陽と陰.3
「ハハハ。面白い冗談だね。五行属性者として儀式が済んだ者なら、自身の属性を知った上で他の属性が使えない事くらい誰でも知っている事だよ。」
(え、マジか。俺ミコトにそんな事言われてないぞ。)
「五行属性には陽と陰の二つの性質で構成されていて、属性によってどちらかに分類されるんだよ。」
(マジか。五行属性・・・奥深い。)
待てよ。
もしかして俺が雷の属性を使えなかったのは陽と陰の性質のせいか?
詳細が知りたいけど、どうする。
もう開き直って俺が特異属性者だって先生に言ってしまうか・・・。
でも、校長先生には公にしないでと言われてるし・・・。
メチャクチャ悩みながら顔を下に向けていると、先生がまた口を開く。
「僕はね、キョウ君が特異属性者だと断定できる理由があるんだよ。」
「だ、断定ですか。」
(断定されるなんて俺は一体何をしたんだ。)
「キョウ君、さっきラルド君との手合わせの時に、炎属性を使ったよね。」
「え、はい。」
「そしてその時にキョウ君が出したスキル「炎雨」は中級レベルのスキルなんだよ。」
いや、それ四人にも詰め寄られたけど中級レベル言われても分からんし。
それにしても、適当に考えたつもりで出したスキルなんだけど、まさか実在してるスキルだったのは驚きだ。
「あのスキルは炎属性者が得意とするスキルなんだけど、五行紋に流れる魔力量とイメージがかなり必要でね。儀式を終えたばかりの魔力が多い人間でも、中級レベルはなかなか発動させれないんだよね。儀式を終えたばかりの子が、中級レベルを扱える理由は二つしかない。
一つは、基本の五行属性者ではなく、特異属性者だから。
魔力量は多いし、普通の属性者達よりも特殊だからね。
そして、もう一つは子供ではなく、大人だから。
魔力は成長を重ねる事に増えていくし、質も上がるからね。」
なるほど。ナッグ先生の言いたい事は分かった。
ようは簡単にいうと、俺の今の年齢で中級レベルのスキルを発動できるのは、魔力量が飛びぬけてて、尚且つ魔力の質も違う人間だけって言いたいんだろうな。
だが、それでもやはりナッグ先生に俺が特異属性者だと知らせるには、リスクがある気がするんだよな。
俺がこの先生を信用するに値する人物なら話は別だけど、まだ出会ったばかりなのにそれはまずない。
っと考えてたら先生の口から驚きの言葉が流れてきた。
「僕がキョウ君にとって信用に値する人物かどうかハッキリすればいいのかな?」
「はい!?」
っとつい声をあげてしまった。
だって、俺が心の中で考えてた事を言ってきたんだぞ。
え、何この人・・・。実は人の心が読める属性者なのか・・・。
いやいやいや、メッチャ怖いんですけど。
っと少し引いた感じでナッグ先生を見ていた俺に先生は爽やかに笑いながら話かけてきた。
「ハハ、もしかして変に勘違いしちゃったかな?」
「え、何がですか?」
「キョウ君の顔見てたら、何考えてるか分かりやすいからね。今もどうせ僕の事、変態とか心が読める人とか思ってたんじゃないかな?」
うわぁ・・・。
ドンピシャだ。
俺そんなに顔に出てるか?
精神的には大人だし、それなりに経験してきて修羅場もくぐってきたのに。
「僕もね、この年齢まで生きてきて色々経験をしたからね。分かるんだよ。」
(いやいや、俺も貴方くらい前世では生きていましたけど、顔を見ても考えてる事は分かりませんって。)
「これならどうだい?ラルド君と手合わせした場所の事を君はさっき「コンクリ場」と言ったね。
キョウ君から見ればコンクリートに見えるかもしれないけど、あれは「ポッツォラーナ」と呼ばれる火山灰をメインにして造った場所なんだよ。そして、この世界に「コンクリ」という物は存在しない。多分「コンクリート」の事を言ってるだよね?」
(え・・・)




