プロローグ:とある少女の繰り返される出来事(ねがい)
【あらすじ】
ーーいつも、結末は全て同じ。
彼女は自身の願いを叶えるために、時に学生として、時に冒険者として、同じ時空間を何度もループを繰り返す。
全ての選択肢も反対の選択肢に変えたりするも、結末は変わらない。
彼女は願い、繰り返す。
だがある日、繰り返しすぎた反動か、否か。世界は歪みを見せる。
それは、今まで彼女が見たことのない景色を彩り、未来も結末も変わり始めーー……
「彼の未来も、私との関係性も変化してる……?」
繰り返されながらも、今までに見たことのない世界で、少女は動く。
大切な少年を幸せにするために。
空と大地が赤く染まる。
火は炎となり、その場にいた者たちを襲う。
「早くっ、早くっ、私たちを外へーー」
逃げ惑う者。
「早く、こちらへーー」
避難誘導する者。
「なんでっ……」
そして、涙を流す者。
「なんでっ、またっ……!」
それは、慟哭。
同じことを何度繰り返した?
今回はどこを間違えた?
何故、同じ結果になる?
たとえ聞いても、尋ねても、答えてもらえるわけがない。彼らは真実を知らないのだから。
仮に話したとしても、こんなこと信じてもらえるわけがない。
「ダメだ」
ふらりと立ち上がる。
「やり直さないと。リセットしないと」
手の甲にある時計のような印に目を向け、時計の針を回すかのように、針が回る部分であろう中心と数字の記された間をなぞりーーそして、告げる。
「時をーー」
空間をーー
全てをーー
「“リセット”!」
無に返す。
だから、次は、次こそはーー
「私の願う結末を、見せてくれないか?」
それが、私の願いだから。
続きません
プロローグだけです
2014.05.04 割込投稿