生と死の大会.10(ロイ=ペン対ペイル=ヴァン)
無事にラルドの戦いを終りまして。
次は誰と誰が戦うのかなぁ~。っと。
まぁ俺の予想的には、Dクラスの俺達の内の誰かと、後は他のクラスのヤツかな。って思うけど。
(っと予想するけど、俺って前世でもとんでもなく予想率悪かったんだよな・・・。はぁ。)
そうこうしてると、すぐにセリア先生が闘技場に上がり口を開いた。
「名前を呼ばれた生徒は闘技場へ上がって下さい!」
さてさて、誰だ。
(ドキドキっ)
「Dクラス生徒、ペイル=ヴァン!Dクラス生徒、ロイ=ペン!」
何とぉ!当たり前の様に外れたけど、これはさすがに応援席にいるセナでも予想外だろう。
(チラッ)
チラッと応援席にいるセナの方を見てみると、一緒にいたヨークス先輩と二人して驚いているのか目を大きくして口を大きく開いている。
うん、なかなか面白い絵だぞ二人共。
(まぁ、俺も同じ気持ちだけどな。)
当然っちゃ当然だが、ペンもヴァンも驚いて唖然としているな。
「ぼ、僕の対戦相手はヴァン君・・・。」
「・・・。」
「二人共・・・。」
こういう場面を想定していなかったって訳じゃないが、二人の気持ちになってみればどう対応すればいいのか難しいだろうな。
前世でも、同じ部署の仲間内で成績争いなどあったが、やはり仲のいい仕事仲間の成績を奪う形になったり、本意じゃないにしろ多少シビアな対応をしてでも突き落とす事をしないといけない理不尽な場面もあった。
そういうのを考えると物凄くやるせない気持ちになったりするんだよな。
二人は沈黙したまま闘技場に上がった。
(さて、どういう展開になるんだ。)
俺的には、お互い承諾をした上できちんと戦って二人共無事に終わって欲しい。
どっちが勝っても負けてもいいって感じだな。
(とりあえずまた盗聴スキル発動っと・・・。)
「では二人共いいですね。始め!」
っと躊躇なくセリア先生が開始合図を出した。
「ペン、こうなっては仕方がない。正直俺も同じクラス同士での決闘は嫌だが戦うぞ。」
「ヴァ、ヴァン君。」
「同じクラスだからこそ正々堂々と本気で手合わせしたい。それがお前に対しての礼儀でもあると俺は思うからな。」
ほほう。ヴァンのヤツいい事を言う。
確かに本当に仲間だと思ってるからこそ、変に遠慮したりせず挑むものだしな。
「わ、分かったよ。僕も正々堂々と本気で戦うよ。それがヴァン君に対しての礼儀なら。」
(いやまだ13歳の子供が礼儀とか正直そこまで深く考えなくてもいいんだけどな。)
そうしてヴァンとペンの決闘が幕を開けた。




