガラス張りに外側にシャッターである。有り体に言ってコンビニ風である。居住側は普通の壁で裏地にミスリル板が敷いてある。小さめの玄関と、窓はミスリルガラスと外側はシャッターになっている。こちらの玄関は外からの階段が付いてない。

 二階への階段は店舗側、制御室、居住区に一つずつある。二階も一階と同じ区画割で上に重なる感じ。居住区の方は個人用の小さい部屋が並んでいる。後は倉庫が一つ。二階の店舗側の外周は一階の出入り口が無いバージョンである。居住部分は各部屋に小さいベランダが付いている。ミスリルガラスにシャッター完備。屋上へは制御室からしか行けない。

 一番上に魔法で水を補給する貯水槽があり、その下に天界印の魔力ジェネレーターと魔力貯蔵コンデンサーがあり、制御盤で管理ができる。

 屋上より上になる制御室の上部と外周に変化(ギブズエネルギー)入力式の発魔パネルを設置する。このパネルは黒色で、光、熱変化、圧変化、等々のエネルギーを魔力に変換できる優れものである。これを魔力貯蔵コンデンサーに接続しておく。

 魔力ジェネレーターは常時少し発魔している。ここには物を入れることが出来る。魔核や魔水晶などの魔法を含む物質を入れると大きく発魔する事ができる。とりあえずオーガの魔核を10個程注文して入れておいた。後、様式美として人力発魔用の自転車と手回しハンドルを置いておいた。私の場合は普通にコンデンサーに魔力を流した方が効率が良い。とりあえずコンデンサーの魔力を満杯にしておく。

 制御室の余っている空間にその他に必要な魔道具の装置を考えていく…照明器具、魔力供給ソケットを各部屋へ渡せる様にする。設置型水晶版と、点々監視カメラを店内と建物の側面、屋上に設置。警報用の結界発生装置と連動させる。後は対物理魔法障壁発生用の装置もここに。ついでに屋上にレールカタパルトを一門設置。一応遮音、光学迷彩(透明にはならず、鏡面になるだけ)結界の装置も設置。

 ん~、あとは…探知魔法ソナー装置を屋上に設置。後は適当に内装を整えていく。オリハルコンの床の上に横方向のG加速を軽減できるような仕組み(高摩擦のボールを挿むやつ)の床を敷いておく。これを屋上以外に敷く。魔力を沢山消費するものばかり揃ってしまった。いくつも稼働させるとすぐエネルギー不足になる。魔力の運用効率も私が自分で魔法を使うより悪いから注意せねば。後は適当に家具や棚やベッドやらを詰め込んでいく…。

 結局注文で揃わないも物が結構あったね。ふむ、見事な豆腐型店舗の完成である。色々やってたらもうお昼の時間になっていた。


 この建物の名前は…「うーストア1号店」でいいや。とりあえずね。

 さてうーストアを時空間アイテムボックスに仕舞い、1階の食堂で昼食をすませる。シーゼルが居たので質問する。


「シーゼル、ゴーレムを町で連れるのに何か必要?」


「こんにちは、ミス朧。見える部分に主人の名前が書かれたリングを付ける事が必要でございます。このリングが無いと、魔物が町にいるのと同じに見られてしまいます。テイムしたモンスターも同様です。このリングが付いていれば、その者が主人の所有物である証明になると同時にその行動に責任を負います」


「なるほど~、シーゼルありがと~」


「お役に立てて嬉しく思います。行く道々、どうぞご注意ください」


 …というわけでうーたんを20匹出して、『朧』という彫りの入った黒っぽい銀のリングを首につける。8匹を帰還させる。残り12匹を4人3組に分け、一組に白金貨を20枚ずつ配る。道具屋、雑貨屋にありそうな物を適当に買ってくるように指示を出しておく。一応ゴムロッドと緊急の念話発動用に紙に魔法陣を書いた物(使用回数は数回分)を持たせておく。使われても「う~」しか言わないので、取りあえず異常事態と分かるだけだが無いよりマシだろう。


「皆、午後3時にここに集合ね、食糧や生活必需品、初心者の冒険者装備、道具を中心に集めて来て~。あ、これも渡しておくね」


 空間魔法のアイテムボックスを各組に一つ配る。


「じゃあよろしくね~」


「う~」「うー?」「うーうー」「うぅうー」


 うーたん達を送り出した。現在は12時半、私も外出してもいいけど足遅いからね~、自分のフロアの実験室に戻り、聖剣ヒノキボルグを3本、ステンレス鉄パイプを30本、ゴムシールドを30個作って1階に降りた。


「うー」「うー!、うーうー!」「う~」


 うーたん達が帰って来た。問題は無かったようだ。それではいよいよ、東列島に出発しよう。

新天地に行く!っと思ったら準備回です。(;´・ω・)

この建物が数時間で完成するなんて、エレナちゃん有能ですわー(棒)(ご都合)

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