けものフレンズとなろう作品の共通点
なろう人気作の傾向の一つに「俺TSUEEE」というものがあるのは、なろうをご覧の皆様ならご存じかと思います。
俺TSUEEEは、何もなろうの専売特許というわけでなく、ジャンプ作品や神話、昔話などにも大変よく見られます。
そんな俺TSUEEE、現在話題沸騰中の「けものフレンズ」でも見て取れます。
ダブル主人公の片割れ、「かばんちゃん」は、色んな場面で知恵を披露します。その知恵も、内容は紙飛行機を折って飛ばしたり、慎重派と行動派のフレンズ(擬人化動物。ちなみにかばんちゃんは、ヒトのフレンズです)を役割分担させたりと、実に他愛ないものなのですが、フレンズは知恵を絞るという能力が欠如しているので、あらゆる知恵に「すごーい!」と感心してくれます。そして、知恵は大概良い結果に繋がります。
この徹底した主人公上げは、まさに俺TSUEEEの系譜です。
誰かを賢く見せたいときは、周囲を愚かに描くのが楽なのですが、ともすれば嫌味であったり稚拙に映ってしまいます。しかし、「けものフレンズ」は、周囲の人物を擬人化された動物とすることで、愚かであることに説得力を持たせています。
これは、異世界転生・転移もので、主人公が現代の技術を披露して絶賛される展開を、より一段掘り下げたものといえます。
もし、擬人化動物よりさらに説得力のあるギミックを発掘することができれば、けものフレンズに匹敵する人気作を生み出せるかもしれません。