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皆が出て行ったそれから間もなくして王と王妃と王子達がミースの所へやって来た。
「そなたの罪は分かったか?」
「……………。」
「だんまりか…。何やら秘密の話をしてたみたいだが、クレア嬢が純白で安心だな。男としてはどうかと思うがな。フローレス公爵に言われた通り貴族で好きな者と結婚出来る者は少ない。そなたの婚約者はロザリアだったって話だな。それから辺境地は大変だから頑張らねば直ぐ死ぬ事になるぞ。明日には辺境地にロザリア達と向かって貰う。逃げ出しても無駄だとだけ言っておこう。」
「良かったじゃねーか!ロザリアはお前を愛してるみたいだしな。一応王女だしな。醜い豚だがな。」
「そうそう。天国から地獄ってねー。それから弟ってどういう事?君、確かに男として天使を愛してないよね?家族愛って言われたら何か納得だね。天使と初夜で我慢なんてする必要ないよね?我慢出来ないのが普通だからね。そりゃ~ロザリアにあんだけ鳥交る理由だ。納得だよ。」
「…………。」
「まぁ、クレア嬢が穢されてなくて良かったですね。貴方みたいな男はクレア嬢の汚点になりかねませんから。」
「…………。」
「私からも一言。貴方男として最低よ!!クレア嬢の気持ちを考えれば考える程可哀想になるわ!本当に最低よ!!」
「…………。」
「言っても無駄な様だな。では行くか。」
そう王が言い部屋にはミースだけになった。
僕は嵌められたのに誰も分かってくれない…。クレアを1人の男として愛してるのも本当なのに…。
我慢が出来ないのが普通?愛しているから我慢出来るんだ!そこら辺の男と一緒ではない!!
確かに王女殿下に対する行動は僕の過ちだ!だけどクレアに対する気持ちは間違いなく家族愛等ではない!!
クレアだけを愛し、クレアだけを優先し、クレアだけいれば僕は生きていける!!どんな困難でも耐えてみせる!!
間違いなくクレアだけを愛している!!他のどんな女性も愛していない!!
なのに…なのに…なのに…皆否定する!!皆僕とクレアを引き裂こうとする!!
そうだ!!あの本だ!!やり直しが出来る!!クレアを手に入れられる!!
そうとなれば、油断させてあの本屋に行こう!!必ずクレアを取り戻してみせる!!
クレア、クレア、クレア、待っててね!!必ず君を取り戻してみせるから!!




