生と死の大会.17(エンペル=キョウ対ホルペイト=リーナ)
俺も五行紋を開放したのはいいんだけども・・・。
「あら、瞳の中に五行紋があるんだ。珍しいわね。」
「ま、まぁね。」
(いやいやいや、この子観察力ヤバすぎだろ!普通見えないって!)
観察力もあって、魔力量もありそうだし何よりまだ13歳の少女だってのに、なんていい身体・・・。
違う!なんて冷静なんだ。
「目の色は赤。やっぱりエンペル家の人間ね。」
(ん?今の発言は気になるな。俺の家系の事を知ってるのか?聞いてみるか。)
「今の発言を聞く限り、俺の家の事知ってそうだけどどういう繋がりなんだい?」
「フフ。内緒よ。」
(メンドクサイ奴だこれ・・・。)
「別に遅かれ早かれ分かる事だから別に内緒にする必要はないけど・・・そうね。キョウ君が私に勝ったら教えてあげてもいいわよ。」
(なんだろ・・・あれか、中二病ってやつなのか。)
いや早合点するのはよくない。
もしかしたら、この世界じゃこういう子の方が多いのかもしれん。
まぁ勝てば詳細を教えてもらえるんだしどっちにしろ戦わないといけないんだから、断る必要はないな。
「OK。分かった。」
「あ、ちなみにキョウ君が負けたら私のボーイフレンドになってキョウ君のご両親に紹介してね。」
(ふむ。なるほど・・・うん?)
「はい?!」
「私、キョウ君みたいな感じの男子タイプなの。」
「い、いや付き合うって・・・あの。それは賭け事みたいな感じでするのは・・・。」
「私の属性は水、キョウ君の属性は炎。相反する属性同士って意外と惹かれあうものなのよ。そう、君のご両親の様に。」
(マジか・・・。この世界にもこういうアニメみたいな事を言う子がいたのか。やっぱり中二病だろ。会話も成り立ってないし。)
とにかく、好んでくれてるのは嬉しいが、付き合いたいか?と言われると付き合いたくないんだよな。
それに、俺はユナが気になってしまってるので無理だ。
だが、俺の家の事を知ってるし詳細が気になるのは本当だし、とりあえず条件を呑むしかないよな。
「わ、分かった。その条件でいいよ。その代わり俺が勝ったら約束はきちんと守ってもらうよ。」
「フフ。約束は守るわ。あぁ、将来の夫婦喧嘩の練習をしましょう。」
(もうすでに勝ったつもりでいやがる。絶対に負けん!)
俺は魔力を左手に集中した。
「いくぞ!火球!」
俺は火球を発動した。
鍛錬のおかげか、以前よりも大きく速いスピードでリーナに向かっていった。
「あら、Dクラスの割になかなかスキルが洗練されてるのね。」
っと言いながら軽々しい感じで瞬時に「水壁」を張って俺の攻撃をかき消した。
「フフ。残念。私は水の属性者、貴方は炎の属性者。埒が明かないわよ。」
「俺は、属性だけで勝負が決まるなんて思った事がないんでね。やってみなきゃ分からないだろ?」
とは言ったものの、確かに属性的にはかなり不利だ。
どうしたものかな。




