『何も持っていない事が、何かを持っている思想』
『何も持っていない事が、何かを持っている思想』
㈠
一般的に、何も持っていないことは、何かを現に持っていないこととなると思う。
㈡
しかし、何かを持っていない人の所に、人は集まってくることがある。
㈢
つまり、何かを失っていることは、その分だけ、何かを持っているということになる。
㈣
それはつまりは、何も持っていないのに、生きることが出来ているのだから、不可視の何かを持っているのだ。
㈤
この不思議は、思想的に見ると、例えば心を持っている場所に金銭がないような、一種の例えに終着する。
㈥
無いよりは、はあったほうがいいが、ありすぎるよりは、無いほうがいい、という一つの思想が此処にある。