予選バトルロワイヤル
校長先生の挨拶も済んで大会が始まった訳ですが。
(ガヤガヤ)
何故だかBクラスからDクラスまでの全員が集めれたな。
今から大会を始めるにしてもBからDクラスの生徒全員でどうするんだろうな。
前世の頃はもちろん経験はないが、まさかバトルロワイヤルとか言わないだろうし。
「今から、その闘技場で10人になるまで戦ってもらいます。」
(お、おぉ。マジかい。)
俺はもちろん他の生徒達もザワザワと動揺している感じだがもちろんそうなりますよね。
「先程、校長先生がおっしゃった通りこの大会は皆さんの知識にも経験にもなり将来的に就く職業にも影響します。が、同時に魔物との戦いを想定した大会でもあります。」
ふむ。言いたい事は何となく分かるな。
魔物はまだ見た事ないが、敵が一匹とは限らないしな。ゲームではよくあったが、敵の呪文なんかで味方が操られて多数対一人みたいなんもあったからな。
「ただしいくつかルールを設けます。」
セリア先生は淡々と分かりやすく俺達にルールの説明をしてくれた。
1.急所を狙ってはいけない。殺してはいけない。
2.闘技場の円形の外に出た時点で負け。又は降参もその瞬間に負け。
3.平等にする為、スキルのレベル制限はないが魔力切れはその時点で負け。
4.無理はしない事。
「以上です。特に1番目のルールを破った生徒はその場で大会中止。さらには退学処分の上ゲイル王国での裁判の後、処罰を受けて頂きます。」
この世界では子供でも容赦なく処罰なんかがあるのか。
普通に考えるとまだ若い子供の俺達に相手を殺す度胸があるかというとないと思うが、いないとも言い切れないからな。
正直ありがたいな。
「では、これより予選式バトルロワイヤルを開始します。はじめ!」
セリア先生の声が競技場全体に響き渡った。
同時に全員が動き出した。
(ドゴーン!)
五行紋を開放して、これだけの人数が一気にスキルを使用してのバトルロワイヤルだ。
始まって数秒で場外になるヤツやいきなり降参を宣言している生徒が出てきた。
とにかくこういう場合は慌てたり場の空気に圧された人間は大抵失敗する。
前世でも仕事なんかで精神的に似た様な事はあったしな。
「オラー!」
「うわ。」
っといきなり俺も攻撃をされる。
(ふう。突然だからちょっとビックリしたぞ。外見は若くても中身はオッサンなんだからビビるからマジ。)
俺の方へ向けて攻撃して来たヤツのスキル・・・。
陰の五行属性であれはスキル的に雷の五行紋だな。
(パーン!)
思ってたよりもスキルの質もそこまで強さを感じないな。
攻撃も単調だし。
とはいえ・・・ふむ。やっぱり空間での鍛錬の賜物だな。
殆ど魔力を消費せずにスキルを弾けるぞ。
五行紋を開放して水の五行属性だけでいけるかもしれない。
まぁ色々やって俺が特異属性者だとバレるのを防ぐってのもあるんだけど。
「お前、最弱のDクラスのくせに何で攻撃が効いてないんだよ!」
っと俺に攻撃してきた生徒が突然大きな声で俺に言ってきた。
「Dクラスだからって軽くみないで欲しいね。」
(っていうか、たった一度の攻撃でそこまで驚かなくても。)
上のランクのクラスだから分かると思ったんだけど分からないのか。
単純に俺が鍛錬で多少はレベルが上がったって事と今まさにスキルを使用している事に気づいてないのか?
鍛錬中に覚えたスキルだけど、水のスキル「水衣」。
水を身体全体に包み、魔力で強度を上げ防御力を上げる。
魔力の調整次第で自由に強度を上げる事ができるので初級レベルの防御スキルみたいだが。
まぁユナに教えてもらったスキルだけどな。
とりあえずこの予選、精いっぱい力を抜いて怪我のない様に生き残れる様に頑張ろう。




