入学.1
今日はグロリペンス学園の入学日だ。
まぁ、言うほど緊張はしてないけど。
あれから、父さんはエルリスを担いで3人で家に帰ってから、いやぁ大変だった。
母さんは騒ぐわ、目を覚ましたエルリスは俺の事を化け物やら何やら言ってギャーギャー騒ぐわで。
父さんが、かなり母さんを説得してくれたおかげで事なきを得た感じだが。
エルリスは、父さんにこっ酷く説教されてメチャクチャ沈んでたな。
「じゃ、行ってきます!」
「頑張ってこい。」
「キョウ、エルリスみたいに通いでもよかったのよ?本当に寮でよかったの?」
母さんは、俺がグロリペンス学園の寮に住む事にした事が不満みたいだな。
そう、実は昨日グロリペンス学園の入学願書欄に通いか寮か選ぶ所があって俺は寮を選んだって訳だ。
本来なら、通いでもいいんだろうけど、平和に過ごしたい俺的にはエルリスとはできるだけ距離を置きたいってのが本音だ。
それに13歳とはいえ、中身は30歳のオッサンな訳で正直親元を離れて寂しいってのもない。
「大丈夫。学園の寮で住んだ方が色々身に付く事もあるだろうしね。」
「分かったわ。でも無理はしないでね。帰りたい時はいつでも帰ってきなさいよ。ここはあなたの家なんだから。」
「はい。」
うん。帰る場所がある・・・。なんて素晴らしいんだ。
そして俺は家を出た。
エルリスも一緒にと思って一応声はかけたんだが、無視されたんで知らん。
昨日の事をウジウジと引きずって・・・。
こうして俺は生まれて初めて家を出る事となった。




