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第111部

第51章 神々の社


「みんな、おきてくれ」

定子達が目を覚ますと、何らかの家の中だった。複数の神々がいた。

「紹介しよう、左から順に、カオイン神、ガイエン神、エクセウン神、アントイン神、サイン神、カオス神、イフニ神、クシャトル神、ショウヘイ神、ナガミ神、カナエ神だ。彼らは、今まで正式に認められた神だ」

スタディン神は、他の神の方を向いて言った。

「彼らは、それぞれが神の力を授けた者達だ。もうすぐ、全ての神の代理人が集まる。そうすれば、神対侵入者と言う図式ができるのだ。さて、こちらに来るのは、誰だ?」

「校長と思います。私の学校の校長です」

「自分の勘では、さらにもう一人来るな」

「え?どういう事ですか?スタディン神」

「さて、そんな事より、来たみたいだな」

見ると、数人の人が実体化していた。

「ここは…?」

未だに、どこか分かっていないようだが、その顔に見覚えがあった。

「お父さん!それにお母さんまで」

定子は言った。みんなはそちらを振り向いた。

「定子、なんでこんなところに?」

「それはこっちの話だよ」

定子と高志が立ち上がり、両親の所に歩いていった。

「で、父さんと母さんは、何を持ってるの?」

高志が聞いた。

「父さんは、エクセウン神の足環だ。それに、母さんは、クシャトル神の髪飾りを持っている。前見せただろ?あの髪飾りだ」

他の人達も、実体化を終わりつつあった。終わった人は、突然のことで、よく分かっていなかった。

「あなた達は?」

定子達を指差していった。

「私達は、神の物を保有している者です。あなた達の名前を教えてくれますか?」

「私は、ミント。で、この子が、レモングラス。最後のこの子が、ハーブ」

「姉妹ですか?」

「そう。私達のお父さんは、ハーブを育てていて、その名前を付けたの」

「なるほどね。で、何を持っているの?」

高志が彼女達に聞いた。

「ミントは、ショウヘイ神の辞典。封印魔法やら、攻撃魔法やら、たくさんの魔法についてかかれている辞典よ。私、レモングラスは、ナガミ神の時計。この時計、壊れているの。でも、辞典によれば、時をとめる能力があるそうよ。そして、ハーブは、カナエ神のイヤリング。このイヤリングは、強力な結界魔法を出すの。そのおかげで、何度も助けてもらったわ」

「これで、こちらは全員揃った。後は、敵の方か」


敵の登場を待つ間、少し時間があったので、それぞれの持ち物について説明を受けていた。さらに、ちゃんとした名前を知らない人が過半だったので、それも教えてくれていた。


ふと、カオス神が球状の物を取り出した。

「それは?」

"これは、君達が来た惑星だ。いま、侵食が急速に進んでおる。惑星表面の80%が消滅。脱出した人口は、99%。残り1%も、既に準備完了。相手は、この惑星の魔力を利用してこちらに来るつもりだな。戦艦を何隻か潰すかと思ったら、そうではなかったか"

「この惑星はどうなるの?」

"きれいに消滅する。既に惑星政府は崩壊しているし、3惑星連邦政府、第3宇宙自治担当大臣、その他の関係省庁には連絡が入っているはずだ。さらに、3惑星連邦政府は、中央政府とも言われているのは知っているな。あそこが人類発祥の地だからな。その政府が、非常事態宣言を発令したのが、表面侵食が3割に達した時だった。すでに、惑星政府が単独で、非常事態情報を発令していたから、避難は始まっていたんだがな。ま、この惑星については、全ての宇宙中で重大ニュースで扱われている。すでに、時間的には3時間経っている。君達がいない事は、恐らく永遠に気が付かれないだろうな。第3惑星の温暖化、太陽系外への移住、植民惑星と呼ばれた星々、第1宇宙外への移動、さらには、魔法学校の設立。その間にも、第3次世界大戦や、第8宇宙空間の発見、まあ、「シャウド」は見つかってはいけない空間だったんだが、見つかってしまったのは、単なる偶然に過ぎない。それらの偶然の延長線上に、今回の惑星消滅。恐らく、惑星の残りは、膨大な異常重力と、感覚的に無限という量の魔力が、この惑星の軌道上に残されるだろう。そして、最終的には……"

その時、神の社の扉が開かれた。

「失礼する」

「お前が、この惑星を消滅させた張本人か。第13番目の神として、この余に君臨するという野望を持った、「メフィストフェレス・シャウド」だな。その横には、フェイル魔法学校総本部校長の、彰浩茂喜もいるな」

