大会へ向けて.6
ナッグ先生が考えた俺達の鍛錬方法ってヤツですが。
さすがにこればかりは何でこういう鍛錬方法になったのか考えたけど分からん。
多分、ヴァン達も訳分からん状態だろうな。
ちなみに俺を含めた5人の鍛錬方法がこうだ。
他の4人の鍛錬の詳細に関して詳しく分からんが。
ペイル=ヴァン:毎日一時間、学園内のどこでもいいので自身の五行属性を指に集中し、途切れさせる事なく維持。
その後は、瞑想を30分。午後からは基本的に身体の強化に集中。
夕方になったら自身の判断で教室に戻ってくる事。
ロイ=ペン:毎朝、学園の周辺にある山に一人で向かい、山頂まで登る事。(自分のペースで休憩OK)
山頂に到着したらそこで自身の周辺を意識しながら瞑想を1時間。
終わったら自分のペースでこの教室まで戻ってくる事。
グロギシア=ラルド:学園のある場所に金属でできた空間があるので、そこに入って自身の五行紋を開放。後は自由に空間で過ごす事。夕方になれば空間から音がなり空間から出れるので常に集中しておくこと。
終わったらペン同様教室に戻ってくる事。
レイゲン=セナ:学園のある場所に地下に行ける階段があるので、そこから地下に入ると特別な空間があるので、そこでまずは1時間瞑想。その後は自身の五行紋を開放し空間で過ごす事。空間にいる事を意識し自身をイメージする事。夕方になれば空間から揺れがあり出れる様になるので常に集中しておくこと。
終わったらラルド同様教室に戻ってくる事。
エンペル=キョウ:学園のある場所に特別な空間があるので、そこへ毎日通う事。
夕方になれば空間から出られるので終わったらセナ同様教室に戻ってくる事。
との事だ。
ってかおかしいだろ。
俺の鍛錬方法だけ。
特別な空間があるから毎日通う事。って俺含め全員明確な場所が分からないのに。
俺的には、もっと違う感じで他の4人みたく鍛錬方法を指示されるのを楽しみにしてたのに。
今すぐにでも質問したい所だけど、さすがにヴァン達全員がいる前じゃ言えないからなぁ。
とにかく皆が教室から帰るまで黙っとくしかない。
刻々と時間が進んだが、俺同様場所などがよく分からないまま解散になった。
「では、明日から各自頑張ろうね。」
(あれだな。ナッグ先生の考えた方法だし意味があるのかもしれない。)
「皆、悩んでも仕方ないしここはナッグ先生を信じて俺達で各自考えてやり抜こう。」
っと俺は一言ナッグ先生を補助したつもりで言ってみた。
「そうね。ナッグ先生がこれだけ聞いても教えてくれないですもの。私達自身で場所を探し出してやっていく事に意味があるんだわ。」
(おぉ。さすがはセナだ。大人顔負けの言い分だな。まぁ俺も同感だけどな。)
セナがそう言うと、三人はチラチラっと目を見合わせながら静かにコクンと頷いた。
っていうか、ヴァンやペンの納得しての頷きは分かるが、まさかラルドまでがなぁ。
女性の発言能力って恐ろしいな。
「じゃ先生。」
「さようなら。」
「あばよ。」
「失礼致します。」
っとナッグ先生に一言挨拶をして四人は教室を出た。
このまま残っておきたい所だけどさすがに四人に怪しまれたりする可能性があるので俺もボソリと先生に告げ、一旦教室を出る事にした。
「じゃ、先生俺も失礼します。」
「うん。皆お疲れ様。」
そして俺は四人が寮に戻って行くのを完全に確認してから改めて教室に戻った。




