第1話 再会
明るい店内に入ると、わたしは彼らを探した。
「こっちやで」
地元からは数駅ある繁華街のイタリアンで待ち合わせたわたしたち。遅れて到着したのはわたしだけだったようだ。
「たまたま、来れるようになってさ。ごめん、ラインしてなかったんやけど」
と、男友達の奏也が笑顔を見せる。
「うい、ひさしぶり」
奏也のとなりに座っていたのは、同じく幼馴染でばかしていた類斗だった。まじかよって思いながらも、わたしも「ひさしぶり、元気?」なんて言葉がどこかからか出た。
類斗はまじで変わらない、こともない。前に会ったのは、高校1年の時だけ。わたしたちはグループで月に1度遊んでいた。だけど、突然類斗は来なくなったのだ。奏也から理由は聞いていたけど、直接話してくれなかったことにわたしは腹を立てていた。だけど、だからちょうどよかった。告白された先輩とも付き合えたし、キスしたりドキドキするようなこともできた。だけど、もちろんずっと類斗が頭の中で邪魔してきていた。
突然いなくなって、また現れるなんてありえない。わたしはぷんすかしてやるー!って再会した時のことをずっとイメージしていたはずなのに、やっぱり類斗のくしゃって笑う、幼稚園の頃から変わらない笑顔とか、よく相手の話を聞く仕草とか、驚く表情とか低くなっていった声とかを感じちゃうとぷんすかが小さくなるし、なんなら前の気持ちを思い出してしまうから不思議だ。
「大川はどうなん?」
わたしは飲めないお酒を飲みながら、ばくばくサラダを食べていた。まだ類斗の目をまっすぐ見れてなくて、心の準備を整えるために気持ちを整理していたのに、やっぱり類斗はいつもどどどって入ってくる。
「え、なに?」
まじで聞いてなくて焦ったわたしを見て、類斗はケラケラ笑った。
「変わらんなー安心するわ。また自分の世界入ってたんやろ?」
類斗を安心させてしまった。
「懐かしいなあ、ほんまに」
女友達の文香も笑っている。
「やめてえや、自分の世界になんか入ってへんよ」
はああ、と思う。嫌になる、わたしは天然キャラを売ってないのに、いつの間にかこのグループではそんな存在なのだ。だけど、自分でいられる気がして安心しているのも事実。
「だから、結婚すんの? 今の彼氏と。なあ大川」
奏也からの容赦ない質問。文香の前では、いつもわたしは「結婚したーい」と叫びながらお酒を飲んでいる。なのに、今日はなにも言えなかった。
「奏也こそどうなん、長く付き合ってるんやろ?」
類斗はわたしの苦い表情を見てなにかを察したのか、奏也に会話をうつしてくれた。また助けられた、と思いながら奏也の彼女とのエピソードに花を咲かせた。




