17
クレアが眠ってから5日間が過ぎた。
「父様、母様、姉様目覚まさないね…。」
「必ずトーリの声は聞こえてるはずだよ。」
「えぇ、そうね。」
「姉様を悲しませたあいつ絶対に許さない!僕が血が繋がってなければ!!」
「トーリは姉様としてじゃなくクレアを好きなのかい?」
「うーん?姉様としても好きだし、1人の人としても好き!」
「そうか…。」
ジドーとレリアが目で会話する。
「トーリは自分の容姿はどう思う?」
「うーん…美形だとは思う!!姉様は天使だけど!!」
「アハハ!そうか美形か!!確かに美形だな。」
「うん。アロンは格好いいし、ネリー姉様は美人だし、母様も美女だし、父様も美形だし、あいつは冴えない感じだったけど、前からね。」
「彼は前から冴えない感じなのかい?」
「うん。母様も知ってるかな?天使を捕まえるのには不釣り合いだよ!前を知ってたから協力したけど、間違いだった。叔父様も格好いいし叔母様も美人だしアロンは格好いいし不思議だよ!」
「確かに美形ではないわね。前のままなら前の人に似たんだと思うわ。」
「トーリは何時記憶が戻ったんだい?」
「僕?多分、3歳頃かな?」
「父様には1人2歳違いの可愛いい弟がいたんだよ。とても美形で頭の良い弟だった。父様とも仲が良くてレリアの事も姉の様に慕ってたんだよ。名前はドナーって言うんだ。」
「えっ?僕会った事ないよ!!」
「ドナーはスコット公爵の令嬢であるチェルシー嬢と恋仲でね、スコット公爵に婿入りしたんだよ。前スコット公爵達にも気に入られてたしね。でもね、弟達は何者かに命を狙われる様になったんだ。そしてスコット公爵関係者全員が殺されたんだよ。何者かによって。未だに犯人は分かっていない。この話は父様達だけの心に秘めとこうと決めたんだが、今のトーリを見ていると話た方が良いんじゃないかって思ってね。」
「えっ?どういう事?」
「ドナーとチェルシー嬢の間には1人子供がいたんだ。命を狙われている状態だから父様と母様に預けていたんだ。それがトーリだよ。父様と母様は実の息子だと思っているから後はトーリの好きにしなさい。」
「えっ?えっ?」
「困惑するだろうけどトーリは可愛いい弟の子供であり父様と母様の子供でもあるからね。それは覚えていてね。今までと変わらないよ。ただトーリに可愛いい弟達の事を知って欲しかったのかも知れない…。」
「そっか。今は困惑してるけど聞けて良かった。」
「それから聞きたかったんだけどトーリはヘレナ嬢をどう思っているんだい?」
「別に何も思わない。」
「え?どういう事だい?」
「本当に何も思わない。好きでもないし嫌いでもないし無って感情なのかな?あぁ居たんだ位にしか思わない。」
「それは…。」
「街とかで沢山人がいるでしょ?あぁ沢山人がいるなぁーって思うでしょ?そんな感じ。」
「…………。」「…………。」
えーと無関心って事かしら?嫌、それより酷くないかい?
道端に雑草が生えてたら生えてるなーっと思う感じかな?えー?ちょっとどうなのかしら?
2人共に目で会話をする…。あまりにも酷すぎて言葉を失う…。




