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英雄は橋の上で  作者: 海亀
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英雄とは?

初めての作品となります。

産みたてな子ゆえ、言葉や行動が危うい所が多々あります。

ウミガメの子が砂浜から海に旅立つ時ぐらいの優しい目で見守って頂けたら幸いです。


本当温かい目で、プリンのプルプルさを見るぐらい心を空っぽにして、こたつに入ってアイスが端からゆっくり溶けるのを待つぐらいの心でお願いします。


少しでも楽しんでいたけたら嬉しいです。


ある町で、街を救った英雄がいるとの噂を聞いた私は取材のため街に赴いた。

首都から馬車で2日、そこから乗り継いで半日、

英雄がいる町ラウヤシン帝国ゲルべ騎士団領、バァリー街にやって来た。

バァリーは通称川の町と呼ばれるだけあって、街全体を川が囲み川の要塞となっている。

この街を囲む川はラウヤシン帝国まで続いている。

街は、帝国のゲルべ騎士団領の領地だけあって騎士が多い。


「やっと着いた、流石に疲れたよ」

私は馬車から降り伸びをしたと同時に腰を摩った。

余り運動していないから長距離は疲れる。

「君は大丈夫だったかい?」

後輩のエステルに話しかける

「ええ、まだ私はボナー先輩より20歳は若いので

先輩はもうダウンですか」馬車から颯爽と降り立ちそう言い放った。

「いや、20歳は言い過ぎだ、私はまだ38歳エステル君は25歳じゃ無いか」

「ほぼ20歳じゃ無いですか、それと女性の年齢を口に出す所が先輩がモテない証ですね」と毛虫を見る様な目で見てくる。

相変わらず言葉の棘が凄い、後輩だよな、自分の時代じゃあ考えられないが、これが世代の差なのか、数年前は素直に慕ってくれてたのに、変わっちまったのか、変わっちまったのかそれとも、変わったのは自分なのか、エステル君なのか、時代なのか、環境なのか、社会なのか、考える事は多いな


それに、まだまだ若いエステル君が年齢を気にするとは

「先輩ーー遅いですよーー」馬車降り場から数m先でエステル君が叫ぶ「おおっと、早く行かなければ怒られてしまう」

馬車の運転手にお金と会釈をし、良い旅を

遠くからエステル君がまだまだ叫んでいる



一体英雄と呼ばれる人はどんな人なのだろうか、楽しみだ



バァリー街に入るには馬車降り場から降りて橋を渡らなければ入れない。

しかし、外から入れる出入り口の橋は一つしかない。昔は街の至る所から出入り出来る橋があったそうだが、

今はもう無い

そのうちの1つ残った橋が私が立っている橋

キース橋だ

大きく馬車が横に3台、4台は入れる大きさ、長さ1キロに渡る大きな橋だ、歴史的価値も高く、観光名所になっている。

でも、何故、小さな橋ならともかくこんな大きな橋で馬車の乗り入れが禁止されているのだろう。

街行く人も皆、橋の手前で降りて歩いて橋を渡っている。


「先輩ー疲れましたー」エステル君が言い出した。

「さっきまで人にまだ若いから疲れてないって言ってたじゃ無いか」

私は少し呆れた様にエステル君を見た。

銀色の髪は薄い水色の瞳を持つエステル君は、会社ではクールビューティと名高いが、今は見る影なくその美しい顔を顰めている。


「私だって、言いたくて言っている訳じゃないですよ。暑さに私は参っているんです。先輩は相変わらず気が利かないですね、

こうゆう時に冷たい物とか買って、私に渡せば私の好感度が上がったかもしれないのに、それだからモテないのですよ。」口を尖らせながらエステル君は言う、


「…エステル君は…何というか素直だよね」

「素直さが私の取り柄です。」

「それに、買って渡しても好感度が上がるかもって、上がらないかもしれないって事だよね、それって私に何の得があるのさ」口を尖らせながら私は言った


「…その歳でやっても可愛くないですよ、って上がるかも知知れないって上がる可能性があるって事に喜んで下さいよ、この私の好感度が上がるのですよ、この美人の!

