幼馴染に宛てた手紙
今までの短編・第三弾
【短編時のあらすじ】
手紙を出した主人公とその幼馴染による手紙のやり取り。
拝啓、我が幼馴染へ
どこにいるか存じませんが、どうやら僕の場合は森からのスタートでした
そこで、魔もっ……じゃなくて、魔じゅっ……でもない、よく分からんが獣人(あとで知りました)みたいな奴が仲間になりました
さて、現在。
森を出て、その近くの町にて、この手紙を書いています
そうそう、つい最近、魔法の存在を知りました
え、遅い?
ああ、正しくは町に入った時に知ったんだよ
ちなみに町というより、字的には街と言った方が近いです
あ、そろそろ行かないと連れがうるさいので行くことにします
それでは、貴女の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
私のスタート地点は廃墟でした
ふざけないでください
貴方は森で、私は廃墟ですか
それと、その連れは捨てなさい
魔物と仲良くするんじゃあありません
獣人ならどこでも生きられます(多分)
魔法の知識を入れとけと言ったはずなのに、何故、抜け落ちてるんですか?
それでは、貴方の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
そんな理由、僕に聞かないでください
あと、獣人は捨てられませんでした
抜け落ちてはいません
単に忘れていただけです
それでは、貴女の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
でしょうね!
でしょうね!
貴方の性格を考えたら、捨てるなんて出来ませんよね!
それでは、貴方の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
返事が遅れました
可愛い妹(のような子)が出来ました
ものすごく可愛いです
それでは、貴女の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
良かったですね
一人っ子の貴方からすれば、さぞ楽しいだろうに
あ、僻みじゃないですよ?
それでは、貴方の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
返事が遅れました
別に何もないですよ?
ただ……
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拝啓、我が幼馴染へ
どうしたの、らしくない
それに、縁起でもないので、変なところで切らないの
でも、今度は私の返事が遅れるかな
私を、助けて
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拝啓、我が幼馴染へ
今、どこにいるの?
教えてくれないと助けらない
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拝啓、我が幼馴染へ
返事が来ないけど、手紙を書きます
ねぇ、本当にどこにいるの?
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拝啓、我が幼馴染へ
ご心配かけました
何とか生還できました
それでは、貴方の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
心配させないの!
うわーん、生きてて良かったー
それでは、貴女の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染へ
心配してくれてありがとう
あと、素が出てる
気をつけて
あとは……次に回すね
それでは、貴方の幼馴染より 敬具
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拝啓、我が幼馴染みへ
「ユウ!」
「舞……?」
抱きつけば、相手は驚いたようにこちらを見る。
「あ、あの、舞?」
「会いたかった」
相手は再度驚き、呟いた。
「ぼ……私も」
やっと、貴女に会えた
私の大切な幼馴染!
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拝啓、我が幼馴染へ
あれはないわー
せっかく会ったなら、言葉で伝えようよー
「一々、手紙で話すのもどうかと思う」
まあ、確かに。
それでも、会えてよかった。
「でしょ?」
僕から始めて、僕で終わった手紙のやりとり
きっと、良い思い出となっただろう
それでは、貴女の幼馴染より 敬具
読了、ありがとうございます
誤字脱字報告、お願いします
というわけで、二人の再会シーンで終わり
次は別の誰かで書きたいなぁ