5日目 危機
どうも、石楠花である。
最近復活をとげた、「名門戦記」はこれからもドンドン続く…予定だ。
だんだん他の話も書きたくなってきた。
う〜ん…とりあえず、頑張るとしよう。
「友也…」
美月は帰宅し終えた後、部屋に彼を呼び出した。
…なんと呼べばいいのか…
「あなたは前の戦いで、「趙雲」って呼ばれてたよね…?」
友也は小さく縦にうなずいた。
「私、その名前を聞いたの。…三国志が、なんとかって…」
友也はやはり無理があったか…というと立ち上がった。
「本当のことは、やはり隠すべきだと思いまして…」
「もういいから。とにかく何が起こっているのか。それと、」
私と趙雲は誰なのか…?
「この日本には、15世紀あたりから戦国時代に入りました。
中国はそれよりも、もっと早い5世紀あたりから戦国時代に入っています。」
「それが三国志の時代…」
趙雲はコクリとうなずいた。
「その三国志という時代には魏・呉・蜀の3つの国に分かれていました。
その中の蜀という国に、私の先祖がおりました。」
美月はフムフムと聞くばかりである。
「ある時、蜀と呉の2国が連合して、魏の国を滅ぼそうとしたのです。
その時に、蜀の皇帝・劉備殿と、呉の皇帝・孫堅殿の娘、孫尚香殿が婚約なされました。
その、孫尚香殿の子孫が…あなたなのです。」
美月はまだ事態がよくわかっていなかった。
「…どういう事?」
「前に来た敵、文和と典韋。彼らは魏に所属する武将です。
もし、あなたが魏にさらわれ、人質になってしまえば、
蜀・呉は手が出せません。」
「じゃぁ…私が、もし、魏にさらわれたら…」
「蜀呉は終わりです。」
「でも!なんで、今頃になって、その魏とか言う国の子孫が動き出すのよ!」
趙雲はしたを向いて、
「わかりません…ですが、今出来ることは…」
その次の日。
彼女は学校に来なかった。
よほど、辛かったのだろう。
私が気を抜けば、世界が崩壊する。
誰でも、いきなりそんなことを宣告されると、そうなるだろう。
ただ…
趙雲は何もしてあげられなかった…
キーンコーンカーンコーン
「ねぇ」
そういって友也に話しかけたのは甄だった。
「何だよ。」
「もう1度話がしたいの。」
やれやれ、また話…か。さっさと追い払って帰らなければ…
懐かしいな。体育館裏だ。
ここでおれは彼女と会って…
「あのさぁ…」
と、甄が話しかけてきた。
「あなたと美月ってどういう関係?」
「別に…ただの友達。」
そういうと、甄はクスッと笑って、
「蜀皇帝の娘とそれに仕える身ってとこじゃないの?…趙雲さん」
彼女は気が気ではなかった。
どうしようどうしようどうしよう…
頭の中に、一つの逃げ道があった。
それは…趙雲だった。
そのことをやっと思い出した彼女は、あることに気づく。
「いない…どこ…?」
「…なんだと?」
趙雲は驚いた。
無理はない。美月との関係がすんなりわかってしまったのだから。
本当の。
「渡してもらおうかしら。あの娘を。」
趙雲はすこし待って、
「無理な質問だ。」
と言い放ち、引き金を引いた。
しかし、弾はそのまままっすぐ飛び、地面に当たった。
「…!?」
「こっちよ。」
甄は後ろに居た。
嘘だろ!?さっきまで俺の目の前に…
「うふふふ…そう簡単にはやられないんだから♪」