episode06 シュンがピンチ??
その黒スーツは昨日商店街でおばちゃんと話していた奴らだった。
シュン「あっ!すいません。どちら様ですか?」
すると黒スーツは何も言わず俺を取り押さえ玄関から引きずり出そうとする。
急な出来事に俺は同様を隠しきれなかったが、とりあえず抵抗をしようとするも男3人に勝てる訳も無く、アパートの2階にある俺の部屋から階段を引きずられるように連行されていく。
なんとか助けを求めようと声を出そうとしたけど、口を抑えられ、辺りを見回しても誰も居ない。それでも俺は抵抗を続けていたら黒スーツがなんかの薬のようなものを俺に嗅がせ段々と力が入らず意識が朦朧としてきた。
そのまま黒スーツは俺の家の裏に停めていた黒い車の後部座席に俺の手足を紐で縛って押し込んだ。
なにが起こったのか?この後どうされるのか?こいつら何者だ?など考えていたが、どうする事も出来ず、
そのまま車は発進してしまった。
表の商店街に出たところでいきなり急ブレーキがかかり、外から「あぶねーじゃねーかどこみてんだよくそやろう」と意識が朦朧とする中聞き覚えがある男の声が聞こえた。
黒スーツはその男を無視して何も言わずに車を発進させようとしたが、その男が運転席の窓から黒スーツの胸ぐらを掴み「詫びの一言も言えねーのか?」と言って後部座席で横たわってる俺の事を見てびっくりした顔をして「シュン?」と呼びかけてきた。
シュン「コウ?」
コウ「おいシュン!どうした?なにされたんだ?てめーらなにした?」
コウが黒スーツに殴りかかろうとしたところを、俺は意識が朦朧とするなか必死に止めようとした。
シュン「コウ。やめとけ。お前の格闘家人生終わるぞ。お前はこいつらに手を出すな」
コウ「ふざけんなよ!なに格好つけてんだよ?この状況ほっとける訳ねーだろ。」
と言って殴りかかった。後ろからもう2人の黒スーツがコウを取り囲むがコウはなんなく黒スーツを倒し、
コウ「てめーらが運ぼうとしていた荷物は俺のダチなんだよ。わりーけど返してもらうぞ」と言って縛られていた紐を引きちぎってくれた。
シュン「悪いな。ほんと助かった。」
コウ「こいつらなんなんだ?お前なにかしたのか?」
シュン「いや…なにもしてないけどなんか…」
俺の意識は薄くなっていき自分で立ってる事すら出来なくなった。
コウ「おい!大丈夫か?」「てめーらなししてくれてんだ?何者だ?」
黒スーツは黙ったままなにも言わない。
コウ「おめーらシカトぶっこいてんとまぢでぶっ殺すぞ!」コウは黒スーツの胸ぐらを掴み脅したがそれでも口を割らないので俺はメモを取り出して黒スーツにみせつけ、
シュン「これと兄が関係あるのか?」と薄れるような声で言った。すると黒スーツの1人が誰かに連絡をして、仲間を呼ぼうとしている。コウがそいつの携帯を取り上げ電話に出た。
コウ「てめーよく俺のダチに手出してくれたじゃねーか。こいつらただじゃすませねーからな!」
電話の相手「君たちが伝説のチョコレートについてかぎまわるからだよ。もうあのメモの事は忘れなさい。僕は警告したからね。」
コウ「なんだと?お前シュンの兄貴をどう…」
そのまま電話は切られてしまった。
コウ「人の話は最後まで聞けってんだよー」
携帯をぶんなげて横たわって居る黒スーツからもう一度聞き出そうとしたとき、向こうから同じ黒色の車が来て、中から黒スーツの仲間が5人程降りてきた。
コウ「おい!シュン!仲間が増えやがったぞさすがにこの人数は俺でも手におえねーから逃げるぞ!」
その時俺はもう返事をする事が出来ず地面に倒れていた。
コウ「おい!シュン?ちくしょー」
コウは黒スーツ何人かに殴りかかり、俺を担いで走って逃げ出した。
誰か俺を呼んでいる。コウか?
コウ「おい!シュン!シュン!」
シュン「ここはどこだ?」
コウ「やっと起きたか。心配したぞ」
どうやら俺は意識が飛んでいたらしい。
シュン「頭いてー。そういや黒スーツはどうしたんだ?」
コウ「それも覚えてないのか?俺がお前を担いで走って逃げたんだけど奴らはなぜか追って来なかったんだ。それでひとまず俺のジムの休憩室まで来たって訳」
シュン「やつらは俺をどうするつもりだったんだろうな。兄も同じように連れ去られたのか?」
コウ「いや、わかんねーけど黒スーツの仲間の奴は伝説のチョコレートの事は忘れろって言ってたよ。このまま調べ続ければ次こそヤバいかもしれんな」
シュン「やはりあのメモは俺へのメッセージだったんだな。まぁ助かって良かったわー」
コウ「完全に俺のお陰だな。」
シュン「どうもありがとうございました。ところでお前なんであそこに居たんだ?」
コウ「携帯をお前の家に忘れたのに気付いてダッシュで取りに行こうとしたときにたまたまな」
シュン「すげー偶然だな!」
コウ「で、携帯はどこだよ?」
シュン「家にあると思うけど」
コウ「そうか。まぁもう少しでトレーニング終わるからそしたら一度シュンの家に向かおう!それまで休んでな!」
コウはそう言って走って休憩室を出ていった。
だけど黒スーツはなぜ俺らを逃がしたのだろう?伝説のチョコレートってなんなんだろう?
ひとまず俺はコウのトレーニングが終わるのを待っていた。