何にでも耐え難い程の幸福があなたに降り注ぎますよ。」


恍惚な笑みを振り撒きながら、胸に手を当てる様子は美しさと神聖さとポンコツさが現れて、

少しエステル君の将来が不安になる感じだった。

「…宗教みたいだね、それならきっと良いことがあるのだろうね」私はちょっと顔を引き攣らせなら

この子の将来の為に、私は何が出来るか考えたいと思った。

「ってまあ、冗談は程々にして」


「っえ、冗談だったの?」

「素面で言うわけ無いじゃあ無いですか、馬鹿ですか先輩

小粋なジョークです。」

「エステル君が酷い、いや、冗談が分からなかった私がダメなのか…?いや、少し本気さが滲んでいたから分からなくても不思議では無い……?ってか、今馬鹿って?」

「それしても、進まないですねこの行列」手で顔を仰ぎながら言った。

話が逸らされた気もするがまぁ

「確かに進まないね、もう1時間になるよ」腰に付けている時計を見ながら私は言った


橋には行列が出来ていた。

それも長い行列が、春といえ晴天の下1時間も外で立っていれば疲れてしまう。

馬車降り場から歩いて途中までは普通に歩いけたのだが、そのうち人が集まり進まなくなった。

暑さもあってか、皆割り込みがあって声を荒げたり、疲れて座り込む者も多い。

そういう人をターゲットに橋のあちこちで屋台や物売りがいる、お、ちょうどいい近くに飲み物を売っている男性がいる

「すまない、こちらにもくれないか」

だめかちっと周りがうるさ過ぎて聞こえないか

「エステル君、すまないここで待っていてくれないか」

「はい、分かりました。冷たいものがいいです、サッパリした甘さの」

エステル君の顔が死にはじめている、暑さに弱いと言っていたし、これは急いだほうが良いな

行列の前後の人に話しかけて行列から抜け出した。

ジュース…ジュースはあれか屋台の元気の良さそうな

おば、お姐さんに話しかける

「すみません、お姐さんサッパリした甘さのジュースありますか、」

「あら、やだよお姉さんだなんて、そんな歳とっくに過ぎてるって言うのに〜」そう言いながらも顔を綻ばせて、ライチのジュース、オレンジジュース、ブドウゼリーをオススメしてくれた。

そうだ、購入ついでに、

なぜここがこんなにも混むのか聞いてみよう


「お姐さん聞きたかったのですが、いつもこんなに混むのですか?」

店番のお姐さんに聞いてみると


「この街は初めてかい?

それなら知らなくてもしょうがないね、いつもこのぐらい混むよ、むしろ今はいい方だね、後1時間ぐらいか、アンタはどこから来たんだい?」

「首都アルダから来ました」

「そんな遠くからわざわざこの田舎に、どうしてこの街にきたのかい?」

「私、記者をしてまして、この街に英雄がいると聞き是非お話しをお聞きしたいとやってきました。お姐さんは英雄ご存知ですか?」


「知ってるよ、英雄ねぇ、あの子が聞いたら嫌がりそうだね」

「っご存知ですか!」やった幸先がいいぞ、でもイヤがりそうとは?

「あっははは、そりゃあ、あの子は救いたくて救ってくれたわけでは無いからねぇ、そりゃ嫌々よ。あの子は、英雄って言うと顔顰めて嫌がるよ」快活な笑顔と共に凄いこと聞いた。

