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第1章~試験~#1

 人間と人形が共存する都市『ドルタウン』、ここには、姫人形と呼ばれる意思を持った人形が作られており。都市民はその人形の事を『ドールズ』と呼んでいる。

 ドールズは日々、人々の生活に貢献している存在だ。ドールズがいなければこの都市が発展することはなかっただろう。






 俺は天斗翔あまとかける

 今年高校を卒業し、『ドールズ学園』に進学するべく、日々勉強に励んでいた。


「翔ーご飯できたぞー」


父の呼ぶ声が部屋から聞こえる


「今行くよ!」


俺は階段を降り、ダイニングへ向かう、そこには、父が料理を運んでいた


「俺も手伝うよ父さん」


「あぁ、頼む」


 父は男手一つで俺を育ててくれた、大切な家族だ。母は俺が生まれた後すぐに亡くなったと父から聞いていた。だから俺には母親のぬくもりというものを知らない。小さい頃は「ほかの家はお母さんがいるのに何でうちにはお母さんがいないの」と言っていたらしい。

 それも父さんから聞いた。今でも母さんがいたらどうゆう感じだったんだろうとは思うが、父さんが健康に生きてくれるだけで俺はそれが何よりの幸せだ。





 テーブルに食事を三人分運び終わって椅子に座る


「いただきます!」


翔はお腹が空いていたのかがっつくようにしてご飯を口に頬張る


「翔、勉強はどうだ?明日試験だったろ?お前の志望先へは行けそうか?」


父がそう言った、翔は笑顔で「もう完璧だよ!」と父の問いに答える


「そうか、それはよかった」


嬉しそうな父の顔を見ると、なんだかこっちも嬉しくなってしまう


「拓真~洗濯終わったぞ~、つぎはなにをすればいい?」


ドアからひょこっと顔を出す少女


「やぁエミ、ご苦労様、君も一緒にご飯を食べないかい?」


父がそう言うと彼女は頷き椅子へ座る。

 彼女は翔の父『拓真』のドールズである、見た目は翔よりも少し低い背に青髪で目が前髪で隠れている。

 彼女は椅子へ座り同じ食卓を囲んで食べる


「ふんふん、ふぁっふぁりはふまがふふるめひははいほーはな!」


 口いっぱいに頬張りながらエミは翔に言う。


「口の中の物をちゃんと食べてから喋ろうぜ?何言ってるか全然わからん」


 エミは「んぐ!」と言いながら飲み込む


「やっぱり拓真が作る料理はサイコーだな、なっ翔」


「そうだね、父さんの料理は天下一品だもんね」


 父は息子とエミに褒められ、耳を赤くさせながら眼鏡をクイッと上げる───。


 「───ごちそうさま!」


 三人は父の料理を食べ終わり、食器を台所へ持っていく


「翔はどこに進学するんだ?」


 唐突にエミは翔に言う。


「急だなぁ・・・・・・『ドールズ学園』に進学しようと思ってるけど」


「いいじゃん!あそこはタダでドールズ支給されるし、戦闘系が専門の学園だから良い学園生活になるぞ」


 エミはまるで自分の事のように喜んでくれていた


「それで・・・どうしてドールズ学園を選んだんだい?タダでドールズが手に入るとかそういうんじゃないんだろ?」


 翔は少し恥ずかしそうにしながらエミに言う。


「小さいころ俺が高熱を出したときあったよね?」


「あー、あったあった!あの時は大変だったよ~、拓真があんなに慌てたのなんて初めて見たからね、病院に急いで行ったんだけどその日に限って猛吹雪もうふぶきだったから車で行けなくてね・・・拓真が翔背負って病院まで行ったの覚えてるよ」


 エミは懐かしそうに思い出に浸る


「あの後エミが家で待ってる中、父さんが足挫くじいて動けない事態になったんだよ」


 エミは驚いた顔で翔を見つめる


「そ、それでどうなったの・・・・?」


「あんまりうろ覚えで顔は覚えてないんだけど、ドールズと一緒にいた人に助けられたんだよね、左胸にはドールズ学園の模様と同じバッチをつけてた」


「そこからかな、俺もこの人みたいに人を救いたいって思ったのは、だからまずあの人がつけてたドールズ学園に俺も入学しようと思ったんだ・・・」


 翔は遠くを見つめながら語る。


「・・・・そんなことがあったんだね、拓真のやつ、聞いてないぞこんな面白話」


 顔を膨らませる彼女を見て、笑う翔


「それなら尚更なおさら絶対に合格しなきゃな」


エミは拳を突き出す、そして翔も拳を突き出し、合わせる。


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