おとぎ話みたいな
朝、カソブの街を経ち、森で休憩して王都に戻る。
「ユウ」
「ん~?」
「ハイラントには婚約した、と報告するぞ?」
「アレ?立会いとかは?」
「まあ、あれは『こいつら結婚する気だぞー!』って教える為のもんだから俺達には大して関係ないだろ?」
「…結婚した、って言われてるもんねぇ」
「それで、婚約の贈り物なんだが」
「え?アオザイでいーいーよぅ?高かったし」
「え?あれでいいのか?」
「うん!」
「…なら、いいが。普通なら、宝石やら家具やら強請るもんだぞ?」
「どっちも足りてるもん、いらないよぅ」
「…そうか」
「ネイは明日からもうお仕事?」
「ああ」
「疲れてない?」
「これくらいなら問題ない。ユウこそ初めての遠乗りだから疲れただろう」
「ん~、思ってたよりお尻が痛い、かなぁ」
「ユウは肉が少ないから余計だな」
「カソブの人達はグラマラスだったもんねぇ、胸見えそうな人とかいて風邪ひきそ~!」
「…ユウは、俺に応えてくれたし。あんまり、女には興味ない、のか?」
「へ?女の子?ん~可愛いとは思うけどそれだけ、かなぁ。こっちの子はみんなボクよりおっきいしぃ」
「ああ、たしかにユウの方が華奢だな」
「まあ、性別より、その人を好きになれないと無理って言うかぁ、ネイ以外だとハイラントさんくらいかなぁ」
「ハイラントか…」
「うん、なんかぁ、お兄ちゃんみたいな弟みたいな?家族認定しちゃってるんだよねぇ、ふしぎぃ」
「…まあ、いつの間にか懐に入り込んでる様なヤツだがな」
「そうなのぉ」
「…えーっと、つまりは?」
「ネイだけが特別!ってことだよぉ」
「そうか」
「で?ネイは、どんな子が好みなのー?」
「え?俺か?…後腐れのないヤツ。は、違う。んー?…分からん。側にいたい、結婚したいと思うようになるとも思ってなかったからなぁ。」
「…初めて好きになった人が結婚相手、なんて、絵本みたいだねぇ」
「っ!そう言われると、なんだか恥ずかしいな」
「ふふ、お互い様だからいぃじゃん!」