「それなのに、英雄となっているのは?」

「そりゃあ、この街の人間を救ってくれたからねぇ」

「救ったとは?」

「きっとすぐわかるよ、さぁ、ジュース持ってさっさと戻りたほうがいいよ、列動くよ」


確かに少しずつ動き出している。

「あ、ありがとうございます。では、最後に貴方にとってこの街の英雄を一言で言うなら?」


「そうさねぇ、捻くれた悪ガキ、薄汚れた悪ガキ、天邪鬼、不器用、陰湿色々あるけど1番近いのはあれだね、寂しがり屋の優しい子だね」

そう言って笑って手振ってくれた、お姐さんは笑顔だった。

その笑顔で ああ、慕われているのだなと思った。


最初から最後まで何が英雄ぽく無い言葉か並んでいた気がするが気のせいだな。親しみからくるやつだな。

早くエステル君のもとに戻らなきゃなっと思いつつ

少し寄り道、悩んだのもあって少し時間がかかってしまった、

「怒らせちゃうやつだな」

「ええ、怒っているやつです」背後から声がかかった

えっ?いつからそこに?気配が無かったぞ

「……一体いつまで待たせるんですか?」 

エステル君の目がイヤ、顔も死んでる

「ギリ生きてます」「声出てました?」

「予想しました」「素晴らしいね流石エステル君だね、我がモンタール会社の仕事の出来るクールビューティ、氷華の姫」

「はいはい、おべっかは後で聞きます、飲み物は?」

「こちらに御座います…遅くなって申し訳ないです。」

ノロノロと体を動かし飲み物を受け取ったエステル君ゾンビの様だ

一口飲むと目を見開き

「味が薄い!」「申し訳御座いません」「ちよっと、どうゆう事ですか!何で氷が半分以上溶けているのですか!」エステル君、目が目が怖いよ

「それは…深い様な…深く無いような訳がありまして」

「殴っても良いですか?」「これを買っていました!」土下座の勢いで途中寄り道して買った物を取り出す


「これって傘と…魔法具ですか?」そう、買ったのは日傘と首に掛けて使う魔法具だ。

日傘は直射日光を遮るためと、魔法具は風を取り込み涼しい風をおくる品物だ

エステル君は目をパチパチさせている

「私に?でいいのでしようか?」

「遅くなったお詫びとしてお使いいただければ幸いです。」90度のお辞儀をしながら差し出す。


「へぇ〜これを買っていたから氷が溶けてしまったのですか?う〜んまぁそれならまぁ、ええ、まぁ、ねぇ、」早速日傘を開き、首に魔法具を取り付け満更でも無い顔をしているエステル君にお伺いをたてる、


「お気に召して頂けましたでしようか?」

「良きにはからえ」

何とか許してもらえた様だ、それにしてもエステル君は白の日傘が良く似合っている

お姫様の様だなと思っていると口をモニョモニョしながらエステル君が「…その…ありがとうごさいます。」

私はらしく無いことをしたと頬を掻きながら

「おっさんの好みで決めてしまってすまない、店番のお姐さんに聞いたらまだかかるって言うし、気に入らなかったら今だけ使って、捨てて貰っても構わないからね」


少し寂しいけど好みが合わないってやつはどうしようも無いからな〜

良く元カノにもセンスが無いって言われたもんなぁ

似合うと思ったんだけどなぁ、虎柄 可愛いのに


虎柄がいけなかったのかなぁ…ライオンなら?

まぁ、その経験を活かしてゴタゴタしてない、シンプルで機能的で可愛らしい傘が選べたと思うんだけどなぁ

小鳥柄なら良いよね?可愛いよね?白から水色のグラデーションに白の小鳥がちょこんといるだけだし!


エステル君が日傘をクルクルしてたらいきなり近づいて「はぁあ!捨てませんよ!大事にしますよ!!ってか先輩はおっさんじゃあありません!」

エステル君が気を遣っている。


気を遣ってくれているのか本当に、

気に入ってくれたのか分からないが、嘘でもそれならそれで、もし本当に気に入ってもらえたなら嬉しいなぁと顔を綻ばせた。

「んっっ」

エステル君は暑いせいか日傘の下でも顔が赤いな、遅過ぎて熱中症にならなければ良いのだが……

「あ、進むみたいだね〜さぁ、先に進むか」




「はい、今行きますよ、

……捨てませんよ……(ずっと)…大事にしますよ

本当、ずるい人」




最近見た夢の話。

ストーリー性をプラスして作り上げました。

誰かに知って欲しかった

そんな話です。

最後まで見ていて頂いてありがとうございます。

ウミガメ泣いちゃう

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