episode10 これからどうする??
俺らは一時間程喫茶店でヲタを待っていたが、俺ら以外誰も客は入ってこなく、ほんとに儲かってるのか心配になるほどだった。
待ち合わせ時間の10分前に誰か入って来たと思ったらヲタだった。
ヲタ「早いなお前ら。」
シュン「なんで喫茶店に居るって分かったの??」
ヲタ「車が目の前にあったからな。ユウイチ、裏の目立たない所に停めてこい!」
ユウイチ「めんどくさっ!まぁいいや行ってくる」
ユウイチは外へ出て行った。
ヲタが席に座ってすぐに俺らは話し始めた。
コウ「てか謎の女からのメールって?」
シュン「あーそうだ!監視されてるってどうゆうことだ?」
ヲタ「俺も誰がなんの為にとかは全くわからないが、街の防犯カメラを調べたら、黒スーツは街のあちらこちらの住民になにかのメモか写真の様な物を見せて話を聞き回っていたと言うことはわかった。」
シュン「もしかしてそれ俺の事を聞き回っていたんじゃねーか?やたらと避けられたからな。黒スーツが街の人になにか吹き込んだのか。」
ヲタ「その可能性は高いけど、今は断定出来ないな。それよりも謎の女が気になるところだ。奴の言葉はハッタリなんかじゃない。現にお前らは倉庫に居たんだしな!」
コウ「謎の女は黒スーツの仲間なのかー?」
ヲタ「それはわからないな。俺はとりあえず地元では、あまり出歩かないようにする。そして今日ここで集まったのも監視から避ける為だ。」
するとユウイチが戻ってきた。
ユウイチ「なになに?なんの話??」
シュン「めんどくさくなってきたな。」
ヲタ「で、俺に話しってなんだ?」
ユウイチ「おい!シカトかよ。」
シュン「実はその倉庫で一枚の図面を見つけて、なにか盗みの計画みたいな事が書いてあるんだ。」
ここでコウが何かを思い出したように口を開いた。
コウ「そいや、ミカさんに連絡しなくていいのかよ?」
ヲタ「駄目だ!ミカさんには連絡するな!もしかしたら謎の女って可能性もあるからな。」
コウ「はぁ!?ざけんなよミカさんが謎の女な訳ねーだろ。」
ユウイチ「でもミカさんなら倉庫の事知っているよな。」
コウ「じゃあなんでわざわざ俺らに倉庫の事話すんだよ?」
この時俺も一瞬ミカさんも怪しいと思ったが、だとしたらわざわざ探してくれなんて言わないだろうし、ミカさんの話し方はとても真剣だったので、ミカさんではないと思った。
シュン「ミカさんは違うと思うな。」
ヲタ「誰も断定はしてないよ。可能性が少しでもあるなら今は情報が漏れるのを避けたいから他の人にはまだ話すなって事だ。」
シュン「ヲタの言う通りだ。まだ連絡はしないでおこう。」
コウ「はいよ。」
ヲタ「それで、図面みして貰えるか?」
俺はヲタに図面を見せた。
ヲタ「これは…かなりデカい家だな。」
シュン「どこだか分かるのか??」
ヲタ「これだけの豪邸なら比較的割り出すのも簡単かもな。調べてみる。」
そう言ってヲタはパソコンを立ち上げ真剣になにか調べて居る。その間ヲタは一言も喋らなかったので、
俺らも何故か黙っていた。
15分ぐらいしてヲタが顔色を変えた。
シュン「どうした?なにかわかったのか?」
ヲタ「こりゃ有名も有名な豪邸。日系ブラジル人タレント山口ユウジの家だよ。親父は資産家で超金持ちらしい。」
コウ「おいおい。山口ユウジって最近よくテレビ出てるよなぁ?」
ユウイチ「そこからお宝盗むなんてルパンじゃねーんだからよ。」
ヲタ「手を出したら俺ら犯罪者になるな!間違いなく」
シュン「でも今更引けないよな!どうやって忍び込むんだ?」
コウ「おい!お前正気か?」
ユウイチ「まだ捕まりたくねーよ。」
シュン「だって図面には細かい侵入経路や、セキュリティーの位置とか日付まで書かれてるんだぞ?この通りにやれば上手くいくだろ!なぁ!ヲタ。」
ヲタ「…。確かに警備の情報や、敷地内の隅々まで記載されてるが、果たしてこれが事実なのかは定かではない」
コウ「シュン、冷静になれよ。強盗だぞ?それに普通の家じゃなくて芸能人の豪邸だぞ?全国指名手配レベルだよ」
ユウイチ「それに明日俺仕事あるし。」
シュン「じゃあいいよ。俺1人で侵入する。ヲタ侵入の仕方を教えろ。」
ヲタ「1人でどうにかなると思ってるのか?資産家の家だぞ?そんな簡単な話じゃないよ」
シュン「もう好きにしろ。お前らは家で寝てろよ。それを貸せ。俺は明日1人でここに行く。じゃーな」
この時、みんながあまりにものんきな事を言ってるのに苛立ち、俺は図面を手に取り、喫茶店を出て行った。
それを追ってコウも出てきた。
コウ「おい待てよシュン!」
シュン「なんだよ?」
コウ「お前なに1人で焦ってんだよ?冷静になれよ」
俺はその言葉がかんに障りコウの胸ぐらを掴んだ。
シュン「俺は遊びでやってんじゃねーよ。お前昔俺に言ったよな(お前はほんと口だけだな。なに一つもやり遂げた事ねーな)ってよ?確かに今まではそうだったかもしれねーけどよ。今回は家族の…兄貴の命も俺の命もかかってるんだよ!それも口だけで終わらせたら俺は本当のクズじゃねーか!!だから俺は例え無理だろうと、お前らに止められようが1人でチョコレートの陰謀暴いて兄貴助けてやるんだよ。」
コウ「男らしいじゃねーか!でもなお前1人で出来るのか?俺より喧嘩弱いお前に1人で出来るのか?」
シュン「出来る出来ないの問題じゃねー。やるんだよ。」
コウ「じゃあ出来るかどうか試してやるよ。」
コウは突然俺を殴った。