表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の日の帰り道  作者: 土間 顕
1/1

冬の日の帰り道【上】

 ◆


 真っ暗な夜が来る前の、紫色の時間。

 豆電球(まめきゅう)1つを頼りに、自転車で山道を行く。


 そんな俺の目の前を、白い粒がフッ……フッ……と横切っていく。



(何だこれ? ()だなぁ、嫌だなぁ……)



と思ってたら、降りだした雪だった……



 高校からの帰り道。これが俺の日常……というには、その日は寒すぎた――――



 ◇


 12月も半ばの、某市のはずれ。


 くねくね曲がる山道の、右手は急斜面、左手はガードレール。

 アスファルトの舗装(ほそう)はボロボロ。

 道幅も狭い。自動車(クルマ)2台がギリギリすれ違えるかどうか。


 ……それでもマシなほう、という県道で独り、自転車を()ぐ。

 この(あた)りなら、自動車はめったに来ない。



 ◆


 俺ん()は、人口4万弱の地方都市にある。

 小高い山々に囲まれた市街地。その端のほうに、新しくできた住宅地の中だ。


 全国的に見れば、ここは(あった)かいほう……とはいえ、冬は普通に寒い。

 雪だって降る。めったに積もらないだけだ。



 そんな地元から、自転車で片道2時間かけて、市外の県立高校へ通っている。

 学校付近の生徒は歩き、あとはバスか自転車か、という学校だ。


 自動車やバイクは使えない。校則でそう決められてるからだ。

 駐車場増やす余裕、ないからかな? 場所とかお金とか。


 あと(うち)からだと、残念ながら電車とか、直通する路線バスとかもない。

 だから自転車。ありがとう自転車。

 山越えはキツいけど、延々歩くよりはマシだ。



 ◇


 そんな話はどうでもいいや。

 それより、横からの強風が問題だ。


「うおぉ !? 」


 自転車ごと()けそうになって、思わず左足をつく。

 ……ちょっと強すぎる。珍しい。

 しばらく歩くか、自転車押しながら……。



 そしてもう一つ。風に乗って、


「……ホギャア、ホギャア……」


どこからか、赤ん坊らしき泣き声がする。

 人気(ひとけ)のない山の中。なのに、そのどこかから聞こえてくる。


 というか、じわじわ声が近づいてる気がする。



 ……まさか、あそこの廃墟(はいきょ)か?



 ◆


 この先、少し進んだ所に、一軒の廃屋(はいおく)と、山の中へ入る細道がある。

 廃屋は、木造の平屋だったらしい。半分(つぶ)れてて、元の形は分からない。


 4月、入学式に行く途中で気がついた。行って帰ったその夜、すぐ親父(おやじ)()いた――――



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は未定です。あしからずご了承ください……



【追記】一部修正しました

(2025/08/13)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