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最終部

第53章 神々の不仲


新暦1040年、神の社襲撃事件。これは、初めて神の社に不法侵入した人の事件である。この事件は、惑星をひとつ消滅させ、それから得られた魔力を元に、エネルギー変換をして、神の社に入ったのだった。その事に対して、神の父たる存在、メフィストフェレスは激怒し、宇宙空間を、崩壊させるように命じた。しかし、他の神々はその命を拒否。かわりに、代理人を立て、戦闘によって勝利した方の命に従う事にした。そして、メフィストフェレスは負けた。その結果、宇宙空間はそのまま保たれた。しかし、メフィストフェレス自身が、宇宙空間自体を快く思っていないのは明々自白の事になった。そして、神は召集され、相談の結果、賛成と反対が同数になった。その案件とは、宇宙同士のつながりを切断する事。それぞれ守護神として配置されているので、宇宙同士の崩壊は防げるが、宇宙同士の交易は全て封鎖される。結果として、今の所は回避されているが、神同士のイラつきは、今までなかったほど高まっている。


新暦1100年。神の社襲撃事件、惑星消滅事件から60年後、ついに、神同士の戦闘が始まった。しかし、古参同士の戦闘だったので、スタディン神以下、ここ1000年以内に入った新たなる神は戦闘を見ているのみだった。この戦闘の効果はすさまじく、全ての宇宙空間に存在している生命体の内、99%が絶滅、或いは死滅した。残った1%も、死の恐怖に怯える毎日だった。メフィストフェレスはそこにつけこみ、さまざまな憶測を宇宙中に流した。

曰く、「世界が滅亡する」。曰く、「宇宙は新たなる神に満たされる」。曰く、「私を信奉しないものには死を与える」などなど。人々は、旧来の神を捨て、新たに現れたメフィストフェレス神を信仰した。すでに、パンドラの箱は開かれていた。残ったのは、希望ではなく、死。何もかもを奪われ、最後に残った輝ける望みとして、メフィストフェレス神を信仰したのだった。神々の戦闘はなおも続き、気が付いた時には既に遅かった。すでに、人民の心は離れており、神は忘れられていた。そして、神々は決心した。


エピローグ


集会にて、

「これより、最後の集会を始める。神として集まるのは、恐らくこれが最後だろう」

カオス神が言った。

「議題は一つだけだ。宇宙空間を切り離すか否か。早速決を取りたい。賛成の者は、挙手を」

古参7神が手を挙げた。スタディン神達の意見は、元から入れられなかった。

「決定だ。これを持って、神の集会を終了する。それと、新参神達には、これを渡しておく。宇宙空間を君達の手で再び作るのだ。私達、古参神は、二度と、君達と会わないだろう。我々は、それぞれの宇宙空間で安住する。では、ここを頼んだぞ」

そして、神々は去っていった。スタディンに渡されたのは、箱だった。

「これって、パンドラの箱だったりする?」

「さあ、開けないほうがいいかもね」

クシャトル神がいった。そして、箱は忘れられた。


新暦2710年、西暦4725年。すでに、メフィストフェレス神のみが信仰される世界となった。さまざまな事は、時間と言う巨大な大河に載って忘れられた。元々の神々は、この年、宇宙を切り離した。


同年、スタディン神率いる新参神達は相談をしていた。


スタディンが議長役だったが、そんな事関係無しにそれぞれが話し始めた。誰が誰かわからないほどだった。

「どうするよ。宇宙を作るって言ったって、何からすればいいか分からない」

「箱は?」

「箱って?何の箱?」

「ほら、1700年ぐらい前に、カオス神からもらった箱だよ。あれ、どこにある?」

「ああ、あの箱ね。あれは…」

鮎が言った。

「あれは、スタディンが持っていると思うよ」

「え?自分が?」

魔法で、その箱を出した。

「ほらね」

箱を開けると、玉が入っていた。それと手紙も。

「手紙が入っている。読むよ。「親愛なる、我が神の力を分け与えし者達よ。これを読む頃には、君達も立派に成長しているだろう。そして、私達は、仲違いをして、神々はばらばらになるだろう。さらには、宇宙同士の分裂、大量の生命が失われるだろう。しかし、君達は、見えるだろうか。パンドラの箱に残された希望が。見えなければ、見つければいい。私達は、希望もない。何も残ってない。最後にひとつ教えておこう。我々神は、元々人だった。本当の神と呼べるのはメフィストフェレス、ただ一人。君達は希望がある。新たに宇宙を作り、そこに、我々が成し得なかったものを築いてくれ。頼んだ…」以上だ」

手紙を折りたたみ、箱の中から玉を取り出した。神の社の外に出るとその玉は鳴動を始めた。下に置くと、その玉は、膨らみはじめた。非常に勢いよく。そして、どこかに消えた。

「おい、消えちゃったよ」

クシャトルが、何かに気がついた。

「お兄ちゃん、あそこ!」

指差したところには、先ほどの玉があった。そして、見ている間にも、はっきりと大きくなっていた。

「宇宙創成だ。我々が、この宇宙の神になるんだ」

「名前、どうしようか」

「スペース・ワールドとか?」

「いや、どこかのパクリだと思うが?」

「あえて、何も付けないって言うのはどうだろう。自分達が知っている宇宙は、これだけ。他には何もない」

その時、情報が届いた。

「おい、宇宙空間同士のつながりを切断したらしい。さらに、それぞれの宇宙空間の行政長官、司法長官、立法長官は、非常事態宣言を発令したらしい。さらに、その影響で、シャウドの方に、危機的状況が訪れているらしい」

