キミへ...1
「はぁ...はぁ....!!」
タッタッタ...!!
私はなんで走っているのだろう?
何かに怯えるかのように....
ただただ走り続け足はいつの間にかボロボロになっていた。
(イタイ....ダレか..)
「助けて...!!!」
「はっ...!?」
ガバッ!っと私は勢いよく起き上がった。
起きたとき私は冷や汗をかいていた。
「ハァ....ハァ....。ゆ....め..なの...?」
と私は呟いた。
すると気づいたらなぜか首に傷ができていて血が出ていた...。
彼女の名前は「闇音狂歌」。
親は2年前に殺されている...。
彼女が鬼の子として生まれた罰だった...。
狂歌はいつに生まれるかわからなかった鬼の子として生まれた...。
左目には赤色の瞳をしている。髪の色は漆黒の黒...。
そして、鬼の証拠として背中に呪いの痣が刻まれていた...。
狂歌の歳は普通の場合18歳だが...狂歌の場合、不老不死という呪いがあった...。
「あ....もう行かなきゃ...」
狂歌は普通の女子高生として通っている。
学校に行くときは、髪をツインテールにして左目の赤い瞳を隠すために眼帯をしていく。
「あ...忘れてた...。包帯まいとかなきゃ..」
今朝の首の傷を包帯で巻く狂歌。
不老不死といっても傷の治りが早くても流石に学校のみんなが驚いてしまう。
「行ってきまーす...」
と言って彼女は学校に向かった。
「おはよー」と言って笑顔で振るまう。
鬼のことは言わず...
授業も終わり、放課後になった。
すると、
「おい、闇音」と男子に声をかけられる。
その男子は私のクラスメイトだった。
私は「なに?」と答える。
その男子の名前は宮野蒼樹。
普通の男子に見えるが意外と怖いらしい...
蒼樹は「お前...またケガしたのか?」と少ししかめた顔で言った。
「あ...うん。ちょっと傷ついていて....。でも大丈夫だよ」
と苦笑いで答えた。
でもその時はもう傷はなくなっていた。
すると、蒼樹は怖い顔をして近づいてきた。
「え?えっ??ちょっ...」
と最終的に黒板の壁まで近づかれた。
そして....
ドンッ!!と壁の叩く音が教室中に響いた。
「なんで.....」
「えっ....?」
「なんで!!そんなになるまで我慢してるんだよ!!いつもいつも無理した笑顔作りやがって!!」
「....っ!?」
「お前のそんなとこ見たくないんだよ!!」
と蒼樹は怒りながら言った。
「......っ」
狂歌は黙ってしまった...。
確かにそうだ....鬼の子としても隠して毎朝毎朝体のどこかには傷がついている...。
すると狂歌は...
「.....知らないくせに......」
「はぁ?」
「私のこと...知らないくせに!!何でわかったかのような口開くの!?私だって....私だってこんな風にイタクナイヨ.....っ」
「...!?」
狂歌は涙をこぼした。それに対して蒼樹はびっくりしている。
「私のこと...っ。なんも知らないくせに....っ!!」といった瞬間...
「っ!?」
ぎゅっ...といつの間にか抱きしめられていた。
「な...なに...するのよ...っ」
蒼樹は...
「ごめん....」
と一言言ったあとに続いて
「俺...お前のこと知ってるんだ....」
「え...?」
蒼樹は何かを知っているようだった...。
スル...と眼帯に蒼樹の手が触れた。
「!?ダメ...っ!?」
鬼の子の証拠の左目に付けてた眼帯を取られ、赤い瞳が見られてしまった...。
「.....。大丈夫だから....隠さないで...」
と言われ左目を抑えてた手を降ろされた。
「俺は....お前のこと昔から知ってる...。」
「....!?どういう...っ!?」
「覚えてないかもしれないが....俺は一度お前に逢ってるんだ...。狂歌」
蒼樹は昔に狂歌に逢っているという。
「...っ!?まさか....蒼樹君....」
狂歌は何かを思い出したようだ。
「でも....名前は違うのに...」
「そうだ...。俺はあの時の"ハヤテ"だ。」
10年前....。
狂歌がまだ幼かった頃、ある男の子がいたのです。
それが"ハヤテ"だった。
ハヤテは一人ぼっちの狂歌のずっとそばにいた人物だった。
狂歌は鬼の子として恐れられ、人間との距離を置かされた。
村では鬼の子は嫌われ者だった...。
だが、ハヤテだけは違った。
普通の人間とのように仲良く鬼の子の狂歌と接していた。
狂歌は「鬼の子といたら何されるかわかんないんだよ?」
と不安気に言ったのだが、それでも離れなかった。
しかし、4年後にはいつの間にか狂歌以外の人間がいなくなっていた...。
いつも傍にいてくれていたハヤテもいなくなっていた...。
それから狂歌は一人になってしまった。
狂歌はそれから怖い夢を見るようになった。
今朝のように...。
そして起きた瞬間には傷がある。
そして今、宮野蒼樹がハヤテと告白され混乱している狂歌。
「え...嘘...本当に...ハヤテなの..?」
「そうだ....ごめん...居なくなったりしてしまって...」
と蒼樹は謝りながらさらにぎゅっと抱きしめる...。
「ハヤテ....っ。ハヤテ...ぅっ...」
「ごめん...ごめんな..」
と狂歌は泣きながらハヤテの名前を呼びながら抱きしめ返す。
「狂歌....」
と呼ばれた瞬間...
........。
私の唇に何かが重なった....。
「...んっ!?」
それは蒼樹の唇だった....。
私は驚いてしまった勢いで離れた。
「ちょっ....///不意打ちなしだよ...ハヤテ....///」
「ハヤテじゃなくて今は蒼樹だよ」
ちゅっ...
と言った後に額にキスされた....。
「狂歌....俺と暮らさないか..?」
と言われその言葉に混乱する狂歌。
「ふぇっ!?いぃぃ...一緒にって...」
「今のお前がほっとけないんだ....。いくら不老不死の鬼の子としても毎回学校で会うたんびにケガしてるの...俺は見たくない。」
「そんなこと言っても....蒼樹とは暮らせないよ...」
「なんで?」
「それは....」
狂歌は言えなかった....。
今の狂歌は危ない時期と言われている...。
鬼の呪いの痣が10年前よりさらにどんどん大きくなっている。
精神的に崩壊すれば狂歌は鬼化してしまう....。
すでに精神的に危険度は増していってる....。
「......。」
蒼樹は何か見破ったかのように、
「その時は...俺が止める...」
「え....でも...」
「鬼化が進んでるなら俺が止める..」
「っ!?」
「見せろ....」
バッ!っと制服のシャツを脱がされた...
狂歌の背中を見ると確かに10年前より酷くなっていることがわかる。
「~~っ///!?」
狂歌は恥ずかしすぎて顔を真っ赤にした。
「狂歌....今すぐお前が今住んでる場所に連れてけ」
と言われもう言うこと聞かないなと判断し、
「....わかった...。」と言い学校を出た。