6話
こんな名もないオタクの処女作をどうやって見つけてるんだ…
6話
「ふぅ」
これで渡り合える…
ゴブリンとの連戦に一息つきホブゴブリンの気配を探る。
連れてきた精鋭を全滅させられたからか、殺気の濃度が増し木々で視界が悪くてもヤツの位置が把握できる。
「ここは素早さを活かして逃げるべきだろうか」
倒すにはヤツの硬い防御を貫くだけの何かがいる・・・
「っ!?」
考えてる暇は無さそうだ、ホブゴブリンがこちらに向かって一気に駆け出してきた。
「おらぁ!」
とりあえず時間稼ぎの為に手頃な石を投げつけてみる。
「お!当たった」
ホブゴブリンの右目の上を石がカスり少し血が出ている。
それでもヤツは走るのをやめずにこちらに向かってくる。
「少しくらいは怯んでくれよっ…」
勢いこそ落ちていないものの右目に血が入り視界が悪いのか木や枝がホブゴブリンの体にかすり傷をつけていく
俺は姿勢を低くし、ヤツの右側に回り込むように動き出した。
「ん?なんだあれ?」
少し移動すると森には似つかわしくない金属の輝きが見える。
鉄の斧 物理攻撃力+22
熟練の木こりが愛用する質の良い斧
「ナイス木こりぃぃ」
少し錆びているが今の剣よりも圧倒的に性能がいい。
銅の剣をアイテムボックスに仕舞いオノを装備する。
「元の所有者がどうなったのかわからないがこれで勝てそうだ、ありがとな木こり」
俺は回り込む速度を上げ、ホブゴブリンとの距離を詰める
「ガァァァァァァァァア!!!」
右後ろから近付く俺に裏拳のような横薙ぎの攻撃がくる。
右側が見え辛いとは言え流石はレベル9対応が早い。
「これでも喰らえ!」
俺は裏拳をスライディングで交わしホブゴブリンの片脚の腱をオノで切り裂いた。
「ガァァァ… 」
厳しそうな表情を浮かべるホブゴブリン
俺は冷静に距離を取りつつ鑑定でヤツのHPが半分ほどになってることを確認した。
「ちょっと血を流して過ぎてるんじゃないか?」
ホブゴブリンを挑発する様に煽ってみる。
「ガァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「攻撃が大振りになってきてるぜ、っと」
ホブゴブリンが投げてきた石を苦もなく躱し、アイテムボックスから銅の剣を取り出す。
二刀流
「スターバースト・・・」
んっ!んん゛
勝ちを確信した俺は、ふざけつつも冷静に状況を確認する。
どうやら両手に武器を持ってもちゃんと攻撃力は上がるみたいだ。
「はぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
速さを活かしホブゴブリンを翻弄しつつ両手で連撃を放つ。
油断なく目、首、腱といった急所も狙っていく。
「これで終わりだぁぁぁぁぁぁ!!!」
既に満身創痍であるホブゴブリンに対し、オノを両手に持ち脳天目掛けて振り下ろす。
ドシャッ
その場に倒れ込むホブゴブリン
ボキィ
鉄の斧が折れてしまった。
「お前のおかげでなんとか勝てたよ」
(1248経験値と600ゴールドを獲得しました)
(レベルが1上がりました)
戦闘の終わりを告げる経験値獲得のアナウンスで異世界に来てから初めての危機を乗り切ったことを実感する。
「ハァ〜」
目立った怪我はしてないものの命の殺りとりをした所為かどっと疲れが押し寄せその場に座り込む。
終わってみれば思いの外圧勝だった。
少しの休憩を挟み当初の目的だったLv3を2つも超えLv5になった俺は急いで森を出て街を目指すことにした。
魔物を倒しながら街を目指していく、大体がゴブリンやスライムで小型の狼レッサーウルフなんてのもいたがFランクの魔物はもう敵ではなかった。
そうこうしているうちに街の検問にたどり着く。
「次、そこのお前」
衛兵に呼ばれ検問を受ける。
俺は街に来た理由を話し軽い身体検査をし通行税を払った。
何事もなく街に入れるみたいなのでオススメの宿や飯屋、街の名産などを聞いた。
衛兵
Lv 7 next 9876
HP700
MP700
物理攻撃力750(鉄の槍+50)
物理防御力900(衛兵の装備一式+200)
魔法攻撃力 700
魔法防御力 700
すばやさ700
運 7
スキル
観察眼Lv 2
状況の分析、把握に補正が掛かるスキル
おぉ、強いなホブゴブリンなんて余裕じゃないか…
他にもバレないように鑑定したがこれが衛兵の平均的なレベルだった。
一般人にも鑑定をかけて見渡してみたがLv 3程度が大半で自分が特別なのだと実感する。
街に入り衛兵から聴いた風呂付きの宿を借り、その宿で夕食を摂ることにした。
「美味っ」
牛のような肉のステーキにオニオンスープとパンそれに少し薄いがワインのような酒。
異世界にきて初めてのまともな食事は、シンプルだったがとても美味しかった。
その後風呂に入り体を綺麗にした後ベッドに倒れ込むように眠りについた。
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名前 レン(21)
Lv 5 next 3420
HP590
MP587
物理攻撃力595(銅の剣+5)
物理防御力600(皮の鎧+5)(木の盾+5)
魔法攻撃力 590
魔法防御力 590
すばやさ590
運 55
スキル
索敵Lv 1
危機感知Lv 1
投擲Lv 2
ユニークスキル
言語理解アイテムボックス
取得経験値倍加 成長限界突破
鑑定隠蔽
称号
異世界人
戦闘に関してなんですが相性や急所に攻撃を当てることで
必ずしも攻撃力−防御力=ダメージという風にはならないです。