大会へ向けて.1
時間が経ち、そろそろナッグ先生がやってくる時間ですなぁ。
(ガラガラ)
っと思ってたらナッグ先生の登場だ。
これに関しても同様に一週間でだいたい掴めた。
「やぁやぁみなさん、おはよう。」
「おはようございます。」
っと全員で言います。はい。
(ん?)
あれ?いつもと今日は違うか?
いつもは、俺の顔をチラっと見てから、授業を始めるんだが今日は普通だな。
いつもは穏やかな表情をしているんだが、少し緊張気味な表情だな。
「え~とですね。朝からだけど皆に報告があります。」
報告とは珍しい。
とはいってもまだ一ヶ月くらいしか経ってないし珍しいもクソもないんだけどな。
「実はね、さっき各クラスの先生達で会議があって大会の日が決まりました。」
(ん?大会?)
そこでラルドが大きな声で口を開いた。
「待ってたぜ!ナッグ先生!大会はいつだ!?」
「大会」という言葉を聞いて他の皆も突然表情が強張った。
「大会は3か月後だね。それを踏まえて他のクラスも同様だけど今日から大会へ向けての訓練を重視した方法を取っていくので皆頑張ろうね。」
っとナッグ先生はニコっと笑った。
いやっていうか内容が全く分からん。
俺以外の全員が表情を強張らせる様な大会ってどんなんだ一体。
っと思ってたらナッグ先生がまた口を開いた。
「あ、ちなみにこの大会に関して知らないって人はいるかな?東西南北全ての都市の中でもかなり有名なグロリペンス学園の大会だから知ってるとは思うけどね。」
(いやこの人絶対に俺が知らないって分かって言ってるだろ。)
でも俺の記憶に一切大会に関しての話の記憶がないって事は知らない生徒がいる可能性もあるよな。
「あ、あの先生、大会に関してはチラっと聞いた事はありますが詳細等が全く分かりません。」
っと質問してきたのはロイ=ペンだ。
(お、仲間だ。ふむ、やっぱり知らない人間が一人よりも同じ知らない人間がいるのは心強いな。)
まぁ、それが人間という生き物だしな。
っていうか俺なんて全く知らないし一緒に便乗しよう。
「先生、俺も大会に関しては初耳でして全く知りません。」
俺とペンがそう言うとヴァン達が驚いた感じで見てる。
(いや、そこまでビックリしなくても・・・。)
「この大会は有名だけど、もちろん知らない人もいるから二人共安心していいからね。」
あ、ヤバイ・・・。
今の発言で無駄な探求心が発動してしまったぞ。
オッサンになると、別にどうでもいい事でも気にしてしまうんだよな。
俺の性格も多少なりともあるんだろうが。
(・・・・・)
我慢できん!
今の俺は13歳の子供だし聞いても問題ないだろう。
それに俺が転生者でこちらの世界の詳細をハッキリと理解できていないのもナッグ先生なら分かってるはずだ。よし!
「先生、一つ気になるんですが何故それだけ有名な大会なのに俺やペンみたいに知らない人間がいるんですか?」
「う~ん。」
(あれ?)
すぐに返答をしてくれると踏んだんだが予想外な反応だな。
メッチャ答えにくそう。俺的には言いにくい内容でもいいから理由を知りたいだけなんだけどな。
「先生、私が答えます。」
っとセナが席を立って言い出した。
「じゃぁ、申し訳ないけどレイゲンさんにお願いしようかな。ハハ。」
苦笑いしながら自分が答えるのを逃げた。
うん。多分理由は俺はともかくペンがショックを受ける内容かもな。




