ペース配分
キャッチャーには、配球と共に投手のペース配分を上手くしていくと言う能力が必要になって来る。何故ならば、投手自身がペース配分を考えるのが難しいポジションだからである。一球一球に集中させてあげる為にも、そう言う細かい部分はキャッチャーが担うべきである。良いキャッチャーは、投手のペース配分(イニング毎の球数)が上手い。
投手毎にスタミナ＝燃費は違う。また投げる球種によっても燃費は異なる。そう言う細かい情報にも精通出来るのが、一流の正捕手の条件である。具体的なペース配分はどの様な事をすれば良いのか？
それは、まずその投手の投げる球種とコースを把握して、スタミナをどの程度消費するのかを把握する必要がある。その作業を一軍に登録されている投手の数だけ把握しなければならないので、大仕事と言えばそうである。中でも所謂ストレートやまっすぐやフォーシームと呼ばれる速球は燃費が割と低めで球速は落ちるが、試合後半まで投げる事の出来る安定した球である。変化球はストレートの様にはいかないが、投手によって得意な変化球と不得意な変化球があり、キャッチャーはそれを頭に叩き込みサインを出す。
あくまで投手の主観的なデータになるが、まぁ無いよりはよっぽどマシである。受けて行く内にこの球は燃費良い悪いに気付けるかもしれない。
ストレート系の球が基本と言われるのは、ペース配分を考えての事である。球種の燃費が低い球を多投したくなるが、それではダメで相手打者を抑えられない。燃費の悪い球も状況に応じて投げなければいけない為、知らず知らずの内に投手が消耗してしまうと言うのはよくある事である。
スタミナの減少具合を示すのに、燃費と言う表現を用いたが、投手の数と持っている変化球の種類により、投手のスタミナの総和が導かれる。ごく稀にストレート系の球よりも燃費の低い変化球を持つ人間もいなくはないが、その投手はその球を主体としてペース配分すれば良い。
キャッチャーの能力と言うよりは、まず味方の投手を知る為のペース配分ととらえた方が有効的かもしれない。例えば、カーブとスライダーもフォークも持つAと言う投手と、ストレート系の球とフォークしか持っていないBと言う投手の二人がいたとする。Aの投手は、変化球が多めで燃費は高い。しかし、Bの投手はストレート系の球もフォークも燃費は低い。どちらの投手が先発、中継ぎ、クローザーに向いているかは考え方次第になる。ペース配分により、投手の適性を知れるのである。
