episode15 黒スーツ達のリーダー
シュン「どっから湧いてきやがったんだよ?どうするコウ?」
コウ「どうするもなにも振り切るしかねーだろ!」
コウはそう言いながら近くにあった消火器を黒スーツに向かって噴射し、俺らは全力疾走で外へと向かった。
シュン「おい!ヲタどうなってんだ?どこから黒スーツが来たんだ??」
ヲタに無線で問いかけたがやはり応答はない。
シュン「ちくしょーどうなってやがる。」
コウ「やっと俺の出番ってやつだな」
シュン「あぁ派手に暴れちゃってくれ!なんとかして脱出するんだ!あと、ユウイチこっちはまだ時間が掛かりそうだから、その間に敵にバレないようにヲタの様子を見てきてくれないか?」
ユウイチ「おっけー!りょーかい」
俺らはなんとかB棟から外へ出る事ができた。しかし、外には3人の黒スーツが待ち構えていた。
コウ「どけよアリンコ野郎ー」
コウは黒スーツを見つけるやいなやすぐさま黒スーツに殴りかかった。
ものの一分程で黒スーツを倒し、うずくまっている黒スーツを問い詰めようとした。
シュン「お前らはなんでここにいる?一体なにがしたいんだ?」
黒スーツはうずくまったきり何も話さない。
コウ「おめー口ついてんだろ?黙ってねーで質問に答えろ!」
するとなにやら遠くから声が聞こえてきてた。
???「そいつらに話しても無駄だよ無駄。」
その声はどんどんこちらへ向かってくる。
コウ「誰かきたぞ!」
気がつけば外はだんだんと明るくなっていて、奥からなにやら1人の男が歩いてきた。
シュン「とうとうボスのお出ましか?」
???「やぁごきげんよう!先に言っておこうか、僕はボスじゃないよ。まぁそのアリンコ達とは一緒じゃないけどねぇ」
奥から現れた男は今までの黒スーツとは違い、紺色のスーツを身にまといサングラスはかけていなかった。
コウ「誰だ?てめぇー!」
???「そう怒らないでくれよ。僕はセイリュウ。まぁそのアリンコ達のリーダーってところかな?」
シュン「やっと話の通じそうな奴が現れたな。」
コウ「ところで、あいつなんでブレザー着てるんだ?」
シュン「いや、ブレザーではないだろ…」
セイリュウ「ははは。面白い事を言うね君~。単刀直入に言おう、その書物を僕によこしなさい」
シュン「嫌だと言ったらどうする?」
セイリュウ「奪い取る!」
コウ「上等じゃねーか。奪ってみろよ。」
と言ってコウは構えた。
セイリュウ「あーうそうそ。ごめんよー怒らないでくれよー。君の怪物っぷりは聞いてたからね。」
コウ「お前なにが言いたいんだ?」
セイリュウ「僕は君たちと戦う気は無いのよ。前にも言ったとは思うけど、チョコレートの事は忘れてくれればそれでいいのさ。」
シュン「前にも言っただと?」
セイリュウ「電話で言ったじゃないか。電話の相手は怪物君だったのかー」
コウ「あんときの電話はお前だったのか!」
シュン「ちょっと待て。あんときっていつだよ?」
コウ「ほら、お前の家の前で襲われて俺が助けた時だよ。」
セイリュウ「思い出してくれたかい?それより君たち今の状況忘れてないかい?豪邸に侵入してセキュリティーに見つかってるんだよ?もうちょっと焦ったらどうなの?」
シュン「セキュリティー??」
セイリュウ「そ!僕達はここの屋敷のセキュリティーも勤めてるんだよ。だからここに居るって訳」
シュン「一つだけ聞かしてくれないか?俺の兄はどこにいる?」
セイリュウ「どこに居るかはまだ教えられないけど、君のお兄さんは元気に生きてるよ」
この時兄が生きてると知って少しほっとしたが、まだ教えられないと言う言葉にひっかかった。
シュン「まだ教えられないってどうゆう事だ?」
セイリュウ「そのうちわかるさ。君が生きてればね!さぁそろそろ時間切れだ。奪った物も返してくれないみたいだしね。」
セイリュウがなにかの合図をしたのと同時に10人程の黒スーツが陰から出てきた。
コウ「ちくしょー。話し込んでるうちに包囲してやがったのか。汚ねー野郎だ。」
シュン「お前らがそこまで極秘にしたい秘密はなんなんだ?」
俺はこの時、逃げ切る事を半分諦めていた。
なんとか話せば助かるような気がしたが、どうやらそうゆう訳にもいかないらしい。
セイリュウ「自分でも言った通り極秘なもんは極秘だよ。ほら、今その書物も僕に渡せば見逃してやってもいいぞ?」
セイリュウは勝ち誇った様な目で話してくる。が、一方俺らは渡す気なんて微塵も無かった。
コウ「俺らがそんな脅しに引っかかるとでも思ったか?」
シュン「そうだ!こんなアリンコ軍団ちっとも怖くねーよ。いくぞコウ!」
コウ「あぁ。全員蹴散らしてやるよ」
俺らの威勢にセイリュウは呆れたような表情をしながら
セイリュウ「とんだお馬鹿さんって訳ね…。仕方ない、こちらから行かしてもらうぞ!おい!お前らっ!こいつらを生かして帰らせるな!やれっ!」
俺らを取り囲っていた黒スーツ達がセイリュウの掛け声と同時に一斉にとりかかってきた。