表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大好きな幼馴染は既婚者子持ち  作者: hitorigasuki


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/44

第40話 許さない

 こっちに戻ってきた類斗はわたしたちと会うようになっていった。昔と変わったのは、類斗の薬指に指輪がついているということ。居酒屋で話しながら、わたしは指輪に目をやる。不思議と、なんかその手に入れられない感が惹かれる。結婚相手よりもわたしを選ばせてやるんやから。


 奏也はおいしそうに1杯目のビールを飲む。類斗はにこにこしている。


「なんかうそみたいやなーまたこうやって集まれんのもやし、酒飲んでんのも」

「てか、嫁とはどこで出会ったん?」

「あー実は地元近くてさ。で、まああいつの実家近くの方が子供育てるのはいいやろって」

「そーなんや、ええなあ結婚。文香はどうなん?」

「ほんまやー。あたし? そらしたいけど、ええひとおらんし。今付き合ってんのもあんまりなーって感じ。でももう悠莉は、なあ」

「え? わたしはまあね」


 類斗と目が合う。わたしはカクテルを飲んで目をそらす。


「ラーのギターやで? 羨ましいわ」

「しかもめちゃくちゃラブラブやしなあ」

「ふーん、よかったやん、大川」


 はあ……なんで急に寂しそうな顔すんのよ類斗。ありえない、そんな顔見せないでよ。わたしがサラダに手を伸ばそうとすると、類斗が「入れたるわ」と言って、よそってくれる。優しくするなよーあほー類斗!


 お腹いっぱいになって店を出る。


「どうする? カラオケでも行く?」

「すまん、俺帰るわ。嫁が(頭にツノが生えたジェスチャーをする)」

「あ、わたしもごめん、帰るわ」

「まじかよーじゃーなー」


 わたしはひとり歩く類斗を追いかける。


「行かんでよかったん?」

「うん……類斗とおりたかったから」

「なんよそれ。俺は安心したよ? ゆりちゃんに良いひとできて」

「わたしは……嫌や」

「なにが?」

「類斗がおらん世界嫌やった」

「……」

「なんで引っ越したん、なんで言ってくれへんかったん。全然許されへん。どんな世界をわたしが生きてたと思う? ただの……ただの幼馴染やけどさ……ごめんごめん」


 自分の口から幼馴染って出て、それを自分の耳で聞くと一気に冷静な気持ちになった。


「どうしたん? 寂しくさせてごめんって」


 類斗はわたしの頭をポンポンっと優しく叩いた。この際だし、もう全部言うか。類斗は既婚者だし。戻らないし、なんにも。


「許さへん……ずっと会いたかってんやから」

「どうやったら許してくれんの?」


 わたしは、ラブホテルを指差す。類斗もそっちを見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