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告白からの婚前?旅行

朝、起きてすぐにお弁当を作った。

もしもを考えて多めにする。

ネイは、昨日から難しい顔してて会話がない。朝早くに出て馬を連れて来た。

いつもの黒づくめに、マントみたいなのを着てる。荷物もいっぱい。

何処いくんだろぉ。

ボクは、言われて娘ちゃんの服にポンチョみたいな防寒着。靴はブーツ。

お弁当はボクが抱える。

「行くぞ」


朝の森の空気は冷たくて、頭が冴える気分。

パッカパッカと早足程度の速さで進む。

「大丈夫か?」

「うん、気持ちいくらい」

「そうか」

「疲れたら言ってくれ」

「うん」


どれくらい走ったんだろぅ?そろそろお尻が痛くなってきちゃったぁ。

「ユウ」

「ふぇ?」

「ここで、お前と出逢った」

そう言われたのは綺麗な泉の見える開けた場所だった。

「ここで休憩していたら、お前が落ちてきたんだ」

「ふぁー、こんな所に落ちてたらぁ、死んじゃってたね」

「まあ、落ちるのはゆっくりだったが、獣に食われたかもな」

「ヒィ!やだやだぁ!」

「安心しろ。ユウは俺がこの身に変えても護る」

「それは、やだ」

「え?」

「ネイが、ちょっとのケガはともかく、死んじゃうかもなら、ボク助かりたくないよ」

「ユウ?」

「1人は寂しいもん」

「…安心しろ。俺は死なないから」

「へ?」

「俺は特別だから死なない。だから、護られてろ」

「…本当に?」

「ああ」

「…」

「…なあ、ユウ」

「なぁに?」

「泉で、休憩するか」

「うん」

ネイが馬くんにお水を飲ませてる間にぃ、ご飯の用意をするよぅ!

シート変わりに布を敷いてぇ、お弁当とコップを置いてぇ、はい、終わり~。

「随分たくさんだな」

「お腹空いたら、困ると思ってぇ」

「食べていいか?」

「うん!どーぞ!」

「いただきます」


ネイの好きなタルタルサンドに鳥ハムサンド、甘い卵焼きとケチャップのサンド、トマトレタスチーズのサンド。

ナポリタンにハンバーグ、リンゴみたいな果物。


「ユウの飯は、やっぱり美味いな!」

「ふふふ、ありがとぉ」

「…これからも、ずっと。俺に飯を作ってくれないか?」

「っ!もう、ネイったらぁ!女の子相手なら感違いされちゃうよぉ?」

「感違いじゃなく、そういう意味で言ってるんだが…」

「えっ」

「いや、俺が悪いな。ユウ。改めて言う。俺と結婚してくれないか?」

「へ?」

「本当なら、恋仲になるのが先なんだが、先走って伴侶と言ってしまって、すまなかった。国が変わって落ち着いてもないのに、いきなり結婚なんて言われたら困るだろうに…堪え性の無い男ですまない。」

「えっ、待ってぇ?冗談じゃ、なかった、の?」

「冗談なんかじゃない!つい、願望を口にしてしまっただけで…本当に、そう思ってる」

「…ボク、男だよ?」

「俺は、はなっから子が残せないから関係ないな。」

「本当に、ボク、なんかでいーの?」

「ユウがいい。これからも、傍にいてくれないか?」

「…」

「…」

「ギュッて、して?」

「えっ!あ、ああ」

抱き締められた胸に耳をつける。

鼓動が速い。

「ボクのこと、好き?」

「ああ」

「どこが?」

「俺の為に家事を頑張ってくれる所、料理が上手な所、ちょっと抜けててドジな所も可愛いと思う。俺の腕にすっぽり納まるのもいいし、目の色が綺麗でずっと見てた、うぶっ」

ネイの口を手で塞ぐ

「も、いい、恥ずかしぃ」

顔が熱いぃ。なんだよぅ、ネイこんなキャラじゃなかったよねぇ?ねぇ?


「信じて、くれるか?」

「…うん」

「ユウ…好きだ。愛してる」

抱き込まれて耳元で囁かれる

「っ!ね、ねいぃ!?」

いきなり甘すぎない?ボクの心臓がもたないよぅ!