スタディン神が向いた。他の人達は、メフィストフェレスという名前に恐れた。

「ちょっと待て、メフィストフェレスというのは、神々の父と言う存在ではなかったか?」

「私を呼んだか!」

メフィストフェレス本人が現れた。

"なぜ、このような蛮行を行うのですか?今まで、この宇宙空間を作る事に対して、同意されていたではありませんか"

「蛮行?それはこっちの台詞だ。絶対不可侵領域としての神の社に、たかが600年の間に、一体、何人の神以外の存在を入れさせた?すべてが、この宇宙空間と言うばかげた存在から来たではないか。だからだ。私自身、この世界を滅ぼし、お前達も滅ぼし、新たなる神として、こいつを持ってくるつもりだ。我が遺伝子を継ぐ、唯一の存在。我が命令に忠実に従う存在。お前達は、既に寿命が来たのだ。神という生命体、宇宙空間と言うわずかな箱庭に、世界を作り上げ、自己満足に浸るという、たかがそれだけのために、一体、どれだけの労力が無駄になったか。さらには、第8宇宙空間シャウドに対する闖入者事件。それに、現在も行われている、「神の遺伝子」計画。全てが破錠しているではないか。神の遺伝子を有しているのは、そのまま、神の力を使える事を意味する。神の力というのは、そのまま、魔法と呼ばれる行為を行う事を意味する。魔法と呼ばれる行為を行う事は、そのまま、世界崩壊に繋がると言うことを意味する。世界が崩壊すると言う事は、そのまま、こちらの世界も危機的状況になるという事だ。この事を知らないとは言わせない。よって、我が命に従え。この場で、全ての宇宙空間を破壊せよ」

その命令は、到底受け入れれないものだった。最初に行動したのは、ガイエン神だった。

`メフィストフェレス神、我が父上よ。あなた様の命を受け入れる事は出来ません`

「なぜだ。我が命令は絶対。従わない場合の事も知っているはず」

`それを、承知の上で言っているのです。私自身の考えとしてそれは受け入れられません。もしも、強制をするというならば、我々は、あなたを殺します`

「やってみせよ。そうだ、我が命を賭す事もあるまい。我々には、それぞれ代理人がおる。それらに戦わせればよかろう。万が一、我が代理人が倒された場合は、宇宙空間を存続させる事に同意しよう。これまでと同じように、神の社に客を入れるのも構わないだろう。しかし、我が代理人が勝利した時は、神の社に神又は神の代理人又は神とすべき人物以外の入室を禁止する。さらに、宇宙空間を全て消滅させ、以後、永久に生命体を作り出す事を禁ずる。さて、戦いは、いつ始める?」

定子達は、立ち上がり、武器を構えた。

「これからだ」


そして、神々が見ている前で、まったく何も生えていない広場のような場所が作られた。そして、それは、円形に広がっており、端まで行くには、相当の時間がかかると思われる広さだった。神々は、上空から見守る事になった。そして、それぞれをチームとして、旧来チームとメフィスト神チームと言う名前になった。この円形のコロッセムから出れば、チームの勝利まで、仮死状態にされる。さらに、そのチームが負けると、そのまま殺されると言う事になった。

「既に賽は振られたんだな」

高志が言った。

「ああ、命を賭けた戦いだ」

「そもそも、神と神の戦いだから、私達、人間が出る幕じゃないと思うんだけど…」

「しょうがないよ。出されたものは、受け入れないと。さて、もうそろそろ試合開始だな」

神々は、唱和した声で、試合開始を告げた。人類は、知らないところで、全ての命を賭けた戦いが始まった。


最初に行動に出たのは、シャウドだった。

「フレームワーク」

唱えると、それぞれを隔てるように、壁が出来た。

「ブレイク・ブレイク」

鮎が唱えると、その壁は一瞬で崩壊した。それと同時に、さまざまな武器が飛び交う壮絶な戦いが始まった。高志は、スタディン神の力である、「ゴット・パワー」を、繰り返し、仲間に供給した。それを元に、定子の持つアントイン神の剣である、フルガラッハから特殊なエネルギー波が放出され続けた。そのうちの一部を利用し、優太が持つ、サイン神の盾「ブラッド・シールド」は、相手が出してくる特殊魔法「ゴッド・オブ・マイン」を、弾いていった。その隙に、国崎と鮎は、前進して、国崎の「マジック・ブック」、鮎の、「ガイエン・ケイン」を使い、「ブラッドスコール」を使っていた。しかし、敵もさるもの、校長が、「ディード・スルー」を発動させ、全ての技を受け流していた。その横では、こちらの反対呪文を唱えられ、窮地に立たされていた。そして、いつの間にか、端っこに追い詰められていた。

