第8話 冒険者登録
登録用紙を書き終わり、改めて、受付のお姉さんに提出をしに向かう。
改めて、受付嬢を見ると、名札をしており、そこには『アヤネ』と記載があった。
『アヤネ』さんかぁ。他にも受付嬢がいるけど、自分の好きなタイプは『アヤネ』さんだなぁ。
「登録用紙書きましたので、再度持ってきました!」
「はい。ありがとうございます・・・。響 蓮さんですね。改めまして、ようこそ冒険者ギルドへ。それでは、ギルド登録と、現在のステータスの確認をいたします。」
アヤネが取り出したのは、タブレットだった。
「では、こちらのタブレットに手のひらを当ててください。」
アヤネの言われるがままに、タブレットに手のひらを当ててみる。
すると、タブレットから『認証を開始いたします。』と声が聞こえてきた。
「もう少しお待ち下さいね。今、響さんの認証をしてますので。その間に、冒険者ギルドについて説明しますね。」
冒険者ギルドは、ランク制になっており、上はSSSクラスから下はFクラス。
ステータスと同じ様に分かれているとのこと。
ランク設定は、現在のステータスと、ギルド貢献によって決められるとのこと。
普通の人はFランクからスタートする。
ランクの上げ方は、ステータスを上げるのと、クエストをこなして、ギルド貢献をすること。
ギルド貢献が一定値を超えれば、ランクアップするらしい。
ちなみに、現在、SSSクラスの冒険者は世界で7名いるらしい。
SSSクラスになると一人で国を滅ぼせるレベルだとか・・・。
その7名は『セブンスター』と言われている。某タバコを連想させるなぁ。
まぁ、ランクを上げるのも大切だけど、命も大切にしないと!
でも、この現代異世界に、危険ってあるのかな。
「そういえば、クエストってどんな物があるんですか?」
「はい。クエストですが、簡単なものは人探しや、物探し。高いランクは、ドラゴン討伐や、犯罪者討伐ですね。」
「へぇー。平和そうなのに、ドラゴンや犯罪者はやっぱりいるのか。」
「はい。この街はそこまで被害がありませんが、地方に行くと、草木も枯れ果てている土地がありますからね。後は、人類の敵として認定されている。『魔王』もいますからね。」
魔王!異世界っぽい単語がどんどん出てきて、ちょっとテンション上がるな!
ワクワクしていると、『ピコン!』とタブレットから音が聞こえた。
「響さん、お待たせいたしました。認証完了と現在のステータスが判明いたしました。」
アヤネがタブレットを見せてきて、説明をしている。
そこにはこんな表記がされていた。
名前:響 蓮
種別:人間族
職業:無職
ギルドランク:F
スキル:火魔法LV1
レベル:1
筋力:E
魔力:E
速さ:E
体力:E
運:E
アヤネは表記されたステータスを見て、悲しそうな顔をしている。
「響さん・・・ステータスがオールEはかなり珍しいですね。珍しいというか、中学生レベルです・・・。
「えっ!そんなに低いの!?」
「はい。普通の成人した男性だと、何かしらのステータスがDや、中にはCがあっても良いのですが・・・。でもでも、レベルも1ですし、レベルが上がれば強くなりますよ!大丈夫ですよ!」
アヤネの励ましにちょっと泣きそうになってしまった。
レベル上げれば強くなれるかな。
「響さん!大丈夫ですよ!私が付いてますから!大船に乗ったつもりでいてください!」
シアからも励まされる。
というか、シアも事前にステータスEがどれくらいか教えてくれればいいのに・・・。
まぁ、気を取り直して、やっていこう。
「でも、スキルで火魔法を覚えているのは凄いですね!人間の人は、魔法は修行や練習をしないと覚えられないんですよ。私みたいなエルフだと、先天的に持ってたりはするんですけど、どこかで修行でもしましたか?」
アヤネの質問にちょっとドキッとしてしまった。
「いや、特にしてないけど、なぜか使えるんだよね。謎ですね。」
シアも合いの手をいれる。
「謎なんですよ!謎!謎は多いほうがカッコいいですしね!」
「まぁ、たまに覚えている人いますから。そういう感じなんでしょうね。」
なんとか、アヤネを納得できたかな。
「そして、ランクはFからスタートですので、これからクエストを受けて頑張ってくださいね。
申し遅れましたが、冒険者ギルド、受付担当のアヤネです。よろしくお願いしますね。」
アヤネの可憐な笑顔で自己紹介されて、またまた、ドキッとしてしまった。
こんなお姉さんがいたら幸せだろうなぁ。
「それでは、響さん、何か質問はありますか?」
質問かぁ。何か聞いてみようかな。
「そういえば、このステータスって普段見れないんですよね。」
「そうです。このタブレットには鑑定機能が付いているので見れるんですけど、それ以外だと、鑑定スキル持ちの人か、古代アイテムにもあるって聞きますね。このタブレットも古代アイテムとして発掘された物を、複製したんですよね。でも、手のひらをタブレットに置かないといけないですし、相手の承諾が無いと使えないですからね。こういうギルドにはあるんですけど、簡単に外には出せないシステムになってるんです。」
「なるほど。じゃあ簡単に相手のステータスは見れないんですね。」
「そうですね!後は、ステータスを簡単に人に見せない方が良いですよ。悪用される可能性もありますからね。気をつけてください。」
「鑑定スキルを持っている人は簡単に見られるんじゃないのかな。」
「鑑定スキルにもレベルがあり、レベルが低いと相手の承諾を貰わないと見れないようになっています。
勝手に使って相手にバレてしまうと、訴訟になったり、殺されたりしても文句は言えないですからね。」
「訴訟や殺しって、物騒だな・・・。」
そこにシアが耳元で囁いてきた。
「ちなみに、『オールジャッジ』は相手の承諾がなくても見れちゃいます。相手にも気づかれない様にできていますよ。女神様のスキルの一つですからね。」
さすが、女神様の『オールジャッジ』だ。そういえば、アヤネには使っていなかったっけ。試しに使ってみようか。
アヤネに向かって『オールジャッジ』を使ってみた。
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