episode09 街外れの倉庫
俺らは、隣町の外れの倉庫と言うより小屋みたいなところに着いた。
シュン「本当にここであってるよな?」
ユウイチ「住所的には合ってるはずだよ」
コウ「とりあえず中に入ろうぜ!」
中に入ろうとしたが鍵がかかっていて、見たところ窓なんかもない様子だ。
シュン「まぢかよ。鍵がかかっていて、入れねーよ。こりゃ扉ぶっ壊すしかないか?」
俺は扉を何度か蹴飛ばしたが、全く開く様子は無さそうだ。
コウ「どいてみろ」コウが扉を蹴飛ばすと一発で扉は壊れた。
シュン「えっー!?嘘だろっ」
ユウイチ「さすが格闘家だな!」
コウ「まあな。」
とりあえずこれで中へ入ったが、中は薄暗く不気味で色んな物が散乱していてとても探すのは大変そうだったが、ひとまず手分けしてなにか手掛かりになりそうな物を探した。
するとすぐに奥の方からユウイチの叫び声が聞こえた。
ユウイチ「うぁ!まぢかよー!」
シュン「どうした?何かあったのか?」
ユウイチ「でけぇクモが居る。まぢかよ俺虫だけは無理なんだよほんとに」
シュン「クモごときでびびってんなよ情けねーな。早く探せよ」
今度はコウが何か見つけたらしい。
コウ「うぉーー!」
シュン「何かあったか?」
コウ「ミカさんの若い時の写真だよ!!ちょー可愛いやべぇ」
シュン「お前ら真剣に探す気あんのか?」
この後も2人はふざけてばかりで、30分程探したが特に手掛かりになりそうな物も無く、とりあえず休憩する事にした。
シュン「あーあ。なんも見つからないし、お前らは真剣に探さないしヲタ連れてくればよかったよ」
コウ「はぁ!?お前だってなんも見つけてねーじゃんかよ。」
ユウイチ「うぁ!またクモだよ!ちょっ殺してこいつ。」
俺は呆れながらも近くにあったファイルみたいな物を丸めてクモを潰した。すると何やら一枚の図面みたいな物が飛び出してきた。
シュン「なんだこれ?」
コウ「家の図面か?」
ユウイチ「裏になんか書いてあるよ」
裏に書かれた文字は今まで出てきた書類なんかの文字とは明らかに筆跡がちがっていた。
その図面にはその建物の隅々まで記載されており、警備の情報や、侵入経路、目標物の場所が詳しく書かれている。しかし、目標物がなんなのかは記載されてない。
シュン「日付?経路?てかこの文字兄の筆跡と似てるなぁ…ほら!」
俺は兄に渡されたメモと比較してみたが、確かに筆跡は似ていた。
コウ「じゃあお前の兄貴もここに居たって事か?」
シュン「いや、わかんねーけど、旦那と兄は同じ技術者だろ?それに2人とも行方不明だ。ここに兄が居たとしてもおかしくないだろ」
コウ「でもこの図面なんだ?まるで何かの盗みの計画みたいだぞ?」
ユウイチ「強盗しようとしてたんじゃなーい?」
シュン「そうか!それでバレて捕まったのか…?いや、ちょっと待て!今日何日だ?」
ユウイチ「6月24日」
シュン「ここに書かれてる日付明日になってるぞ!!」
コウ「どうゆうこと?」
シュン「わかんないけど、これはヲタに相談するしかないな」俺はヲタに電話をかけた。
シュン「もし?」
ヲタ「お前今倉庫に、居るのか?」
シュン「おう!そーだよ。ってかなんで知ってるんだ?」
ヲタ「また謎の女からメールが届いた。」
シュン「えっ?なんてだ?」
ヲタ「『あなたのお友達にも警告してください。常に監視されてると。今あなたのお友達は町外れの倉庫に居るはずです。』だとよ。お前らの情報は筒抜けだぞ!」
シュン「その謎の女は何者なんだ…?それと聞きたい事があるんだが」
ヲタ「もしかしたら電話なんかも盗聴されてる可能性があるから、重要な事は直接話そう。この後10時に中学の頃初めてバイクを盗んだ公園で落ち合おう。」
シュン「どこだっけ…?あっおい!」
電話は切られしまった。
コウ「なんだってー?」
シュン「何者かが俺らの行動を監視しているらしい。それでヲタが中学の頃初めてバイクを盗んだ公園で合流しようだって。」
コウ「まぢかよ。どこだっけ?」
ユウイチ「あー俺覚えてるよ!」
シュン「ユウイチほんとか??じゃあそこに10時らしいから向かおうぜ!」
そして俺らはその中学の頃初めてバイクを盗んだ公園へと向かった。
コウ「ユウイチほんとに覚えてんのかよ?」
ユウイチ「あれだべー!デカいすべり台がある公園だよ。」
シュン「目の前に喫茶店があるところか?」
ユウイチ「そーそー!」
コウ「あーはいはい!思い出しましたよ!あそこねー」
と俺らは昔話で盛り上がっていた。
シュン「でもなんであそこなんだ?ヲタの家から遠くない?」
コウ「確かに。」
シュン「てか謎の女って誰なんだろうな。常に監視されてるって事は今もか?」
ユウイチ「そりゃないべ。」
コウ「10時まで時間あるけど、どうする?」
シュン「下手にうろつくのもあれだからその公園の喫茶店で時間潰そうぜ!」
そして俺らは待ち合わせの1時間ぐらい前に喫茶店に着いて時間を潰していた。