01 プレ・プロローグ1
性描写で一度削除されたので、修正しつつの改稿・再投稿の作品です。
いやはや改稿が間に合いませんでした(^_^;)
01 プレ・プロローグ1
※プロローグから物語は動きます。最初は流し見で良いかもしれません。
気づいたら幼女だった。世界は3分前にできたのかもしれない。
夢でも無いし、圧倒的なリアリティとして膨大な情報がドンドコ押し寄せて来て認知を迫る。諦めて身近な所から順番に整理していくと、私の母親はユミル・ルビーライト、父親はダイン・ルビーライト、そして私はエレナ・ルビーライト、ということらしい。
父の職業はたぶん武術系だと思う。実の父親の職業があやふやなのはどうかと思うが実際わからないのだからしかたない。今までの会話から推測するに剣術指南役と近隣の警備などをしているらしい。要するに騎士っぽいことをしている。
母の職業はわかりやすい、道具屋である。朝夕は家事全般をして、日中は店番をしている。道具屋は建物の一階部分に二部屋分、二階部分にも二部屋分ある。それぞれの部屋は結構な広さがある。建物の残りの部分は家族の居住に使われる。そのために母はたいてい家と店のカウンターのどちらかに居る。
私は今6歳だからもちろん母と一緒に居る。たまに外に出かけることもあるのだが、危険の無い範囲内でけがのないように遊ばせる感じだ。なんか放任っぽい。別にネグレクトされている訳では無い。やることも無いので私は意味もなく『パタパタ』と駆けまわる。そして何かを触ったり見たりして情報収集する。
ここまでは、『転生した~!!』のテンプレ乙だけど、ここから雲行きが怪しくなってくる。
私はこの世界に生まれ落ちた幼女としての記憶、前世のサラリーマンとしての記憶、この世界の知識を持っていた。
ファンタジー異世界を目の前に、くっそつまらん世界のサラリーマン自我は狂喜乱舞するが、幼女の自我はキャッキャと童心で狂喜乱舞しているという状況なのである。
そもそも、私の自我の中心は中年手前のサラリーマンだったはず、仕事を終えて家に帰って寝た所までは覚えていた。気づいたら幼女に意識が乗り込んでいたというわけだ。今の私が生まれた時からの記憶もある。
更に良く分からない記憶も足されているようで、この世界の節理もある程度知っているようだ。これがまた酷く偏った知識で、RPGゲームの設定に記載されたような知識、有り体に攻略本とかゲームwikiに乗っていそうな知識を持っている。ポーションは薬草をすり潰してからフラスコに入れて煮沸しつつ抽出すると完成する と言った具合だ。さらに魔法の呪文、というか魔法の意味と原理も分かる。
しかしこの世界の国々の名前なんかは分からない。十中八九は中世のファンタジー世界だと思われるが、一般常識の類や国際情勢なんかの知識は持っていない。
おっさんOSで、ハードは幼女、幼女の記憶、世界の知識、おっさんの前世の経験が詰め込まれた廃スペPCに出来上がっている。まぁ中年手前はお兄さんかもしれないからお兄さんでもいいが、今の幼女の見た目では、前世の呼び名など如何ほども価値はない気がするし不毛なので次にいくか、いやべつにハゲではなかったよ!?