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久しぶりに我が家に泊まり準備をしてから朝食を食べまた話合いになった。
昼頃にパウエルが訪ねて来た。
「クレア嬢様、昨夜王女殿下がいらして、ミース様の寝室から2人共に未だに出て来ません…。」
「えっ!?なんで王女殿下が?」
「街を散策していたら誰かにつけられてるとおしゃってミース様が家に上げました…。」
頭の中が嫌な予感でいっぱいになり思考が停止する。身体は震え何がどうなってるのか解らない。
「クレア、取り敢えず父様も行くから家に行こう。」
「俺達も妹の事だから向かおう。」
道中父様とリュド姉が励ましてくれたが身体の震えが収まらない。家に付き寝室迄なんとか歩く。イルス殿下が開けようとする。
「開かないな。公爵壊しても??」
「あぁ、大丈夫だ。」
その言葉にイルス殿下、アリル殿下、カプド殿下が力任せにドアを壊した。
「はっ?」
声がこぼれた…。ミースと王女殿下の情事の最中だった。
「クレア、しっかりしろ!大丈夫か?」
父様が声をかけてくれるが頭が真っ白で更に身体は震える。アリル殿下がミースを殴り飛ばした。
信じていたのに…また裏切られた…。それも最悪な形で。もう、誰も信用しない方が楽なのかも知れない。前前世ではそんな事無かったのにな…。私が悪いのだろうか?ミースを優先しなかったから…。色々考えが浮かび沈むの繰り返しで気がつけば父様の腕の中に…そして気を失った…。
「クレア!!」
「俺は事が事だから父上と母上に伝えに行く。後は頼んだぞ。アリル、カプド、公爵。」
「リュド、パウエル、フローレス公爵に戻りクレアを休めてくれ。レリアとトーリに伝え前シモンズ公爵とフォスター公爵にも伝えてくれ。」
「分かったわ。」
「かしこまりました。」
2人でクレアを運んで来た道を戻る。
「こんな綺麗で良い子を裏切るなんて信じられないわ。」
「そうですな。小さい頃からとても可愛いく天使の様な方でしたからな。私も他の女性にいくなど到底許せなさそうです。」
「クレア、立ち直ってくれると良いんだけど…。」
「皆様がいるからクレア嬢様は大丈夫です。時間はかかるかも知れませんが…。」
それからフローレス公爵に到着してレリアとトーリに話をしてからクレアを部屋迄運んだ。
「僕、ミース兄様許せそうにないです!」
「母様もよ。信頼してただけ失望が大きいわ。」
「僕、浮気とかそういうの嫌って程体験してきましたから、絶対に許せない!!しかも、姉様みたいな天使な美女捕まえておきながら!!」
そこにドタドタとアロンとネリーがやって来た。
「本当なのか!?」
アロンの質問にリュドとパウエルが答える。
「本当よ。その場を目撃したから。」
「私もクレア嬢様も公爵も王子殿下達もですから。」
「あぁ、なんて事を!!クレアを裏切るなんて許せないわよ!!アロンの弟だとしてもよ!!」
「なんでなんだ…ミース…クレアを裏切るなんて…。しかも最悪な形で。」
「女にとって最悪な形よ!!しかも情事を目撃なんて…信じられないわ!!汚いわ!!しかも王子殿下に殴られるまで夢中になるなんて!!穢らわしい!!」
そんな中イルス殿下に連れて来られたのか騎士達と王のレンダ王がやって来た。
それから前シモンズ公爵とフォスター公爵も揃った。それからフローレス公爵がアリル殿下とカプド殿下と戻って来た。
皆一堂に王に礼を取った。
「クレア嬢は?」
「気を失ったので寝かせています。」
「可哀想に…我が娘の事ながら許し難いな…。騎士団長我が娘とその相手を捕まえる様に。」
そう指示を出し客室に入っていった。騎士団長と数目は捕まえる為にあの場に向かった。




