特異属性者の空間.3
変な紋様が出てきてから、炎のスキルを発動させてみたけども。
俺は「全」の五行紋を開放して炎を右手に出してみた。
っていうか、ユナがジロジロと見てくるから変に緊張してしまうぞこれ。
とりあえず使った事のあるスキルの練度を上げる為にも一度発動してみるか。
「キョウ君!ちょっと待って!」
っとここでユナが声を大きく出して言ってきた。
「どうしたんですか?」
「キョウ君って特異属性者でしょ?」
「え、そうですけど。」
(オイオイ。どした急に。何の確認だ。)
「間違ってたらごめんなさいね。もしかしてキョウ君の五行紋って、「全」・・・の属性?」
「はい、そうですけど。俺言ってないのによく分かりましたね。」
「うん・・・。正直キョウ君が特異属性者の時点でキョウ君の五行紋を見たとしてもどの五行紋なのか分からないから、あえて聞く事はしなかったんだけどキョウ君が炎属性の炎を出したから、もしかしてって思ったの。」
「なるほど。」
賢いユナの事だから五行属性から特異属性の各属性等なんかは自分で調べていて、炎を出せる可能性として考えた結果、「全」の五行紋が濃厚だと思ったんだろうな。
「確か「全」の特異属性は何色にも染まる属性って書物で見た事があるわ。やっと意味が分かったわ。」
「やっぱり皆知ってるもんなんですか?」
「歴史や書物を読んだ人なら知ってるわ。だけど特異属性者なんてレアな方だからそこまで意識して覚える人もいないのも事実。私は知識として将来特異属性者と出会う可能性も踏まえた上だったから、覚えてたんだけどね。」
「じゃ、もしかして「全」以外の特異属性の詳細みたいなのも分かるんですか?」
「「全」以外では「重」、「吸」、「滅」、「生」、「無」があったはずだわ。私も書物で読んだ部分しか分からないけどそれでもいいなら共有するわよ。」
「マジですか!ぜひお願いします。」
(ミコトのヤツが教えてくれなかったから、自分で少しずつ調べていこうと思ってたけどこれは大収穫だぞ。)
「分かったわ。でもその前に今は目の前の事に集中して空間での時間を有意義に使いましょう。」
「あ、そうですよね。」
いかんいかん。予想外の事が起きたせいか本来の目的を忘れてしまっていた。
俺もまだまだだな。
「とりあえずキョウ君がする事は「全」の五行紋である特異属性者として基本五行属性を完全に使いこなせる様になる事。もちろんサポートとして私も協力するわ。」
「はい、お願いします。」
(俺は陽の特異属性者だから陰の属性スキルを使えないんだけど・・・まぁいっか。)
こうして完全に「全」の特異属性を扱えていない俺はユナにサポートしてもらいながら基本五行属性を覚える事になった。