「さて、どうしたものか」

「………ねえ、私達の宇宙だよね、これって」

「ああ、そうだな」

「じゃあ、シャウドとつなげるのも自由だよね」

はっと思った。しかし、思いなおした。

「それは確かに自由だが、危ないだろう?第1宇宙空間から第7宇宙空間までは、元々は一つの宇宙からの派生して出来たものだ。これは、それとはわけが違う。元々別々の物をつなげれば何がおきるか分からんぞ」

「やってみたら?で、その上で失敗すれば、また作り直せばいいじゃない。これは、真空のエネルギーの集合体、つまりは、そこら中にあるわけなんだから」

「たしかに、では、やってみようか?」

そして、宇宙同士をつなぐ事にした。


一方、太陽系第3惑星、3惑星連邦中央政府、特別自治省大臣。臨時閣議にて。

「我々の宇宙空間は、人類の宇宙進出以来即ち、新暦に移行して以来、2710年間。一度も激しい変更を加えられた事はありません」

大統領が言った。

「しかし、今現に起こっているではないか。神はどこに消えたのだ?自分自身、神の力無くしてこの世界は成り立たないだろう。さらに言えば、魔法省の存在意義は、魔法を使える事にある。それが無くなった場合、魔法省は解体せざるおえないだろう」

その時、誰かが入ってきた。

「あなたは誰ですか?」

「私は、神だ…第1宇宙空間の神、イフニ神。今回の事について、説明しに来た。何も言わないで私の話を聞いて欲しい。まず、突然の宇宙解体についてだが、これは、それぞれの宇宙空間を遮断したに過ぎない。これからさらに1000年間かけて、ゆっくりと分離する。ゲート付近にいる船は全て避難するように言ってくれ。ただし、縮空間については、この宇宙空間の一部だから安全だ。次に、非常事態宣言を全土に発令して、無期限の惑星外退出禁止令を布告してくれ。おそらく、1000年間はそのままの可能性がある。最後に、私の詫びだ。このような結果になったのは非常に残念だ。一言詫びておきたい。ああ、それと、軍は、相当使う事になるだろうから、残しておくように、では」

神は消えた。一同は誰も話さなかった。


新たに作られた宇宙空間は、既に惑星を造り始めていた。この宇宙空間には、18個の銀河しか存在していなくて、それぞれ、1人について、1つの銀河を担当する事になった。さらに、さまざまな特色を出す一方で、それぞれ共通した事もしなければならなかった。それを話し合うために、何回か集会を開いた。そして、それぞれの銀河には、最大1000億の恒星を設置して、さらに、最大1兆の惑星をおく事が許された。さらに、それぞれの銀河同士は、高密度なエネルギーによって結ばれており、その繋がりは容易に切れなかった。第8宇宙空間、シャウドは、18番目の銀河として、中心に設置された。ここは、元々シャウドにあった神の宝玉が維持する事になった。そして、全ての準備が整った。こうして、元々の宇宙空間は全て分かれた。スタディン達は、こうして、新しい場所へ旅だっていった。


〜終りに〜


最後に、それぞれの宇宙空間のその後を教えておきたい。

第1宇宙空間は、閉鎖されて以来、争いが絶えなくなり、新暦7819年。最後の大統領がこの世を去ってから、生命は存在しなくなった。そして、神自身も消え失せ、第1宇宙空間はそれからしばらくして消滅した。

第2宇宙空間は、ぎりぎりの運営をし続け、結果的には、新暦10000年代の半ばで、人口減少に歯止めがかからなくなり、人ではなく、イカのような生命体が占領する事となった。人類は、その後、数家族で細々と生き続けている。

第3宇宙空間は、軍部独裁政権が成り立ち、大量虐殺を行った結果、新暦3700年代前半に、神もろとも消滅した。

第4宇宙空間は、さまざまな生命体にあふれる事となり、結果的に、神と共に、最も栄える宇宙となった。現在では、人間以外に、890万種と言う量の、宇宙航行種族が生まれ、現在も繁栄し続けている。

第5宇宙空間は、宇宙空間が遮断されてから、しばらくの間、争いが絶えなかった。しかし、次々と政党が生まれ、滅びていく内に、2つの政党に集まり、2大政党制が成立。現在、さまざまな議論を重ねながらも、人類は生きている。

第6宇宙空間は、新たなる惑星開発に着手した結果、魔力を急激に使い、人類より先に、神が滅びた。結果、宇宙が崩壊した。いつ滅んだかは、記載が無い。

第7宇宙空間は、宗教が乱立する事となり、それを取り締まるための、さまざまな国家事業が行われた。そして、一人の宗教指導者が、永世大統領職に付き、国家は安泰となった。現在も、宗教国家として成り立っている。

そして、最後の名も無き宇宙は、スタディンが中心となり、新たなる生命を17個の銀河で作り出した。これ以降の話は、また別の機会に、お話したい。

これで、惑星探求シリーズは終わりです。

これまで呼んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

このシリーズの登場人物は、新しいシリーズで登場させる予定です。

それでは、またお会いしましょう。

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