「え?わっ」

そして、何も出来ずに、レモングラスは落ちていった。しかし、その時、「ハイプ・ウォッチ」を投げていて、それをミントが拾った。拾うと同時に、相手の攻撃がまともに来た。そして、ミントも、落ちていくと同時に、ハイプ・ウォッチと、「ディクション」を上に置いた。相手は、さまざまな攻撃を仕掛けた。相手を一瞬で氷結させるほどの力を持つ、ブラッドスコール。一瞬で骨の髄まで焼き尽くす「バックドラフト」。大量の降雨と暴風によって全てを吹き飛ばす「サイクロン」。さらに、サイクロンをさらに強力にした「カテゴリー6」。だが、その全ては、優太の盾で防がれたが、ちょうど、防ぎきれなかった人達は、そのまま舞台から姿を消した。消す直前には、必ず、それぞれの神の力の物を残していった。


全ての技を出しつくし、体力の減少も著しい戦闘の最終段階の時、残っていたのは、高志、鮎、優太、定子、シャウドだった。そして、全ての神の力を集めた。

「これで、全部だな」

盾の後ろで、みんなは落ちていった人達の物を集めていた。それぞれ、さまざまな神の力が宿っていた。

「さて、これで、最後だな」

盾から出てくるのを待っているようだった。

「向こう側からは攻撃を仕掛けてこない、こちらが動くしかないか」

そして、定子は、剣が光っている事に気が付いた。

「あれ?剣が…光っている」

優太の「ブラッド・シールド」、鮎の「ガイエン・ケイン」、高志の「ゴット・パワー」、他にもいろいろ、その全てと共鳴しているようだった。

「これで、最後だな」

優太が言った。

「私が援護するから、一気にかたを付けないといけない。がんばって」

「分かった」

鮎の言葉に、定子はうなずいた。そして、勢いよく、剣を抱えるような感じで突撃をかけた。後ろからは、鮎の杖から出されている魔法が次々と追い抜いて行く。そして、剣には何かの力が流れていた。シャウドは、慌てて結界を張ったが、その結界ごと、粉砕した。剣は深々と胸に突き刺さり、そして、彼は動かなくなった。


第52章 世界の終り


上から神が降りてきて、祝福をした。そして、彼と校長は、そのまま、どこかへ消えた。説明によれば、封印され、永久に魂は吸収も崩壊もしないようにされたらしい。定子の仲間は復活した。しかし、帰る場所がなかった。カオス神に頼み、その場所を見せてもらった時、惑星は、完全に消滅しており、後には、魔力の残骸のみが尾を引いていた。

「これでは、住めないな」

「自分の家に来るといい。案内しよう」

スタディン神とクシャトル神、それに、ショウヘイ神、ナガミ神、カナエの誘いで、彼らの家に泊めてもらう事にした。


それから、実世界で1週間が過ぎた。神の家にも、テレビや、他の家電製品があり、結果としては、他の世界の事も全て分かるのだった。それによれば、今回の惑星消滅については、魔法省の見解として、「魔力の暴走による、自然消滅」とされた。そして、今回の事件の正式呼称は、「惑星フェイル魔力暴走消滅」と呼ばれる事になった。さらに、3惑星連邦、つまり、中央政府は、今回の作戦について、死傷者0、行方不明者多数と発表した。

「この行方不明者の中に、自分達も入っているんだな」

「そうだね」

神々は、相談をするという事で、集会を開いていたので、この家には、神以外の存在しかいなかった。

「実際、この行方不明者は、死亡したものとして考えられるからな。結局、死傷者多数で、収まると思うよ」

神が帰ってきた。

「あ、おかえりなさい」

「ああ、ただいまだ」

スタディン神は、テレビの前に置いてあるソファーに深々と腰掛けた。そして、ひとつ、大きなため息をついた。

「どうしたの?」

「単純な事だ。この宇宙をそれぞれ分割する事になった」

「ふーん……えー!」

みんな総立ちした。

「そう言う事だ。結局の所、古参の神がいうから、そのまま押し切られてしまった。さて、これからどうしようか」

「どうしようかって、考えないといけないよ。例えば、回避する方法とか」

「そんなものあったらこっちが教えて欲しいぐらいだよ」

スタディン神は頭を抱えた。新しい神々はスタディン神の周りに集まり、神以外はそのまま2階に上がった。

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