突入!
さぁ大会の始まりだ。前世ではなかった初体験です。
競技場に着くと、祭りかってくらいの人だかりになっていた。
まぁグチャグチャって感じじゃなく、きちんと整理された上での人だかりだ。
順番にSクラスからDクラスの看板が立ててある。
とりあえず少し気になるのはあちらからヒソヒソと嫌味的な会話が聞こえるな。
「おい、Dクラスの奴らがきたぞ。」
「Dのザコクラスがよくも大会に参加したもんだ(笑)」
(ふむ。予想はしてたけど当然の様にバカにしてる奴らがいるな。)
言ってきたのはBクラスの連中だな。
BクラスにつられてかCクラスもクスクス笑ってるな。
それに比べてSクラスとAクラスはかなり落ち着いた感じだな。
(って、SクラスもAクラスも俺達Dクラスと同じ人数しかいないぞ!)
「キョウ君、口が開いたままだよ(笑)」
っと俺の後ろからペンが突っ込みを入れてきた。
あまりにも予想外の事だったから口が開いたまんまだった・・・恥ずかし!
「あ!いやSクラスもAクラスも生徒の人数が少ないのに驚いちゃって。」
「ベルド先輩に聞いたんだけど、SとAのクラスに入る人間はなかなかいないみたいで毎年だいたい1人とか2人だけなんだって。」
「そんなに?」
「うん。去年はSクラスは誰もいなくてAクラスに2人いただけだって。今年はSとAクラス共に5人ずついるんだから凄いよね。」
「確かに。」
少しは気になる所だが、とりあえず俺的にはそれよりも心配な点が一つ・・・。
「おい!てめぇ、ケンカ売ってんのか!」
(やっぱりか・・・。)
簡単に挑発に乗るよなぁやっぱり・・・ラルドは。
こんな所でケンカになって大会が中止にならないとも限らないしな。
まぁラルドの気持ちは分からんでもないから俺的には全然OKだけども一応止めに入るか。
「ちょっと、落ち着きなよラルド。」
「ラルドく~ん。」
っと突然後ろからレイゲン=エミルがラルドを呼んだ。
(ビクっ)
っとラルドは同時にその場に止まった。
(え、何この面白い場面は。)
「な、何だよ。」
「大会では挑発してくるクラスや大会以外でも色々してくる人もいるって言ったよね~?」
「だ、だけどよ。」
ほお。あのラルドが一瞬で大人しくなったぞ。
ラルドもさすがに鍛錬の日々を過ごしてくれた先輩には頭が上がらないか。
「ラルド君の気持ちはよく分かるよ~。だから大会でボコボコにすればいいんだよ~。」
ふむ。さすがはラルドのサポート役だな。
言ってる事が荒すぎる。
「ちっ!仕方ねぇ。おい!お前達覚悟しておけよ!ボコボコにしてやるからな!」
(いや、そこは捨てセリフみたいなんいらないからな。)
っと口に出したかったけど我慢して心の中で思っておこう。
とりあえずエミルは、さすがにラルドのサポート役をしていただけあるな。
メチャクチャ扱い慣れしてる感じだな。
とにかく大会が始まる前の騒動はなくなったのでひとまず安心だ。
(ざわざわ)
っと、同時に周辺がざわざわし出した。
(あれは校長先生。)
校長はゆっくりと歩いて俺達一年生の前に立った。
「一年生の皆さん、三か月の鍛錬期間ご苦労様でした。それとサポート役の上級生の皆さんもご苦労様です。」
校長先生がそう言うとサポート役としている上級生達は一斉にお辞儀をして返した。
「もうすでに知ってるかもしれませんが、この大会は皆さん自身の力の経験値となり知識ともなり、将来的に皆さんが就く職業にも影響してくる大会です。だからといって無理はしないで大会に挑んで下さい。貴方達の物語はこれからなんですから。私の話は以上です。」
一同「はい!」
(ふむ、まさに教師の見本と言っていい内容だな。)
とりあえずこれで話も終わった。
そして校長と入れ替わりにホルペイト=セリアが俺達の前に立った。
「皆さん三か月の鍛錬お疲れ様でした。元気そうで何よりです。」
(うわぁ、やっぱりこの声は可愛すぎる。癒されるな!)
「私、ホルペイト=セリアが皆さんの大会の主催及び審判を務めさせて頂きます。グロリペンス学園の生徒として誇りある大会にしましょうね。」
「ワーー!」
「セリア様が審判だ!よっしゃー!」
ふむ。まぁ前回同様やはり人気者だな。
まぁ気持ちはかなり分かるがな。
「では皆さん、競技場の方を見てください。」
っとセリアが言った方向を全員一斉に向いた。
おっと、セリア先生が何やらブツブツ唱えてる。
前回のナッグ先生の時と同じパターンか?
っと考えてると、紋様が現れとても広い大きな円形の闘技場が出現した。
「SクラスとAクラスを除いたBクラスからDクラスの生徒は今からあの闘技場に入って下さい。」




