仕事⑦マスクとレガース(防具)
流石に100㎞オーバーの球を何の防具も無しに取る事は危険極まりない。マスクにレガースを着け試合に出場する。これもキャッチャーにしか無い動作の一つである。自分打撃の時以外は基本的にレガースを着けておく。マスクまではかぶらないが、いつでも守備につける様にしておく。
レガースやマスクはキャッチャーの身を守る物であり万が一捕球のミスや、打者のファウルチップが当たった時に生身では危険過ぎるので開発された野球専用防具である。
投手の良し悪しよりもレガースやマスクの付け方一つで良いキャッチャーであるかが分かる。良質な捕手であれば、レガースやマスクを着けるのも正確である。逆に質の悪いキャッチャーはレガースやマスクを着けるのももたつく。これは質の悪いと言うよりも、試合慣れしていないとも言える。レガースやマスク位ササっと着ける事が出来なければ、名捕手にはなれないと言う事である。
大リーグ(MLB)で活躍する一流選手は、皆守備位置に関わらずともグローブやスパイク、バットに手袋や、ソックスやアンダーシャツに至るまで、ピカピカでしっかりマネジメントされている。新品なのかとみまごう程の輝きを放っている。キャッチャーの場合はそこにマスクとレガースが加わるだけである。皆野球をする為の用具であり、全て自己管理である。
一流の選手は道具を大切にする。それはNPBもMLBも変わらない。道具は体の一部。トップクラスの選手はそこに時間をかける。だから一流でいられるのだ。捕手においてはミットやマスクにレガースだと言うだけの事である。
日本のキャッチャーが投高打低の傾向にあるのは、扱う用具が多いからとも考えられる。打撃の良い捕手と言うのも例外的にはいるが、メジャーのキャッチャーに比べると、パンチのあるキャッチャーは確実に少ない。メジャーのキャッチャーも確実に日本のキャッチャーと同じ事をしなければならないのに、何故差が出るのか?また、日本にも強打でならすキャッチャーがいるのか?その差は努力の差がもたらすものなのか、それとも天性のセンスによるものなのか、チームのプレイヤーに対するサポートの違いなのか、理由は謎だが、キャッチャーは明らかに他の野手より打撃練習に割ける時間が少ないのは確かだ。用具のメンテナンスもそうだが、投手の球を受けなければならない。八番、九番がキャッチャーを担うチームは少なくない。それは納得出来るのだが、クリーンナップを打てるキャッチャーがいるのが腑に落ちない。