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59話 水色髪の聖女

       あとがき書いてますm(_ _)m

 

 私は今、キーシャの門の前にいる。


「ルリ、本当にこの街を出ていくんだね。

 また会えるよね?」


 ネムが寂しそうな顔で問いかけてきたので、不安を払拭するように私は返事をした。


「うん!また絶対、会えるよ」 


「別にキーシャにいてもいいんだよ?

 私たちはずっとルリの味方なんだからさ!」


 ネムの横にいる、ツバキも悲しそうな表情で引き留めてくる。


「枢機卿たちに狙われて気づいたことがあるんだ」


 ネムとツバキが首を傾げて、私をじっと見てくる。


「この力ってさ、本当に特別な力なんだって改めて実感したんだ」

 

「まあね」


 ツバキは不服そうな感じで頷く。

 彼女達には神聖魔法を扱える者が短命であることを話した。

 私にはエルフの血が流れているから、すぐに死なないと思うと補足して伝えたけど。


「一箇所に留まるより、色んなところを旅した方が私の力を悪用されないんじゃないかなとも思うんだ」


 マーベルとアレク様にもこのことは同様に話している。


「ルリがそう決めたらならしょうがない…。

 しょうがないんだ」


 ツバキは自分を納得させるように呟く。


 すると、視界の隅にアレク様の馬車が視界に映る。

 マリアさんとアレク様。

 そして、マーベルが馬車から降りてきた。


「皆、見送りに来てくれてありがとう」


 三人が降りてきたので、私は一人ずつ顔を見た後、お礼を言った。


「ルリ姉、俺もっと強くなって守れるようになったら冒険に連れていってくれよな!」


「そうだね、マーベル」


 私の冒険にマーベルは同行しない。

 本当は一緒に旅をしたい気持ちはあるんだけど。

 どうしてもマーベルを危険な目に遭わせるかもしれないと思うと、いいよとは言えなかった。


 本人も自分の弱さをはっきり自覚しているからこそ、アレク様の屋敷に残って訓練を続けて強くなる決心をしたらしい。


「ルリさん、どうかお元気でいて下さいね」


「はい、マリアさんもお元気で!

 あと、マーベルのこともよろしくお願い致します」


 マリアさんが優しく微笑んだので、私もニコッとしてから頭を下げた。


 これから私は馬車に乗ってキーシャの町を旅立つのだ。


「「また会おうね、ルリ!」」


「二人ともまたね!」


 ツバキとネムが手を振るので私も振り返す。


 馬車に乗る前に私はアレク様の正面に立ってお礼を言う。


「本当に沢山ありがとうございました!

 アレク様のお陰で短い期間でしたが、学園生活を有意義に過ごせました」


 半年間、あっという間だったな。


「学園ではあんまり接点がなかったのは残念だけど、私もルリがキーシャに来てくれて良かった。

 また会おうね」


「はい!

 また会いに来ます!」


 私は馬車に乗り、窓から皆に手を振って出発した。



   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ルリがキーシャを旅立って三年後。

 彼女の名前は至る街で囁かれるようになった。


 とある冒険者ギルドにて。


「ねえねえ、このガルムートに【聖女】ルリ様がいらっしゃったらしいんだって!!」


「それは本当なのか!?

 けど、どうして聖女様が冒険都市に来たんだろうな?」


「何でだろうね?」


 冒険者になったばかりの二人組の男女が楽しそうにギルドの食堂で会話を繰り広げると、ベテランの冒険者が彼らに絡んだ。


「うるせな、ガキども。聖女なんて迷信だぞ、ごちゃごちゃ言ってると潰すぞ」


 ベテランの冒険者は酷く酔っ払っているようだった。足取りが覚束(おぼつか)ないのか、足をフラフラさせながら少年たちに近付いた。


 黒髪の女の子が可愛かったからだろう。

 ベテランの冒険者は女の子に近寄り肩を抱き寄せた。


「悪くねえ面だなあ。そんなガキのお守りは辞めて、剣の握り方でも教えてやろうか?それとも俺の」

 

 下腹部を見つめながら下品なことを言おうとした冒険者に苛立った少年はそいつの肩を掴んだ。


「痛えな、おい」


 冒険者は少年が反抗的な態度が気に食わなくて、腰にさげていたナイフを出して脅そうとする。

 

 酔っ払いすぎていたのが原因だろう。

 冒険者は足をもつれさせて、少年と一緒に転倒した。

 

「大丈…」


 少女は心配になったので駆け寄ると、言葉が続かなかった。

 彼の腹部に冒険者のナイフが、がっつり刺さっていたからだ。


 誰か助けて下さい。

 彼女は周囲に呼びかけようとしたが、声に出すことが出来なかった。

 さらに腰が抜けて、その場に座り込んでしまう。


 すると、座り込んだ彼女の前に水色髪の綺麗な女性が現れた。

 十七、八才くらいで、大きな瑠璃色の瞳が特徴的だ。

 

「あ…あ…の、彼を」


 黒髪の少女は声が震え、上手く言葉を発声できないけれど、彼女は優しく微笑みかけた。


「大丈夫だよ」

 

 穏やかな声で励ました彼女は落ち着いた足取りで少年の元へ歩み寄った。


 少年の腹部に彼女は手をかざすと、淡い光が発生する。

 時間にして、十秒あっただろうか。



「傷が治っていくぞ…。

 え、あれって聖女様じゃねえか?」


「まじかよ!噂は本当だったのか!?デマだと思っていたぜ」


 ギルドの食堂にいた冒険者たちが騒ぎ始めると、水色の髪をした彼女は、座り込んでいる少女に話しかける。


「もう大丈夫。傷は癒えてるから安心してね。

 だけど、もし君たちが冒険者になりたいなら今みたいに大切な人が傷つくこともあるし、最悪、命を落とすこともあるんだ。

大変だと思うけど、そういう厳しい世界なんだってことは肝に命じておいてね」


 それだけ言うと彼女は立ち去ろうしたので、少女はすかさずお礼を言う。


「あ、あの助けて下さりありがとうございました!」


 なぜか、少女は頭に浮かんできたこと口にしてしまう。


「聖女様…」


 水色髪の女性はクスッと笑って、


「私は聖女じゃないよ。

 ただ冒険が好きな普通の村人なんだ」


 微笑んだ彼女はその場を去っていった。


「あれが噂のルリ様だったのかな?」


 黒髪の少女はポツリと呟くと、傷を治してもらった少年が相槌を打つ。


「そうかもしれない」



 亡き父のようにルリは沢山の人の命を救いながら冒険をしているのであった。

 ここまで、読んで下さり本当にありがとうございました。

 急展開すぎるかもしれませんが、これで本作は完結です。

 スケールが大きすぎる題名とログライン。

 修正します。作者都合ですみません…。


 題名やログラインでここまで読んで下さった皆様、本当に申し訳ございません。


 次の作品もある程度、形になれば投稿していきます。作風はガラッと変わります(汗)


 あとがき含め、ここまで読んで下さりありがとうございました。

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