第42話 秘密の関係
いつの間にか、類斗とわたしは裸のまま眠っていて、類斗はわたしを抱きしめたまま。嫁って勘違いしてんのかな……? と思いながら、乱暴に抱かれたことを思い出す。時計を見ると夜中になっていた。って言っても電車は関係ないか、わたしたち歩いて帰られるもんな。文香たちにバレないようにしないと。そうじゃないともう会えなくなる、みんなで。
わたしは類斗の寝顔を見る。小さく寝息を立てている。嫁に怒られて嫌われてしまえーって思いながら、見つめる。目が合う。
「あーゆりちゃん」
ぎゅーっと抱きしめられる。
「すんごーく気持ちよかったわ」
「わたしも……」
顔を引き寄せられて、キスされる。
「なあ、ゆりちゃん。内緒の関係続けへん……?」
わたしは類斗からの提案に驚き目を見開きながらも、小さく頷く。それから起き上がり、互いに服を着た。にやけた頬のままだ。そして抱き合い、またキスをしたら止まらなくて、また服を脱がせあって、夢中でエッチした。まるで子供のころに遊んだみたいに、わたしたちは無邪気だった。
気づけば、昼になっていた。うっすらと光が差し込んでいる部屋で、まだわたしたちは裸だ。それからまた抱き合って、これでもかってぐらい見つめあってキスして、やっと部屋を出たけど、廊下でもふざけ合いながらキスした。手を繋いでホテルから出た。じゃんけんして、勝った方から抱きついてキスした。
それから近くにあった、昔もよく来たらーめん屋に入ってカウンターに並んだ。右手は類斗の手と繋がっているから、らーめんを取れなくてわたしが困ってると類斗が食べさせてくれる。それから見つめあって、笑って、お金を払って店を出た。
店を出るタイミングで手を離した。それが嫌で、お互いに笑った。口元に人差し指を立てて、シーってしながら。こんなに楽しい秘密なら、最高だ。
類斗は家まで送ってくれた。でも離れがたくて、ちょっと近所を歩いた。誰もいない住宅街で抱き合ってキスして、手を振って別れる。何回もお互いに振り返った。家に帰っても、全然類斗のにおいが消えなくて焦る。ふあ〜ってなる。好きが溢れ出す。会えなかった時間が、逆にわたしたちには必要で、そしてそれを邪魔する人間さえも必要だったのだ。より一層わたしたちの絆をかたくした気がする。
だけど……と思う。でも、わたしは蒼くんのお嫁さんになる。類斗もお父さんになる。それでも……一生続ければいい。わたしたちだけの関係を。
ケータイの電源を入れると、蒼くんからメールと電話がたくさん着ていたので返信する。