「もう、ユウのいない生活なんて、考えられない。嫌われないよう、ゆっくり好意を伝えようと思ってたのに、このザマだ。ハイラント辺りに揶揄われるな」

なんて苦笑いするけど、それだけ真剣に思ってくれたって事だよね?だったら全然そんな事ないよ

「ネイはいっつも、カッコいいよ」

「!…そ、そうか」

「うん」

木陰で抱き合ったまま、馬が草を食べるのを眺める。


「ユウ」

「ん~?」

「婚約まで、話を進めてもいいか?」

「…ねぇ、ネイ?結婚までに、手順とか決まりとかあるの?」

「ん?ああ、まずは、好意を伝えてデートする。その時に愛の共鳴石を渡して次回の連絡をする。求婚は特に決まりはない。了承を貰えたら第三者立会いで婚約の宣誓し、約束の印に贈り物をする。その日から30日後から結婚を宣誓出来、伴侶の印を彫った指輪や腕輪を対で作るな。」

「あれ?ボクら指輪とかしてないのにぃ、なんで断定されたの?」

「ああ。実は、ユウの見目がこの辺りに見られない事、ハイラントとも親しい事から、ユウが俺の為に用意された番じゃないかとは早くから怪しまれてたんだよ…

そこに、今までまったくそんな話が出なかった俺が伴侶と口にした事で現実味がマシた。

結婚するまでには時間もかかるから、婚約中でも夫婦の様に暮らす事もある。それだと思われてるんじゃないか?共鳴石持ってるのは見られてるしな」

「…え、それじゃあ、ネイに連れられてぇ、この国に入った瞬間から既成事実作られて周り固められてたのぉ?」

「…共鳴石が青しかなかった辺りは、ハイラントの差し金だろうな。噂は詰め所の奴らか。最近のは俺のせいだな。」

「…ボク、しばらく引きこもりたいぃ」


お昼休憩をして、また馬で歩き出す。

「あれぇ?まだ遠くに行くのぉ?」

「ああ。隣街を案内する。海が見えるぞ。」

「わぁ~海があるんだぁ!」

「ユウの国には海はあるか?」

「うん~、ボクの国は島国だからぁ」

「そうだったのか。の割には肌は焼けてないな」

「島国って言ってもぉ、おーっきい島だからぁ。山も砂漠も平野もあるしねぇ」

「そうか、大国なんだな。ほら、そろそろ見えるぞ」

山道を登って見えたのは、真っ青な海に面した山の側面に真っ白な建物が並んでる街並み。

「ぅわぁ~!地中海の街みたぁい」

なんだっけ?断崖絶壁にたくさんの建物が建ってる海岸の所~!

「似た様な所があるのか?」

「うん!他所の遠い国でねぇ、似た感じの観光地があるよぉ」

シチリアとかカリブとかマルタとかぁ、そうだったよね?

「ユウが、前に貝とかはないのか?って聞いて来ただろ。ここなら魚介は多いから欲しい物もあるかと思ってな。今日と明日居れるからゆっくり見て回ろう」

「ふふ、ありがとぉネイ。美味しいご飯いっぱい作るからねぇ~」

「ああ。楽しみにしてる」


街の入り口は山のてっぺんのすぐ近くだった。

ネイはひらりと馬を降りると手綱を引いて歩き出す。

着いたのは、馬小屋。

「街は段差だらけで馬は入れない。ここで置いて行く。…来い」

うん。1人じゃぁ降りれないからね、抱っこされるの、ちょっと恥ずかしいぃけど仕方ないもんね。

改めて門に向かう。

「!これは、ジーヴル様!ようこそ、カソブへ!歓迎致します!」

顔見た途端門番さん達が敬礼してる。

やっぱりネイってば、スゴイんだなぁ

「2日、滞在する。今回は私用故、歓待は無用だ。」

ネイがそう言った途端、門番さん達の視線が刺さる。

な、なぁに?

ネイの手が肩に置かれる。あぁ、安心するなぁ。ありがとぉ、とネイに微笑みかけると肩を抱かれたまま足を進める。

「足元、気をつけろよ?」

「はぁい」

道が階段になってからはエスコートしてもらってる。うん。周りからの視線グサグサ。特に女の子のが、痛ひ!


「大丈夫か?」

「ネイのモテモテ具合が良ぉく分かるねぇ」

「…野郎共はユウに見惚れてるがな」

「ふぇ?」

「顔出してるの忘れてるだろ」

「あ、ストール巻いてなかった!」

「…買うか」

「この街ポイのがあればいぃねぇ」

「分かった」


立派なお宿に部屋をとる。

お昼になったら、結構暑くて汗かいちゃった。

「あ、ボク、着替えとか持って来てないよぅ?」

「少しなら持って来た。足りない分は買えばいい」

渡されたのはカットソーとキュロットと肌着。

「それと寝巻きはあるから、明日の分を見繕えばいい。ちょうど、ストールも買うんだしな」

「んむぅ。もったいない、けど、せっかくだしなぁ」

「じゃあ、買い物行くぞ?」

「うん!」


王都でも見た事ある刺繍入りエプロンみたいなのもあるけど、胸元が大きく開いたワンピースとかアロハシャツみたいなのとか。

着れる服あるかなぁ?


外来品屋さんに行ったらね、色が溢れてた。

真っ白なアオザイがあったんだよ!

