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episode17 泥棒ネズミと狩人

赤髪の男は怒りを露わにしながら、ユウイチの胸ぐらを掴んだ。恐怖のあまりユウイチは一切抵抗をしない。

赤髪の男「もう一々探るような真似はしねー。単刀直入に言おう。おめーもネズミ共の仲間だろ?」

ユウイチはこの時状況をあまり理解していなかったのだろうが、うんと答えればマズいと察したのかとりあえず否定をした。

ユウイチ「いや、違う!違いますよ!」

赤髪の男はそんな事を気にせずユウイチをエレベーターの壁に突き飛ばした。

赤髪の男「別になんでもいいや。俺は今すげー苛々してんだよ。とりあえずおまえ殺す。」

赤髪の男は物凄い形相で一言発して殴りかかろうとしたところを見かねた銀髪の男が割って入る。

銀髪の男「いい加減にしろスザク!」

銀髪の男低い声でそう言って赤髪の男の腕を掴んだ。どうやら赤髪の男の名前はスザクと言うらしい。

スザク「なんだよおっつぁん?邪魔するな。」

スザクは銀髪男の手を振り払い、ふてくされた様にエレベーターの戸袋に寄っかかった。

銀髪の男「なんにせよ、今はこのガキに構ってる暇はない。我々は逃げ出した豚を捕まえろとのキングからの命令だ。忘れるな小僧」

スザク「けっ。おっさんくさいお説教ありがとよ。」

スザクは嫌味ったらしくそう言った。

銀髪の男「ところで、パンチパーマのお兄ちゃんよ、1つ問いたい。」

パンチパーマのお兄ちゃんとはユウイチの事だ。

ユウイチ「は、はい?」

銀髪の男「我々は君がトイレを借りようと偶然訪れた豪邸のセキュリティーでな、君がトイレを借りようとした時、偶然にも泥棒が入ったのだが、それは偶然って事でいいのかな?」

ユウイチ「も、もちろん偶然です。」

銀髪の男「そうか。それで我々はその泥棒ネズミの仲間がこのホテルで監視してると言う情報を聞き駆け寄ったが、もう姿は無くどうやら逃走したと思うのだが、そこにまたしても君は偶然トイレを借りようとした。これもまた偶然か?」

銀髪の男の言葉はお前も犯人なんだろとは言わないものの、殆どそうであると言う喋り方で質問をするのに対してユウイチは完全にシラをきった。

ユウイチ「偶々ですよきっと。僕は一切関係ありません。」

銀髪の男「ふん。そうか。ならこちらも疑って悪かったな。しかし、これが嘘だと知ったらもちろん…この先はわかるな?君は曇り無き真実を述べたと命を懸けて言えるか?」

ユウイチ「はい。間違いありません。」

スザク「けっ。嘘だと分かれば次こそ殺してやるよじっくりとな。」

すると銀髪の男の携帯が鳴り、電話に出ると顔色を変えた。電話を切るとすぐにスザクに声をかけた。

銀髪の男「逃走中の豚が見つかったらしい。いくぞスザク!」

スザク「興味ねー。寧ろこのにーちゃん殺してー。」

銀髪の男「今はキングの命令が最優先だ。」

スザク「わかってるわかってる。じゃあなにーちゃんよ!遺書の準備しとけよ」

スザクは銀髪の男の言葉にだるそうに返事をして、ユウイチに一言挑発的な挨拶をして、2人は車に乗り込み姿を消した。


ユウイチはひとまず殺されなかった安堵の気持ちと裏腹に、仲間の心配で身体を震わしていた。

ユウイチ『おそらく奴らは豪邸のセキュリティー。つまり、黒スーツ関係者。

そして泥棒ネズミとはシュンとコウ。

そうなると逃走中の豚はヲタだろう。

だとしたら、今ヲタは奴らに見つかり捕まえられるのだろうのか?それに俺完全に嘘ついたし、次に会えば間違いなく殺されるな。』

ユウイチは車に乗り込み、地上で戦ってる俺らを拾うために、豪邸の前に戻った。


---

そのころ山口邸敷地内で、俺とコウは黒スーツ軍団と交戦中だった。

セイリュウの掛け声で取り囲っていた約10人程の黒スーツが一斉に取りかかってきて、俺らは正面に走った。

コウ「とりあえず目の前の奴をぶっ潰すぞ!」

俺とコウは目の前の黒スーツに跳び蹴りをして、全力で走った。

コウ「こんな数構ってらんねー。このまま北門まで走るぞ!」

俺はユウイチに無線を入れた。

シュン「ユウイチ、ヲタは?」

ユウイチ「それが…」

ユウイチは弱々しく答えた。しかしそれどころではない。

シュン「まぁいい。とりあえず詳しい事は後で聞くから北門に車を回してくれ!」

走りながら俺は荒々しい声で言った。

その間にも黒スーツはうろたえる事なく、しつこく追ってくる。

俺らはそれをなんとか振り切り北門まで残り約300メートルまでたどり着いたが、茂みに隠れていた黒スーツが飛び出してきて、俺を殴り飛ばした。

俺はそのまま、3メートル程転がり地面に倒れた。

手に持っていた書物は目の前に落としてしまった。

それを取ろうと手を伸ばしたら黒スーツの足に阻まれた。

シュン「なっ…」

黒スーツを見上げたと同時に後ろにいたコウが黒スーツを蹴り飛ばした。

黒スーツは吹き飛び、書物も奪われる事は無かったが、また黒スーツ軍団に取り囲まれてしまった。


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