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お腹いっぱいになってベッドに座ってると皆が見て来るので居心地が悪い。心配かけたのは悪かったけど…。
「えーっとなんでそんなに皆見てくるのかな?」
そうすると皆顔を見合わせる。なんだろ?
「クレアは倒れる前の記憶あるよね?」
「うん。」
そうするとまた皆顔を見合わせる。
「ミースの事なんだけど…。」
「あー、うん。うん。あれね。」
「その、大丈夫かな?」
「何が?」
「ミースの事。」
「あー、大丈夫。」
「父様も衝撃受けたんだけど…。大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。」
そう言うとまた皆顔を見合わせる。
「ミースとの結婚は白紙になってね…。王女に手を出しちゃったからね。その最中の場を大勢が見てるわけで、王子達もいたしね王女の純血奪っちゃったんだよね、ミースは。」
「えーっと、トーリもいるのに、そういう話しても大丈夫なのかな?」
そうすると皆しまったという顔をしてトーリを見た。
「パウエル、トーリを部屋に連れて行ってくれ!」
「えー、僕は大丈夫だよ!!もう大人の男性だから!」
トーリがそう言うと大人組が顔を見合わせる。
「それでなんだけどほらあれだよ!」
「?」
父様が焦りのせいかわけ分からない事を言い出した。濁したい気持ちはわかるが意味不明だ。
「父様と姉様と王子達はミースが王女に自分の物突っ込んで腰振ってる場面に遭遇したんでしょ?」
あっているが凄い言いようだな…。ウケる!!
「まぁ、そうなんだが…。」
父様の方が同様してるし…。ウケるんですけど!?母様笑ってるしね。肩震えてるよ!
「それで、ミースは王女を娶る事になりタリーナ辺境地に王女と王女の母メロナ妃と共に送り出された。王女のお腹に子供がいるかも知れないからね。辺境伯を継ぐ事になった。最後迄クレアを愛してると自分は嵌められたのだと言っていたがな。」
「そりゃーそうだろうね。1日以上ずっとヤッてれば子供も出来てる可能性が高いじゃん!しかも王女の純血奪っちゃったんだよね?仕方ないんじゃない?嵌められたとしても、実際妻がいるのに、妻がいない間に誰にも知らないで家に上げるとかないんじゃないかな?普通は。それに王女様なら王城に知らせるのが筋じゃないかな?寝室に上げて起きながら愛してるって言われても矛盾だらけだね…。アレだね。浮気男の言いそうな事だね。」
「僕もそう思う!」
「えーっと、悲しくないのかな?」
「うん。王女とお幸せにって感じ?多分、ミースも私も絶対愛では無かったって事だね。うーん。恋でもないし、家族愛の延長って感じじゃないかな?多分ミースも勘違いしてるんじゃないかな?早くに母様を亡くして私だけで、私もいなくなってその愛情が愛だと思ったみたいな?」
「ブフゥー!」
母様が耐えきれず吹き出した。
「えっと、トーリもいるのにぶっちゃけていいのかな?」
「僕なら大丈夫だよ?姉様!!」
「えっと、例えばの話しね。男性側になった事ないから分からないけど、父様とパウエルに聞こうか。ぶっちゃけ女がいてそういう雰囲気になったらするでしょ?まぁ、多少好みは分かれるだろうけど…。」
「ブフゥー!」
また母様が吹き出した。
「えーと……。」
「しますね。」
父様は答えに困りパウエルは素直に答えた。
「父様ダメダメね。頼りにならない。パウエルは素直に答えたのに。」
「ブフゥー!」
母様とベランカが吹き出した。
「僕は答えるよ!!」
「で、性欲ってコントロール、あ、抑えたり出したり出来るのかって意味ね。操作って意味かも!出来るのかな?って。理性を抜きにしてね。」
「出来ませんね。」
「出来ないよ!」
「出来ないのかな?」
「やっぱり父様はダメダメね。頼りにならない。」
「じゃあ理性ありきで好きな人とそういう雰囲気になったら我慢出来る?例えば途中で終わりとか。」
「無理ですね。」
「無理だよ!」
「無理だな。」
「じゃあ好きな人と毎日一緒に寝てる美味しい状況で手出ししない事は出来る?相手は手を出したら拒まない状況で。」
「手を出しますね。」
「手を出すよ!」
「手を出すね。なんの拷問だい?」
「いやー、男側の気持ち分からないから、女はしなくても生きていけるけど、男は無理でしょ?」
「無理ですね。」
「無理だね。」
「無理だけどなんなんだい?」
「いやー、ミースとそういう雰囲気になったけどしなかったし、寝ていても手を出されなかったって事は私に魅力がないか、やっぱり家族なんじゃないかと思って。普通愛してる人が一緒に寝てたら手を出すでしょ?私も自分からしたいとか思わなかったし。なんなんだろ?今思えば男と寝てるというより弟と寝てるって方がしっくりくるなって。取られたら取り返したいとか思わないし。愛は愛でも家族愛がピッタリだなって。なんなんだろ?余り美味く説明出来ないけど悲しいとか実際思わないし…。」
「ブフゥー!」
また母様とベランカが吹き出した。
「愛しているなら突っ込むそれが男でしょ?」
「そうだね!それが男だよ!」
「そうですね。それが男です。」
「ブフゥー!」
また母様とベランカが吹き出した。
「やっぱり父様はダメダメね。頼りにならない。」




