1 スーパースター 4
@スターコーヒー店内 盗聴器
「あ、社長。どうも、先日は」
「お、ロッキーや。ていうかアフリカで何してんお前」
「映画撮影ですね」
「アフリカ映画ってあるん?ホント」
「あるんちゃいます?それは失礼じゃないすか」
「あ、そうだ……マルちゃんのことだけど」
「はい」
「なんか、昔のツレと会ってんな。そいで、そいつと会話したんやわ」
「ええ」
「お前マルちゃんと結婚してから、女遊びしとうってホンマ?」
「誰です?」
「え?」
「それ言ったの誰です?」
「よう知らんな。社長的意見という奴やな」
「アイツですか?こね男」
「誰やねん。……おい、ロッキー?お前な?ええ加減にした方がええよ」
「何やねん、クソ社長」
「あ?」
「え?」
「お前社長にたてつくんか?」
「なんか、今日の社長怖くないすか?(笑)」
「あのな、ロッキー。言うとくけど」
「はい」
「マルちゃん不幸せにするのはな? 人類史上最低やで」
「……」
「おい、ウサギ。なあ、お前、俺が三番目に拾ったやろ?そいでお前どうなった?」
「クソほど売れなかったですね」
「ほいで、キャンディ☆キルあったやろ。アレ。お前ガンアクション好きやってんな」
「はい」
「アレでお前は全体的に強くなった。急にシリアスな演技もこなれてきて、ほいで桜見、ちゃうわ、花見。あの宴会でべろっべろに酔っ払ったなお前。マルちゃんと飲み比べしたんやろ」
「ええ……」
「ええじゃないが。アレでマルちゃんはお前に惚れたんやぞ。それをお前あの大大大女優を嫁にもろて、そいでお前女遊び?」
「遊んではないですね。いつも真剣です」
「……お前いつからそうなったん?」
「最初からあまり変わってないっすね」
「まあええわ。な、ウサギ。これを最後にしよーや。マルちゃん泣いとうって言ってたで。早く子供つくって幸せになりや」
「いますよ子供?」
「ぶーぶー」
「もう、帰れ。今フリーランスやろ。マルちゃんのとこ帰ったれ。な。今日はおごったるから」
「あんたに頼るつもりはもう無いっすよ。払っときます」