アオザイはこの国の人の体格じゃ着れないんだろうねぇ、すんごく勧められた。

着てみたらピッタリだったけど、お値段が高いからムリ~!

とりあえず、 綺麗な青のグラデーションのストールを一枚、こっちの刺繍が入ったのを一枚買ってもらった。



あ、今、広場でネイを待ってます。

なんかぁ、用事があるから待ってろ!って言われちゃったのぉ。

「ねぇ、あの髪色…」

「ジーヴル様の…で」

「…小柄ね…かしら」

さっきからすんごく話題にされてます。

まあ、ネイは有名みたいだし、ボクの髪色は珍しいし、仕方ないかぁ

しかも、今の服、上も下も白いの。こんなの娘ちゃんのタンスに無かったからネイが買ったのかな?

カラフルな中だと目立つなぁ。


「おひめさま!」

ハイラントさんにそう呼ばれてるせいか、すんなり反応しちゃう自分が悲し。振り向いた先には、8歳くらいの女の子が居た。

「ほら!やっぱり、お姫様だよ!」

「アリアー!だめだよ!勝手に近づいちゃあ」

同い年くらいの男の子が必死に女の子の腕を引っ張ってる。

「ふふ、騎士ナイトさんは大変だね~?」

「あっ…」

「ディヤンたらまた真っ赤ー!」

「ふふふ、それで?レディーは何かご用ぅ?」

「あ、あのね、お姫様。お姫様はジーヴル様のお嫁さんって本当?なんで王様は教えてくれないのかな?この街が嫌いなのかなぁ?」

あ、周りの人達も気にしてたみたいだぁ。空気が変わった。

んー、これは説明したげた方がいい、よねぇ?


「俺達の婚約の儀は国王の前でしか行えない故に発表出来ない。それだけだ。」

いきなり登場したネイに驚いて話聞こえてないと思う。

「えっ、えっと…?」

「ネイの言い方じゃあ難しいよねぇ?

あのねえ?ジーヴル様は王様にお約束しないとダメなの。でも、王様にはなかなか会えないでしょう?だからお姫様はまだお嫁さんになれないの。内緒にしてるわけでも、仲間はずれにしてるわけでもないんだよ?分かった?」

「そうなんだ!分かった!あのね、お姫様!お嫁さんはね、白いお花の冠かぶるのよ!お嫁さんになったらまた来てね!アリアが花冠作ったげる!」

「ふふ、ありがとぉ、楽しみにしてるねぇ」


あ、周りの人達の雰囲気も変わったぁ

「待たせて悪かった。服でもなんでも好きな物を買うから言え」

「ふふ、ありがとぉ。それじゃあ、小さなナイトさん、レディー、ごきげんよう」

「「ご、ごきげんよう!お姫様!」」


「やっぱり一人にするんじゃなかったな。すまん」

「ふふ、大丈夫ぅ。今回は可愛いナイトとレディーだったしぃ。でも、王様に報告するなんて、聞いてないよぅ?」

「婚約ならハイラントでいい。流石に結婚は国王に報告しなきゃだがな。ま、儀式の支度するからどうせ結婚までは時間がかかる。」

「儀式って?」

「でかい宴会だ。また、詳しく話す。それより、服だ。ここには船で運ばれる異国の珍しい物が多いからな。」

「…ねぇ、なんでそんな服買いたがるのー?」

「…記念だ!」

へぇ、記念とか、気にするんだ〜?

普段使えそうな服をバンバン買われた。

中でも気に入ってるのは淡いクリーム色のカットソーと濃い緑のキュロットスカート。白い鳥の刺繍が可愛いんだぁ!

王都のはキラキラの刺繍が多いよねぇ。

簡単なのならボクでも出来ないかなぁ?帰ったらご近所のおねぇ様方に聞いてみようかなぁ~?



買った荷物が宿に届いてたから確認してたら

ネイがアオザイも買ってた!

もう、ぽっか~ん!って口開けちゃったよぉ!

「似合ってた」なんて照れながら言われたら、受け取るしかないじゃないかぁ!


次の日は、外食で魚介を食べて。(やっぱり味はシンプル)干物なんかを中心に、スパイスもいくつか手に入った!さらに、タイ米だけどお米見つかったから、宿屋のキッチン借りて魚介たっぷりのパエリア作ったの!そしたら、お姫様が料理!?しかも美味い!!とか騒がれた。

作り方聞かれて、ネイがつまんなそうな顔してたから「これはジーヴル様の為の料理なの」って微笑んどいた。

ネイったら、そんな勝ち誇った顔しないでぇ!照れちゃうよぅ!


後片付けしてる間にネイがお米を買い込んで来てた。ネイったらぁ、食いしん坊さん

え?慣れた物がある方が良いだろ?…ボクの事は建前でしょ!…まあ、嬉しい、けどさ。


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