#03. Our First Meetin’
「それじゃ、そこの本棚からこれまで暗魔が暗殺してきた人たちを纏めてるファイルを取ってくれないか?」
「はーい」
俺はリナイエの後ろにある本棚を差しながら、リナイエに頼んだ。
「ありがとう」
俺はリナイエから一冊の黒いファイルを受け取ると、ファイルの1ページ目を開いた。
1から3ページまでは今まで暗魔が暗殺してきた者の名前が一覧として書いてある。そして、4ページ目からは一人ひとりの詳細が1ページとして書かれている。現在のところ、ファイルに記載されている人数は大体60人ほどだ。しかし、ニュース等で発表されてない件などもあるから実際の数値は分かってない。
「とりあえず、二人で半分ずつ調べるか!?」
「そうだね」
俺はファイルから全体の半分ぐらいの紙だけを取り出して、ファイルをリナイエに渡した。
最初に書いてあった名前は「川柳司」だ。彼は、裏組織で詐欺を行なっていた。そして、彼は暗魔によって2027年5月6日に暗殺されていた。
次に書いてあったのは「鎌田光輝」だ。彼は、放火の罪で刑務所に囚われていた。しかし、彼は2027年6月4日に脱獄したが、次の日の2027年6月5日に同じく暗魔によって暗殺されていた。
俺は先程リナイエが入れてくれた紅茶を啜りながら、次々に暗殺された者たちを確認していった。俺が確認した者の中には、女性や少年、外国人の名前も記載されていた。
それからリナイエと共に調査を始めて3時間ほど。
「リナイエ、何か分かったか?」
「いや、特に...。拓也は?」
「俺も無い。共に収穫無しか...。これから、どうすれば良いんだ?」
「んー。とりあえず、数ヶ月間暗魔の行動を探ってみる?」
「...そうだね。今日受け取った手紙だし、これから先何か起こるかもしれないしね」
「そうそう」
「じゃあ、そうしよう。何か暗魔について分かったら直ぐに連絡ね」
「はーい」
こうして、俺とリナイエの数時間にわたる作戦会議は収穫無しで呆気なく終わった。こんな作戦で本当に暗魔に勝てるのだろうか?
そして次に、今いる俺の秘密の探偵事務所の拠点をどこに移すかの議題に変わった。