エピローグ
私はスワンプドラゴンを倒した後、ローパーを回収する為に屋敷に戻ってきた。
ローパーは予定通り屋敷の隣に転移されていた。その様子は枯れ木の森が出現したかのようだった。しかし私の屋敷の壁に奇妙な塊が出来ていた。
「うむむむむ?なんの塊だこれは?とりあえず鑑定するか。」
精密鑑定の魔法を使うと、その奇妙な塊は”トロールの塊”と出た。どうやらトロール数十匹を固めた物の様だ。
トロールの素材は錬金術で装備に自動修復の能力を付与するときに使う。割とポピュラーな素材だ。
これらの素材とスワンプドラゴンの素材で自動修復機能の付いた竜皮の鎧が作成可能だ。最も皮鎧に加工するのは皮鎧専用の鎧職人に頼むつもりだ。
私が行うのは付与、自動修復やそのほかの機能をつける事なのだ。
「しかし何故このような所にトロールの塊が?解せぬ……。」
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街(元村、名前はまだない)に新しく新設された冒険者ギルドには宿屋と酒場が併設されており、酒場では所属する冒険者たちが噂話をしていた。
「おい、聞いたか?ご領主のマグナス様はスワンプドラゴンの皮で鎧を作ったそうだぞ。」
「ああ知ってるよ。なんでも自動修復御機能が付いている上に毒無効や魔法抵抗上昇までついているらしいぞ。」
「ローパーの素材から作った杖やサイクロプスの素材から作った剣や槍もあるそうだぞ。なんでも力が倍になるとか。」
「倍?+2じゃなくて?」
「ああ、間違いない。現物は俺も買ったから。」
「何!もう売り出しているのか!俺も早く買いに行かねば!売り場はどこだ?」
「そこのギルドカウンターだが、お一人様一つまでの制限付きだぞ?」
「一つ?」
「武器、鎧、道具の中からどれか一つだ。王都を含め他の都市にもまわしたから数が少ないらしい。領地の財政を潤すためだと、アデレードさまが手配したとか。」
「ああ、なるほど。マグナス様だと全部ここに卸しちまうからな。アデレードさまはその点はやり手だからなぁ。仕方がない、ゆっくり物を見てから決めるか。」
「そうした方がいい。それにあのマグナス様だ。いつ何時、とんでもない物が出るか判らん。」
「違いない!」
そう言って冒険者二人は笑い合っていた。
とりあえず2章完です。次は森林開発に乗り出すかもしれません。それまでの間一旦閉めます。