第14話 ふたりだけの帰り道
最後はボーリングをすることになった。男女ペアになり、点数を競うことになった。最下位は1位の言うことを聞くことになっている。
奏也が作ってきてくれていたクジを引く。わたしは日向くんとペアになった。類斗は郁ちゃんとだった。だけど、さっきの手のぬくもりがある。なんとか耐えられそうだ。そして絵美と奏也、原石さんとわっちゃん、文香と大林がペアだった。
はっきりいって、わたしはボーリングが得意だった。両親がボーリング好きということもありしょっちゅう来ていたからだ。最近はあんまりだけど。日向くんもよく来ていたとのことで、わたしたちは1位だった。類斗はボーリングも上手だった。そういえば小学生の頃に、家族ぐるみで一緒にボーリングに来たことがある。ボーリングよりもかくれんぼに夢中だったけど。なかなか見つからない場所に類斗はいた。見つけると嬉しそうにくしゃって笑う。
結局そのまま、1位で文香たちが最下位だった。ジュースをおごる、という罰ゲームで終わった。紅茶を飲んでると、いつものように類斗が来て「俺の俺の」と言ってペットボトルを取り上げられる。結構ごくごく飲んで「うめえ」と嬉しそうに言ってからわたしに返してくれた。郁ちゃんの顔見られないじゃん、あほ。
それから近所の公園でダラダラしてから、わたしたちは「また」と言って別れた。時間は結構遅くてもう六時を回っていた。わたしはひとり、家の方に向かって自転車を走らせる。
「おい、ゆりちゃん」
振り返ると、類斗がいた。
「暗いし、送るで」
「いや、いいよ。類斗遅くなるやん。まだ六時やし」
「なに言ってんねん、久しぶりにゆりちゃんのおばちゃんにも挨拶したいし」
横にならんでだらだらと自転車を走らせる。
「卒業したなー」
「ほんまやなー」
「俺ら何年一緒やったん」
「えー幼稚園の頃からやろ? 十年以上?」
「やばいな、腐れ縁やん」
ちょっと沈黙になる。
「ゆりちゃんがおったから、楽しかったわ」
「わたしも類斗に何回助けられたか。おらんかったら死んでたかも」
「それは絶対そうやな。ていうかさ、ジェットコースター憶えてる?」
「ジェットコースター? ふたりで乗ったやつ?」
「うん」
「怖かったなあ」
「ちゃうやん、約束」
「え? 約束?」
「最後に好きなやつ叫ぶって、俺言ったやん」
なに? え? どういう意味? 郁ちゃんってことを聞くの? 付き合ってるって報告? どうしよう、聞きたくない。
「ゆりちゃん、叫んでてさ、教えてくれんかったやん。なあ教えてえや。ずるいで」




