仕事②守備位置
打球がフェアゾーンに転がれば、捕手の守備範囲なら捕球して、送球しなければならない。そう。キャッチャーとは、あくまで内外野手のうちの一人である。ファースト、セカンド、ショート、サード、に次ぐ5人目の内野手であり投手を入れれば内野手は6人になる。
外野からはバックホームの捕球や連携プレーもある。打者がファウルを打ち上げればマスクをすかさず外してフライのフォローに入るし、走者が出ていればそれも気を付けなければならない。
マウンドからキャッチャーまでの距離は約18~19メートル。捕球しては投手に返球するし、少しでも汚れていれば主審にボールの交換を要求出来る。名キャッチャーは投手を活かし、愚キャッチャーは投手を殺す。名キャッチャーは走者を殺し、味方を殺す。そんな事も言われるポジションがキャッチャーと言える。
ストライク、ボールのカウントを頭に入れ、投手の配球を考え、走者に気を使い、内外野手の位置をベンチからのサイン通りに指揮する。それがキャッチャーというポジションの仕事である。つまり、何を意味するか?キャッチャーは、野球と言うスポーツにおいて最重要ポジションであると言う事である。
プロでもアマでも、最も難しいのがチームの正捕手の座を奪う事である。キャッチャーが変わればチームの雰囲気も変わる。監督としては、正捕手にドカッと座っていて欲しいが、何かのアクシデントや投手との兼ね合いでキャッチャーを変える事は稀ではない。つまり、どんな人でも安定した成績を残し、監督からの信頼の厚いプレイヤーが正捕手となれる逸材である。
キャッチャーはオールラウンドプレイヤーを目指しても、ユーティリティープレイヤーを目指す必要は無い。監督やコーチはキャッチャーは専門職であると考えている人が多いからだ。守備位置としてのキャッチャーは、何よりも投手の能力を増やせるリードをする事と、オールマイティーにそつなくこなせる守備力が必要である。こつを掴めばこれだけのやりがいのあるポジションは無い。マスクの下でゲームを支配する。キャッチャーとは、そうしたゲームを支配するやりがいのあるポジションなのである。